第220話のテーマは『稼いでいる2本目の柱』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
ウォークマンは絶対に売れる!
1979年に<ソニー>がウォークマンを発売しました。
しかし売れ行きが悪くて家電量販店やマスコミからも悪評で散々な状態でした。
ではなぜ爆発的な人気が出て圧倒的に売れたのでしょうか?
もちろん<ソニー>の社員による地道な口コミ作戦が功を奏したのですが<丸井>のバイヤーが1万台という大量注文をして販売したことも効果があったのです。
<丸井>には若いバイヤーにも権限を委譲して仕事を任せる企業風土があり<丸井>の若いバイヤーが<ソニー>のウォークマンを見て「これは絶対に売れる!」と見抜いていたのです。
<丸井>のビジネスモデル
<丸井>と聞いてどんなイメージを持っていますか?
おそらく一般的なイメージは……20代の若い人たちに好まれるトレンドを取り入れた衣料品店。
でもこのイメージとは少しずつ業態が変わってきています。
昨年11月時点での業績はクレジットカードの金利収入などが伸びて増収ですが衣料小売り事業は縮小しています。
つまりクレジットカードを中心としたフィンテック事業が好調で金利収入や加盟店から得る手数料収入が増えているのです。
昨年10月からは外国人専用のクレジットカードも発行しています。
訪日外国人の与信判断が難しいためカード会社はカード発行を避ける傾向にあります。
しかし<丸井>は外国人向け家賃保証サービスに取り組む<グローバルトラストネットワークス>の6万人の審査能力を活用することで外国人専用のクレジットカードの発行に踏み切ったのです。
<丸井>は自社ブランドの「エポスカード」を600万枚以上発行。
現在では営業利益の約80%をカード事業が稼いでいます。
ではエポスカードの取扱高が<丸井>のショッピング利用かというとじつは90%以上の取扱高が<丸井>以外の店舗での利用になっています。
つまり他店舗でのカード利用の決済手数料が大きな収入源になっているのです。
その一方で自社の直営店での衣料品の販売は減少傾向にあり落ち込んでいます。
たとえば2017年3月期の衣料品等小売事業の営業利益は前年対比73%と大きく減少しています。
この数字だけを見ると……衣料品等の小売事業から撤退してカード事業に専念すべきかと思いますがカードの会員数が伸びているのは小売事業の店舗へ来店するからであり来店したお客様に店員がカードの発行を促しているからです。
<丸井>の現在の事業は衣料品等小売事業とフィンテック事業の2本柱です。
このフィンテック事業はエポスカードの発行だけではなく仮想通貨の店舗への導入や資産運用サービスの提供も含まれます。
昨年の2017年8月に仮想通貨ビットコインの試験導入を新宿マルイアネックス店で始めました。
仮想通貨取引所<ビットフライヤー>と連携して取り組み10月までの試験導入でしたがこの結果で本格導入を検討します。
2016年9月には<お金のデザイン>と業務資本提携をしています。
<お金のデザイン>の人工知能を使った資産運用サービスをエポスカードの利用者に提供します。
<丸井>の進めるフィンテック事業の「フィンテック」の用語解釈を『豊かなライフスタイルを実現する金融サービス』としています。
いままでの「百貨店型小売事業」から小売とカードが相乗効果を発揮する「一体型のビジネスモデル」へと変貌を遂げようとしています。
縮小傾向の小売事業ですがあらたな手を打ち始めています。
それは女性向けの試着品だけを置いた売り場の「体験ストア」の展開です。
試着用の衣料品と靴だけを置く売り場で在庫品は揃えていません。
お客様がお店で試着をして店舗のタブレットで注文をします。
店員は在庫確認や購入決済などでお客様から離れることなく必要なだけ接客サービスができます。
お客様にとってみれば購入した商品を持って帰る必要がなく注文から2日程度で指定した場所まで配送してもらえます。
今年春までに10店舗以上に増やす計画です。
まさに<丸井>型オムニチャネルを実現しているといえます。
(次回ブログ=17日水曜に投稿します)
このことから何を学べるでしょうか?
現在の事業が縮少するとき……その事業の業態が陳腐化していることが多い。
その事業のビジネスモデルを見直すとともに派生する2本目の事業の柱を建てることも有効策になる。


