今日の企業事例は「ビジネスモデル」の第341話『セブン&アイ・ホールディングス』です。
【企業事例】セブン&アイ・ホールディングス企業事例の「第341話」は『新体制に問われる大きな課題』です。
合併で巨大総合流通グループになりました2005年9月に<セブン-イレブン・ジャパン><イトーヨーカ堂><デニーズジャパン>の3社の持株会社として設立されました。
敵対的買収からの防衛を主な目的として3社が株式移転をすることにより持株会社として設立されました。
2006年1月に<そごう>と<西武百貨店>の親会社である<ミレニアムリテイリング>を子会社化しました。
敵対的買収からの防衛を目的として<西武百貨店>の和田繁明社長から経営統合が持ちかけられました。
◯ コンビニエンスストア◯ スーパーマーケット◯ デパート(百貨店)という日本最大の巨大総合流通グループになりました。
2007年4月に電子マネー「nanaco」を発行して事業を開始しました。
2009年8月に<そごう>が<ミレニアムリテイリング>と<西武百貨店>を吸収合併して<そごう・西武>に社名を変更しました。
2015年11月に電子商取引サービスである「オムニ7」を開始しました。
2016年10月に<エイチ・ツー・オー リテイリング>との資本業務提携を発表しました。
「戦略的なビジネスパートナー」としての関係を構築する狙いです。
<セブン&アイ・HD>のビジネスモデル2017年11月に愛知県日進市にショッピングセンター「プライムツリー赤池」を開業しました。
東海地方で初めてのショッピングセンターにはロボットによる案内など国内ショッピングセンター初を詰め込みました。
日進市は自動車産業などが集積する西三河エリアへのアクセスが良く子育て層に人気が高いため「初もの」で消費意欲を引き出す狙いです。
同じく2017年11月に<アスクル>と共同で生鮮品の宅配サービス「IYフレッシュ」を始めました。
<アスクル>の通販サイト「ロハコ」に出店し生鮮品を中心に5000品を扱い接点のなかった利用者を呼び込む狙いです。
2018年1月に米国の中堅コンビニエンスストアの事業を<スノコLP>から取得したと発表しました。
コンビニやガソリンスタンド小売事業の取得のために認可手続きが長引きましたが米連邦取引委員会の認可を取得しました。
これにより北米地域でのコンビニ店舗数は1万店を超えるため米国のコンビニ店舗数に占めるシェアは推定6%となり業界首位になります。
そのため「2019年2月期」は海外収益が伸び2年連続で過去最高になりそうです。
2018年4月に発表した「2018年2月期」の連結純利益は87%増と過去最高益を更新しました。
新たに取得した店舗網の増収効果で海外コンビニ事業が33%増加国内外のコンビニ事業のほか構造改革が奏功したことで総合スーパーや百貨店事業も増益となり営業利益は7%増でした。
同じく2018年4月に中国地方が地盤で総合スーパーを展開する<イズミ>との業務提携を発表しました。
プライベートブランド商品の<イズミ>への提供や西日本での共同出店を計画しています。
2018年6月に顧客ID「7iD」を新たに設けてインターネット通販と実店舗の顧客を統一して管理する仕組みを立ち上げました。
ネットと実店舗で購入した金額に応じて特典を付与する「セブンマイルプログラム」も始めました。
スマホアプリは2019年5月末までに1000万人の利用を目指しています。
同じく2018年6月にスマートフォンを利用した決済を提供する<セブン・ペイ>の設立を発表しました。
<セブン・フィナンシャルサービス>と<セブン銀行>による共同出資ですが全国の<セブンイレブン>でスマホ決済を利用できるようにします。
2018年7月に<小田急電鉄>と業務提携することで最終合意したと発表しました。
<小田急グループ>の約100店の駅売店やコンビニエンスストアを「セブンイレブン」に切り替えます。
<セブン&アイ・HD>と組んで駅構内の小売店の集客力を高める狙いです。
2018年8月にECサイト「オムニ7」において人工知能を使った自動応答システムであるチャットボットで顧客からの問い合わせに対応するサービスを始めると発表しました。
従来の問い合わせ対応手段にチャットボットを加えて利用者の利便性を高める考えです。
2019年2月に<イトーヨーカ堂>は店舗内でのシェアオフィスの始動を表明しました。
大型商業施設では競争激化で店舗内で撤退するテナントが増えており好立地の不動産を有効活用する方針を掲げて働き方改革で需要が高まるシェアオフィスを誘致する考えです。
2019年3月にインドに進出すると発表しました。
コンビニエンスストア「セブンイレブン」を現地企業と組んで出店します。
13億超の人口と高い経済成長率の一方で中小の零細小売業が多いためコンビニの成長性が大きいと判断しました。
日本のコンビニの成長鈍化が進むなかインド市場を開拓する考えです。
2019年4月に発表した「2019年2月期」の連結決算は純利益が前期比12%増でした。
海外コンビニ事業は主力の北米で併設のガソリン販売が好調に推移し42%の増収でした。
国内コンビニ事業は3%の増収でしたが金融関連事業のほか赤ちゃん本舗やロフトなどの専門店事業が伸びました。
2019年4月に<セブン-イレブン・ジャパン>の社長に永松文彦副社長が就任しました。
前社長の古屋一樹氏が<セブン&アイ・HD>の鈴木敏文名誉顧問に近い存在でしたが社長に就任した永松文彦氏は<セブン&アイ・HD>の井阪隆一社長に近い存在と言われており<セブン&アイ・HD>の井阪隆一社長の盤石な体制が確立できたようです。
深刻な人手不足から24時間営業問題で揺れているコンビニエンスストア業界ですがコンビニや百貨店などグループの将来像をどう描いていくのかが新体制の大きな課題になっています。
1)コンビニエンスストア同士やドラッグストアとの競合が激化している
2)総合スーパーの<イトーヨーカ堂>の構造改革が進んでいない
3)百貨店の<そごう・西武>の構造改革の効果が出ていない
4)<エイチ・ツー・オーリテイリング>との資本業務提携が進まない
5)<アスクル>と組んだ生鮮食品の宅配サービスのエリアが拡がらない
など課題が山積み状態ですが……中でも「利益の60%を稼ぐ」コンビニエンスストアのビジネスモデルが崩れ始めています。
一つ目は「大量出店」のビジネスモデルです。
2019年度の国内店舗の増加数が前年度比80%減の見込みと発表しました。
その増加率は0.7%にとどまるため「大量出店」による収益拡大のビジネスモデルが崩れ始めています。
二つ目は「24時間営業」のビジネスモデルです。
人手不足で苦しい大阪府の加盟店による営業時間短縮の強行による波紋の広がりは他社へも影響を及ぼすほどでコンビニエンスストア業界全体の「24時間営業」による収益確保のビジネスモデルが崩れ始めています。
これら従来のビジネスモデルから理想のコンビニエンスストア像である新たなビジネスモデルを構築することが<セブン-イレブン・ジャパン>と<セブン&イレブン・HD>の経営陣による喫緊の課題になっています。


