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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第350話 良品計画のビジネスモデル

2019年7月12日 執筆:渡邉ひとし

2019年4月より経済産業省・特許庁による「知財功労賞」に『デザイン経営』の企業カテゴリーが新設されました。

映えある第1回経済産業大臣表彰で<良品計画>が選ばれています。

『デザイン経営』の評価の基準は……経営チームにデザイン責任者を配置しているか?

経営の上流工程にデザインの視点を盛り込んでいるか?

デザイン戦略に経営資源をどこまで投じているか?

ブランド力やイノベーション力の向上につながっているか?

などの項目になりますがこれらの評価項目で高得点を得たことになります。

今日のメルマガの企業事例は<良品計画>です。

大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取っていただきぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。

企業事例[第350話]のテーマは『海外事業シェアの過半数を目指す』です。

企業名は<良品計画>ブランド名が「無印良品」1980年12月に無印良品を<西友ストアー><西武百貨店><ファミリーマート>で発売を始めました。

1983年に直営1号店を東京・青山に出店して百貨店でのインショップ化を始めました。

1989年6月に<西友>から独立して株式会社<良品計画>を設立しました。

1991年7月に海外1号店をロンドンに出店しました。

2006年8月に<イデー(IDÉE)>の事業を譲り受け株式会社<ニューイデー>を設立しました。

2007年11月にアメリカの第1号店をニューヨークに出店しました。

2011年12月に連結子会社であった<花良品>を解散しました。

商品名の「無印良品」はノーブランドグッズ (no brand goods) を和訳したブランド名です。

<良品計画>のビジネスモデル2018年1月発表した「2017年3~11月期」の連結決算は純利益が前期比16%増でした。

人件費や物流費などの販管費は増加しましたが国内で衣料品や生活雑貨を中心に販売が好調でした。

値下げしたニットやダウンなどの衣料品が人気で客数が増え化粧品や食品も顧客の支持を集めたこともあり国内の既存店売上高は7%増えました。

在庫処分に伴う値引き販売も減り粗利益率が改善し同期間として5年連続で最高益を更新しました。

同じく2018年1月に2019年末をめどに中国の標準店の5倍程度となる売り場面積3000平方メートル規模の主要大型店の数を現在の3倍に増やすことを表明しました。

中国には海外店全体の50%に相当する約220店があり海外事業の稼ぎ頭になっています。

標準店の品揃えは衣料品の割合が高いですが主要大型店では売り場を広げることで生活雑貨を充実する考えです。

経済成長などを背景に今後も伸びが期待できる市場として北京や南京などを候補に4~5店追加する見込みです。

同じく2018年1月に<良品計画>世界初となるMUJIホテルが中国広東省深圳で開業しました。

客室にも『無印良品』の寝具やアメニティーグッズを提供するなど無印良品を体現できるようにしました。

この「MUJIホテル」を通じてビジネスパーソンなどの新たな消費者を呼び込む狙いです。

2018年3月に<良品計画>世界最大の店舗となる『イオンモール堺北花田店』を開業しました。

ショッピングセンター内にあった既存店を移転・増床して従来の11倍の売り場の広さにしました。

初めての産地直送の鮮魚や精肉を扱う『食の専門売り場』を導入して売り場の半分を食関連に充てました。

スーパーのように日常的に買い物に訪れる消費者を取り込み主力とする衣料や生活雑貨の販売の底上げにつなげる考えです。

2018年4月に「2019年2月期」の純利益が前期比11%増を見込むと発表しました。

中国では若者を中心に派手さを好むこれまでの消費性向から安心・安全やシンプルさを重視する傾向が強くなってきています。

変わりつつある中国の消費者の心をつかみ続けられるかが好業績のカギになっています。

2018年9月に冷凍陳列棚を置いた国内4店で販売を始め冷凍食品事業に参入しました。

大型店を中心に順次広げていき2019年2月までに20店に拡大する予定です。

海外でも冷凍食品の需要は高まっておりネット通販でも取り扱いを始め世界での売上も見込んでいます。

2018年11月にオフィス内で菓子や雑貨の無人販売を始めることを表明しました。

店舗を出せないオフィス内に入り込み休憩需要を取り込む狙いでスマートフォンによるセルフ会計である「MUJI Pay」を取り入れます。

2019年4月にホテルを東京・銀座に開業しました。

「無印良品」に併設したホテルで実際に販売するカップなどを備品に使い日本では初めてのホテルの開業となります。

宿泊客が商品を体験することで「無印良品」の販売促進を狙います。

同じく2019年4月に発表した「2019年2月期」の連結決算は純利益が前期比12%増でした。

中国を中心とした海外事業が堅調で4期連続で純利益が最高を更新しました。

2019年6月に8月末から約1100品目の商品を値下げすることを表明しました。

対象は肌着や菓子などの日用品が中心で消費者の節約傾向が続くなか10月に予定されている消費増税で懸念される消費落ち込みに対応するため衣料品や生活雑貨の値下げで顧客数増につなげる考えです。

2019年1月に『2019年2月期』の業績予想を下方修正しましたがその大きな要因は家具やインテリア用品の売れ行きが鈍いため国内事業が苦戦していることです。

<ニトリ>が生活雑貨に特化した『デコホーム』などを含めて都市型店舗を増やしていますが『無印良品』との競合が多いカテゴリーになります。

とくに30歳代のファミリー層は節約志向が強いためより低価格の<ニトリ>の商品を選んでいる可能性があります。

その対策として『商品力』を強化するため生活雑貨部に商品横断でデザインなどを企画する専門担当を置き一体感を持たせて商品提案力を高めます。

さらに『営業力』を強化するため2019年2月に「営業本部」を新設し本部長には<ファーストリテイリング>の堂前宣夫氏が<良品計画>に入社して就任しました。

海外事業は東南アジアでの「無印良品」の事業展開を加速しています。

2019年にもベトナムに進出するなど店舗数を急増させます。

生産も人件費が高騰する中国からカンボジアなどに委託先を移すなど世界戦略の中で市場と生産地の両面で東南アジアの比重を高める考えです。

<良品計画>の松崎暁社長は……「今後もASEANシフトの流れは続けていく」と述べています。

これまで<良品計画>は価格競争に巻き込まれずに『ブランド力』で稼ぎ成長してきました。

こうした『ビジネスモデルの持続力』をこれからも堅持できるかが今後の成長のカギになります。

今日の事例で何を学べるでしょうか?

国内での収益の成長が頭打ちになっている会社は……海外での事業を展開し収益の確保に努めることが必要になる。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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