第209話のテーマは『同じ土俵で戦わない』です。
日本の百貨店の歴史
日本におけるデパートは1905年に<三越呉服店>が「デパートメントストア宣言」を全国主要新聞に全面広告として掲載したことから始まるとされています。
前職の広告業界では<三越百貨店>の担当でしたが売り場の中を歩いているときには仕事の「ついで買い」をすることが多かったと思います。
衣食住のなかでも衣(ファッション)に興味があるのでエレベーターを使わずにエスカレーターを利用してメンズファッションのフロアではぐるりと歩きながらショッピングをしてしまいます。
その意味では「衝動買い」ということになりますね。
<メーシーズ>のビジネスモデル
日本の百貨店の歴史からさらに50年以上前の1851年にアメリカの<メーシーズ>は設立されています。
「モダン・タイムス」や『三十四丁目の奇蹟』の映画の舞台にもなっていて2012年には全米のデパート・チェーンの中で最大の売上高になっています。
今年の11月24日の「ブラックフライデー(*注1)」は年末商戦の前半のヤマ場になりますが客足は予想より好調だったようです。
しかしインターネット通販に対抗して値引きの幅を大きくしているので売上に比例した利益にはなりにくく利益率は低下の傾向にあったようです。
11月27日の「サイバーマンデー(*注2)」はインターネット通販の1日の販売額としては過去最大と好調だったようです。
日本も同様ですが……<Amazon>の登場で百貨店業界は収益を圧迫されています。
そのため昨年の2016年8月に不採算の100店を閉鎖すると発表。
今年中に68店舗を明らかにして残りの32店舗も順次閉鎖をします。
店舗閉鎖による3900人の人員削減と事業の統廃合などでさらに6200人を削減します。
<メーシーズ>の会長兼CEOのテリー・ラングレン氏は今年3月23日に<メーシーズ>のCEOを退任してジェフ・ジェネット氏がCEOに就任しましたがラングレン氏は退任にあたって……「購買力はもっと強いと見込んでいた。
低調さは小売業全体が直面しているおおきな問題を反映している」と話していますが自社で構築している「オンラインビジネスは好調だった」とも言っています。
これは今年2月に「2017年以降は将来に向けて投資を増やしていき厳しい環境下でも変化しなければならない」と話していることから自社でのインターネット通販に投資しているとみられます。
さらには「接客」への対応にAI(人工知能)を導入していてお客様の購入の利便性を図るとともに購買行動の分析をすることで販売促進を高めようとしています。
今年5月にはジェフ・ジェネットCEOも「デジタル・モバイル事業に積極的に投資する」と話しています。
その一方では不動産運用会社の<ブルックフィールド・アセット・マネジメント>と提携して店舗閉鎖などで保有する不動産の活用法について見直しも始めています。
今年11月には8~10月期の決算が前年同期比6%減の売上高になり11四半期連続のマイナスであることを発表しました。
このままいけば消費者の「実店舗離れ」はますます加速していきます。
まさに前CEOのラングレン氏が言うように「めまぐるしくかわる消費者の嗜好や行動にすばやく反応できるようビジネスモデルをリセットする時期にきた。」ということになります。
ただ単に<Amazon>に対抗して自社でインターネット通販を構築するだけでは利用者が約3億人で総取扱品数が2億超の<Amazon>とまともに戦えるはずはありません。
<Amazon>が取り組んでいないあらたな収益を生み出すビジネスモデルが求められています。
(*ブログ=土日祝日を除く平日)*注1=ブラックフライデー小売店の年間収支が黒字になる日。
という意味で呼ばれる。
*注2=サイバーマンデーネット通販が値引きで盛り上がる日。
という意味で呼ばれる。
このことから何を学べるでしょうか?
Amazonに対抗するために……Amazonが得意とするインターネット通販と同じ土俵で戦っては勝ち目がない。
自社の持つ「強み」を見直してあらたなビジネスモデルを構築していくことが求められる。


