新規事業の会議でAIを使ってもアイデアは増えたがどれも薄いという声が後を絶ちません。
大量の案が並んでも翌日から誰が何を試すのか決まらない。
会議がアイデア鑑賞会で終わる企業は少なくないはずです。
この問題を解決するにはAIに丸投げする前に
顧客、自社の強み、禁止事項を整理する運用が必要です。
さらに発散と収束のプロセスを時間配分まで設計します。
AIは「問いと評価軸」に忠実に動きます。
そこが曖昧なままだと既視感のある案をひたすら増やすだけで終わります。
今回はAIで100案を出して3案に絞るまでの流れを整理します。
- 問いの作り方
- 評価軸
- 検証アクション
これらを一連の手順でお伝えします。
AIに投げる前に固める3つの前提
AIでアイデア出しを始める前に最初の10分を惜しまないでください。
顧客、自社の強み、禁止事項を一行で共有する作業が
精度の高いアイデアを生む土台になります。
まずは顧客です。
誰がどんな場面で困っているかを役職や場面レベルまで具体化します。
中小企業の経営者では広すぎます。
製造業の設備保全担当で突発的な部品故障に悩んでいる人
ここまで絞るとAIの回答は一気に実用的になります。
次に自社の強みです。
- 技術
- 設備
- 人材
- 販路
- 保守体制など
今すでに持っている資源をすべて書き出します。
新しく獲得する資源ではなく既存の資源に限定してください。
最後に禁止事項です。
- 法規制
- 価格帯
- 初期投資の上限
- 人手の余力など
やってはいけない条件を先に並べます。
ここを曖昧にすると会議の後半でそもそもそれはうちではできないという突き返しが必ず起きます。
この3点が揃うとAIの出力は急に現場寄りの案に近づきます。
逆に3点が空白だとAIは当たり障りない案を並べます。
それを会議で否定し続ける流れになり時間だけが溶けていきます。
【企業のモデル事例】
金属加工のA社では新規事業を考えようという曖昧な議題で会議を続けていました。
毎回似たような案が並びそれは大手がすでにやっているという反論で終わる展開が続きました。
そこで経営者が
顧客を既存取引先の設備保全担当自社の強みを短納期対応と現場調整力禁止事項を新しい設備投資は当面しない
と一文で整理しました。
同じ前提をAIにインプットすると保全向け治具の定額供給や摩耗部品の予防交換パックなど
現場で議論できる案が短時間で揃いました。
1時間で100案から3案に絞る進め方
会議時間を1時間と決めた場合「発散と収束」の時間を最初から区切ります。
感覚で進めると発散中に評価が入り声の大きい人の好みで案が決まりがちです。
進行の基本は次の通りです。
最初の10分で誰に、何を、どの資産で解決するかを一行で書きます。
これがAIへの指示文の核になります。
続く20分は発散の時間です。
AIに自由回答を求めず顧客×課題×提供形態×課金方法×チャネルといった枠で組み替えて出させます。
この段階では評価を禁止しとにかく数を増やします。
「それは難しい」「前に失敗した」といった発言は後回しにしてください。
次の15分で評価軸を使って切ります。
評価軸は
- 粗利が残る見込み
- 既存資源で始めやすい見込みの2点に絞ります。
さらに顧客が本当に困る場面か
支払いを担当する人がはっきりしているか
継続利用の理由があるかを確認します。
この3点で落ちる案は最初から捨ててください。
最後の15分で残った3案を
- 顧客ヒアリング
- 見積提示
- 簡易ページなど
具体的な検証手段に結びつけます。
社内で完璧を狙うと実行が遅れます。
軽い手段で十分です。
この流れを毎回同じ順番で回すと会議の再現性が生まれます。
その場のノリで終わらない運用に変わります。
【企業のモデル事例】
住宅設備会社のB社ではAIで新規サービスの案を出した際
最初は50案以上のリストだけが増えました。
現場からはどれを進めればいいのか分からないという声が上がりました。
そこで経営者が評価軸を
- 粗利が確保できる見込み
- 現場の職人と事例データを活用しやすい見込み
の2点に絞りAIにその条件で再評価させました。
その結果
- 見積前の不安を減らす事前診断
- 予算別の提案パッケージ
- 工期リスクの説明テンプレート
という3案に整理されました。
まずは電話ヒアリングの台本から導入する段取りに落ち着きました。
今日のまとめ
AIでビジネスアイデアを増やしても前提と評価軸が曖昧なままだと会議はネタ集めで終わります。
大切なのは顧客、自社の強み、禁止事項を最初に整理し
発散は型で収束は評価軸で進める筋道を決める点です。
まず30案そこから3案を検証へ落とすという運用に変えるだけで
AIを使った新規事業会議は結果が出る場へ近づきます。


