第329話のテーマは『訪日外国人の減速への対応』です。
(ブログは月曜・金曜の投稿です)
スローガンは「一瞬も 一生も 美しく」
1872年9月に日本初の洋風調剤薬局として福原有信氏が<資生堂薬局>を創業しました。
1880年に育毛剤の販売を開始しました。
1888年に日本初の練歯磨である「福原衛生歯磨石鹸」を発売しました。
1897年に化粧水「オイデルミン」を発売して化粧品業界へ参入しました。
1902年にソーダ水とアイスクリームの製造販売を行う「ソーダファウンテン」を開設しました。
日本で初めての開設でしたが後に<資生堂パーラー>に発展しました。
1927年に株式会社として<資生堂>を設立しました。
1934年に銀座の化粧品部に資生堂美容室を開店して百貨店の<高島屋><神戸大丸>でキャンペーンを開始しました。
1939年に<資生堂化学研究所>を設立しました。
1953年に<資生堂美容研究所>を開設しました。
1959年に<資生堂美容技術専門学校>を創設し<資生堂学園>へと発展しています。
1985年に<ビューティサイエンス研究所>を発足しました。
1988年に一般用医薬品事業に参入しました。
1993年に医療用医薬品事業に参入しました。
2006年に企業内大学である「エコール資生堂」を創設しました。
2000年代に入り100以上に増えすぎたブランドを整理し統合して新ブランドなどに集約し特化する「メガブランド構想」を打ち出して大再編に踏み切りました。
<資生堂>のビジネスモデル
2017年8月に高級化粧品ブランド「SHISEIDO」の売り場を刷新すると表明しました。
東京銀座の「ギンザシックス」の直営店をモデルに世界88の国や地域で展開する売り場を2020年までに改装します。
デジタル機器を多く使い30代前半以下の「ミレニアル世代」にアピールする狙いです。
2017年9月に美容部員が技術を競い合う「SHISEIDO Japan BeautyConsultant Contest 2017」を開催しました。
「ビューティーコンサルタント(BC)」と呼ばれる予選を勝ち抜いた38人がメーキャップや接客の技術を競います。
資生堂の副島三記子執行役員は……「BCは長い歴史で培われてきたかけがえのない資産」「それを磨き上げることは資生堂の競争力を高める」「嗜好の多様化で顧客の求める美しさは百人百様」「だからこそそれぞれの美しさを実現していくことがBCの存在価値になる」と述べています。
2017年10月に動画配信サイト運営の<C Channel>と共同企画したヘアカラー発売を発表しました。
資生堂の魚谷雅彦社長は……「Cチャンネルとの提携を通じて若い世代との接点を作り新しい価値を創造していきたい」と記者会見で述べています。
同じく2017年10月にヘアケア事業を手掛ける米国子会社の<ゾートスインターナショナル>をドイツの化学大手である<ヘンケル>に売却すると発表しました。
アジアでの事業に経営資源を集中する考えです。
2017年11月にアメリカの人工知能関連ベンチャーである<ギアラン>の買収を発表しました。
インターネット通販の比重が高まるなかマーケティングのデジタル対応を加速します。
2018年1月にアメリカの化学ベンチャーである<オリボ・ラボラトリーズ>から人工皮膚の関連事業を買収しました。
肌に塗ると瞬時にシワを目立たなくする化粧品の開発につなげる狙いです。
アンチエイジング化粧品の市場が世界的に拡大を続けるため開発競争に先行する考えです。
同じく2018年1月に女子高生と商品を共同開発する10代向けの新ブランドを発表しました。
魚谷雅彦社長は「若い女性の化粧ポーチに資生堂の商品が入っていない」「今後の化粧品消費の中心の世代を取り込めていない」と危機感をあらわしています。
変化に対応しなければ自社商品のファンの高齢化とともに<資生堂>の成長失速は避けられません。
2018年2月に「2017年12月期」の連結純利益が前期比30%減になったと発表しました。
国内やアジアで利益率の高い高級化粧品の販売が伸びました。
売上高1兆円3年前倒しで達成して営業利益は最高益を大きく上回りました。
2018年3月に2020年度までに3000億円超の設備投資を行うことを柱とした「中期経営計画」を発表しました。
スキンケア分野などの主力商品の供給能力不足を解消する増産や急成長するネット通販の需要取り込みのため「IT」インフラ整備に充当する考えです。
2018年5月に株式時価総額が初めて3兆円を超え急成長が際立っています。
時価総額が初めて2兆円を超えたのは2017年11月でしたがこの半年でさらに1兆円増えました。
高成長はインバウンド需要が要因ですが日本や中国国内に加えて免税店での販売が同時並行で成長しています。
2019年2月に発表した「2018年12月期」の連結決算は純利益が前期比2.7倍の過去最高でした。
「SHISEIDO」など主要ブランドの販売が好調だったことや日本と中国市場、空港免税店などの化粧品販売が伸びたことが要因です。
その一方で中国で輸入品のインターネット通販を規制する法律が2019年1月に施行され転売業者の仕入れが沈静化したほか中国経済の減速も重なり訪日外国人需要が急速に減速しています。
中国で人気の商品を帰国後に転売する「代購」と呼ばれる訪日外国人の需要も大きく減少する中で中国国内での販売を強化するビジネスモデルに切り替えることが急務の課題になっています。
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
中国などの訪日外国人の需要で好業績だった企業は……中国からの訪日外国人が急速に減少する中で減少する収益を補うための新たなビジネスモデルに切り替えることが急務の課題になる。


