第242話のテーマは『海外戦略に成否がかかる』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
歯磨き製品に強い会社
自宅で歯磨きや歯ブラシを見てみたら他社製品でしたがキッチンまわりの製品に何点か<ライオン>の製品がありました。
1891年10月に小林富次郎によって設立された<小林富次郎商店>が創業でした。
当時は◉化粧石鹸「高評石鹸」◉洗濯用石鹸「軟石鹸」◉「絹練石鹸」を発売していましたが1896年に粉ハミガキ「獅子印ライオン歯磨」を発売して1949年に<ライオン歯磨>に社名を変更しています。
そのためもあるのか?
歯磨き製品はトップシェアを維持しています。
<ライオン>のビジネスモデル
2016年12月期の連結決算は純利益が前期比49%増の159億円になり13年ぶりの過去最高益を更新しています。
歯磨きやボディーソープなどの日用品分野で世帯数の増加や健康志向などで需要が伸び歯周病を防ぐ歯磨き「システマハグキプラス」などの新製品の販売も好調でした。
機能性を高めるなど付加価値の高い新製品が販売単価を引き上げたことなども要因です。
さらに中国での電子商取引で歯ブラシや歯磨きなどの販売が拡大。
タイや韓国などのアジア諸国でも歯磨きやハンドソープなどの販売が伸びて売上高全体の約30%を占める海外事業の販売も好調でした。
2017年5月に<ライオン>の浜逸夫社長は「健康志向の高齢者が急増する中国などで商機は広がる」と表明。
「高齢化」という課題を抱えた日本で歯周病予防効果のある歯磨きなどの「新たな価値」を創造すれば同じ課題に今後直面するアジアでも受け入れられると考えています。
新たな価値という面では「トップ スーパーNANOX」などを画期的な製品と位置付けています。
従来の界面活性剤は濃度が高くなると分子が結合して流動性が乏しくなるため洗浄力が低下するという欠点がありました。
<ライオン>は1980年代後半より従来の界面活性剤の欠点をカバーする界面活性剤「MEE」の研究を始めました。
2010年発売の「トップNANOX」は少ない水でも汚れを効率的に落とせるため洗浄力と節水性能を両立した洗剤として消費者の話題を集め支持されましたが2016年2月にさらなる技術革新を進めて「トップスーパーNANOX」を発売。
洗浄力と節水性能をさらに高める洗剤として前年比1.5倍の売れ行きになりました。
2017年1~3月期の連結決算は純利益が前年同期比26%増でこの期としては2年連続の最高になります。
転倒時に口内が傷つかないようにした子供用歯ブラシ「クリニカキッズハブラシ」などの付加価値を高めた新商品が好調です。
2017年1~6月期の連結決算をみると純利益が前年同期比16%増でした。
新たな香味を追加した子供向け歯磨き粉の「クリニカキッズジェルハミガキ」なども売れ行きが堅調なためオーラルケア分野は売上高が5%伸びています。
国内販売での市場のシェアは歯ブラシは40%で歯磨きが30%とトップになっています。
子供用歯ブラシ「クリニカキッズハブラシ」の価格は1本約200円のため従来品より2倍程度高くなりますが販売本数は従来商品の2倍を超えています。
ほかにも保湿成分が残るボディーソープ「ハダカラ」などの機能性を前面に出した商品を投入することで販売単価を引き上げています。
2017年8月にはオーラルケアの新ブランドを7年ぶりに立ち上げました。
その新ブランドは「ノニオ」ですが口臭ケアに対応した商品になります。
近年、SNSの普及などで周囲から嫌われることに敏感になっている若者が増えています。
身だしなみで気をつけていることや悩んでいることの調査では「口臭」と答えた若者が多かったため口臭の原因となる菌を殺菌する殺菌成分で菌の増殖も抑え口臭の発生を長時間防ぐハミガキと洗口液を販売しています。
2017年10月にデジタルマーケティングサービスの<アイ・エム・ジェイ>とAIを備えた洗面鏡を開発しました。
鏡の前に立つとAIが音声で歯磨き習慣や歯周病の知識について質問しその回答に応じたオーラルケアの手法や商品情報を教えてくれます。
2017年1~9月期の営業利益は前年同期比8.5%増と最高益を更新。
いままで低収益体質が続いて「眠れる獅子」と呼ばれてきた<ライオン>ですが歯ブラシや歯磨き粉などで高付加価値商品を投入したことで収益体質も改善してきています。
2017年12月期の連結営業利益も前期比12%増の275億円程度で4年連続の最高益を更新する見込みです。
2017年8月に発売した新ブランド「NONIO」は口臭予防効果をアピールして11月までの売上は同社計画の1.5倍に達しています。
このように国内の販売は高付加価値の商品などの販売で好調ですが少子高齢化が進む日本国内の需要は年々減少することが確実になっています。
2017年にはマーケティングの共同展開などで<アリババ集団>と提携しましたが売上の30%程度を占めるアジアをはじめとする海外での売上をどこまで伸ばすことができるかが将来の<ライオン>の成否を分けることになりそうです。
この海外戦略を含めた事業戦略に沿ったビジネスモデルに期待しています。
(次回ブログ=12日月曜に投稿します)
このことから何を学べるでしょうか?
国内販売に強い会社は……将来の人口減少化や少子高齢化に対する需要の減少に対応するため海外での「顧客創造」や「市場開拓」に向けて積極的に展開する必要がある。


