第200話のテーマは『次代への布石』です。
広告業界で有名な宣伝部
開高健、山口瞳、柳原良平……という各氏の名前を聞いてあなたは何を連想しますか?
この3人に共通するのは同じ会社の同じ部署に勤務したこと。
その会社の名前は<壽屋(ことぶきや)>といいます。
3人が在籍した部署は「宣伝部」でした。
広告関係の人間であれば誰でも知っている有名な話しですがこの<壽屋>の宣伝部には錚々(そうそう)たるメンバーが在籍していて話題性の高い広告を次々に打ち出していました。
<壽屋>の現在の社名は<サントリー>といいます。
<サントリーHD>のビジネスモデル
前職の広告会社のときですが2008年から大阪市の堂島にある<サントリー>を訪問していて「もっと飲食店に販売する」企画を営業の責任者の方に提案していました。
私が社長を退任したことでこの企画案は立ち消えになりましたが独特の雰囲気のある街で育った独特の文化の香りを感じていました。
社名の<サントリー>はSUN(太陽)と鳥井(苗字)を合わせた造語ですが初めて発売したウイスキーに商品名として名付けられました。
そして1963年のビールの発売を期に商品名を社名にしました。
創業者の鳥井信治郎氏から始まり長男の鳥井吉太郎氏が急逝したため◉2代目:佐治敬三氏(二男)◉3代目:鳥井信一郎氏(長男の子)◉4代目:佐治信忠(2代目の長男)と同族が代々の社長を承継してきましたが2014年10月に<ローソン>の取締役会長であった新浪剛史氏が創業以来、初めての同族以外の代表取締役社長に就任しました。
それより少し早い2014年6月には……アメリカの蒸留酒最大手である<ビーム>を約1兆6500億円で買収を完了しました。
この大型買収には当時は物議を醸(かも)す話題でかの大前研一氏も「買収のメリットが見当たらない」という記事で評していました。
今年の1〜9月期の決算では過去最高の経常利益を出しています。
国内やアジアで清涼飲料の販売が好調だったこともありますが<ビーム>買収後に社名変更した<ビームサントリー>の販売数量を10%以上伸ばしたことがおおきかったようです。
2016年度の酒類事業の営業利益は883億円でしたがその大半の営業利益を<ビームサントリー>が稼ぎました。
<ビーム>を買収して3年以上経過しましたが統合作業2段階のうちの第1段階をほぼ終えていまは第2段階に入っていると<サントリーHD>の新浪社長は報道の取材に答えています。
第2段階とは<サントリーHD>の蒸留酒を手がけている<サントリースピリッツ>とアメリカの<ビームサントリー>の蒸留所の人材が往来してものづくりの考え方を共有し<ビームサントリー>の社員にも<サントリー>の創業精神を学んでもらう。
その後に共同開発した「新商品」を販売していくということを指します。
海外展開を見据えて共同開発した高級ジンの『ROKU』を今年7月から発売しました。
来年の2018年からは蒸留酒の「新商品」を発売する計画。
併せて海外で主力のウイスキーである「角瓶」などを使ったハイボールの飲み方の展開を進めていきます。
海外の飲食店などの取扱店は現在約6600店ありますがこれを2020年までに4万店に増やしていく計画です。
日本でウイスキーが人気復活になった飲み方を海外へも広げていき将来的には高級ウイスキーの顧客につなげていく狙いです。
しかし国産の高級ウイスキーは世界的な需要が急速に高まり原酒が不足することで輸出できる量が限られています。
世界のウイスキー市場は2016年には2007年より約60%拡大しています。
そこで「響」や「山崎」などに続き新進ブランドの「知多」を加え海外市場への攻めを加速していきたいと考えています。
愛知県知多市の「知多蒸留所」で生産されている『知多』は11年ぶりの新ブランドで2015年9月に発売されました。
今年4月に新たに<サントリーBWS>を設立。
◉サントリービール◉サントリー酒類◉サントリーワインインターナショナルの3事業会社が傘下の企業になります。
その社長に就任したのは<サントリーHD>の副社長で3代目鳥井信一郎元社長の長男。
<サントリーHD>の次期社長と期待されていることもありこれから酒税法の改正で厳しくなるビール事業においてどこまでの手腕を発揮できるか問われる時期を過ごします。
さらにこれからの<サントリーHD>はどのように海外のライバルたちと勝負していくかがおおきな課題になります。
次代のビジネスモデルが見えるのはもう少し先のようです。
(*ブログ=土日祝日を除く平日)
このことから何を学べるでしょうか?
次期社長候補には……あえて難しい課題を与えてそこから学ぶ機会をつくる。
もし次期社長候補がその課題をクリアできれば内外からの評価が高まり内外に認められた社長に就任できる。
◉Amebaブログ:◉Ameba0wnd:◉Facebook:◉Facebook頁:ミッション:会社の目的ビジョン :会社の目標バリュー :会社の行動指針
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル◉提供する価値◉コスト◉経営資源
現象をみるのではなく本質をみることでなすべきことが理解できる
今日という日は未来のスタート地点である*注1 仮想現実:(VR= virtual reality)感覚を刺激することで現実のように知覚させる技術。
*注2 ストックオプション:「株式購入権」あらかじめ決められた価格で


