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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第375話 富士フイルムのビジネスモデル

2020年1月24日 執筆:渡邉ひとし

今日のメルマガの企業事例は< 富士フイルムホールディングス >です。

大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取っていただきぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。

今日の企業事例[第375話]は『カリスマ経営者の後継者選び』会社買収や資本・業務提携で拡大1934年に<大日本セルロイド>の写真フィルム部の事業を分割して設立しました。

1934年6月に<東洋乾板>と合併しました。

1962年2月に<富士ゼロックス>を設立しました。

1986年7月に最初のレンズ付きフィルムである『写ルンです』を発売しました。

2006年10月に<富士フイルムホールディングス>に商号変更して持株会社制に移行しました。

2008年2月に<富山化学工業><大正製薬>との戦略的資本・業務提携を発表しました。

2015年3月にiPS細胞の開発、販売を行う米国の会社をTOBで買収すると発表しました。

米国の<セルラー・ダイナミクス・インターナショナル>です。

2018年1月に<ゼロックス>の子会社化と<富士ゼロックス>との経営統合を発表。

< 富士フイルムHD >のビジネスモデル2018年8月にヘルスケア事業で2019年度までに全体の20%を稼ぐ計画を掲げました。

次の成長領域と位置づけるヘルスケア事業で2019年度までに売上高を5000億円にする狙いです。

2018年9月にスーパーコンピューターを導入すると発表しました。

米国<エヌビディア>の『ディープラーニング(深層学習)向け』スーパーコンピューターですがヘルスケアや高機能材料事業を中心に人工知能技術の開発を加速して製品やサービスへの応用を目指しています。

2018年9月にiPS細胞を使った移植医療について臨床試験を国へ申請すると表明しました。

白血病の治療に伴って重い合併症になった患者が対象で2022年の製造販売承認を目指します。

2018年10月に東京・丸の内に人工知能の開発拠点を開設したと発表しました。

大学などの学術機関と共同で高度な人工知能を開発したり社内外のAI人材を育成するための講座を開いたりします。

大学生や大学院生を対象にインターンシップやハッカソンを開くなど社内外のAI人材育成を支援する『FUJIFILM AI アカデミー』を開講したり人工知能研究を手がけるスタートアップと連携することなども視野に入れています。

2018年11月に<富士ゼロックス>はソウル郊外にある複写機の工場を閉鎖すると表明しました。

<富士フイルムホールディングス>は<富士ゼロックス>の構造改革として国内外で1万人を削減すると発表しておりその一環として2019年3月末に韓国・仁川市の工場を閉鎖し国内外での生産体制を見直します。

2019年1月に2030年度に購入電力50%を再エネ由来に転換すると発表しました。

再生可能エネルギーの導入目標を設定し2050年度には全ての購入電力を再エネ由来に転換し自家発電システムの燃料をCO2を排出しないカーボンフリー水素に転換するなど自社で使用する全てのエネルギーで『 CO2 排出量ゼロ』を目指します。

2019年3月に米国バイオ医薬品大手<バイオジェン>の製造子会社を買収すると発表しました。

<富士フイルム>は従来バイオ薬の開発製造委託で生産量が比較的少ない製品を手がけてきましたが買収を通じて大型の製造設備を獲得し患者数が少ない疾患向けから大型薬まで製薬会社の幅広い要請に応える考えです。

2019年5月に発表した『2019年3月期』の連結決算は営業利益が前期比70%増でした。

『2008年3月期』以来11年ぶりに過去最高を更新しました。

事務機事業での構造改革が進んだほか医療機器やバイオ関連のヘルスケア部門も好調でした。

2019年5月にドイツの内視鏡器具メーカー<メドワーク>の買収を表明しました。

<富士フイルム>は消化管内の腫瘍を切除する処置具を手がけていて<メドワーク>の買収で処置具のラインアップが大幅に増えます。

2019年7月に細胞の栄養となる培地を生産する工場をオランダに新設すると発表しました。

欧州でバイオ医薬品や再生医療を手がける企業や研究機関に現地の工場から培地を供給する考えです。

2019年9月に<横河医療ソリューションズ>を子会社化したと発表しました。

<横河医療ソリューションズ>は放射線科向け業務システムや画像情報システムや強く傘下に収めることで大病院向けの品ぞろえを強化する狙いです。

2019年11月に<富士ゼロックス>を完全子会社化すると発表しました。

米国<ゼロックス>の買収を断念して両社の合弁会社である<富士ゼロックス>の25%の株式などを<ゼロックス>から買い取り完全子会社化することを決めました。

2019年12月に<日立製作所>の画像診断機器事業を買収すると発表しました。

<日立製作所>から買収する事業は磁気共鳴画像装置(MRI)とコンピューター断層撮影装置(CT)です。

これらの事業を取り込み医療機器のラインアップを拡充する狙いです。

2020年1月に米国<ゼロックス>との販売提携を期限付きで打ち切ると発表しました。

2021年3月末で『ゼロックス』ブランドの使用をやめ販売地域のすみ分けをやめます。

2000年の社長就任から<富士フイルムホールディングス>の事実上のトップとして陣頭指揮してきた古森重隆会長兼最高経営責任者ですが米国<ゼロックス>を買収して<富士ゼロックス>と統合させると2018年1月末に発表しました。

しかし<ゼロックス>の大株主で著名投資家のカール・アイカーン氏らが統合に反発しました。

アメリカ裁判所は2018年4月に買収の差し止め仮処分を命じました。

2018年5月には買収に合意した<ゼロックス>の経営陣が辞任し大株主のアイカーン氏が推すジョン・ビセンティン氏がCEOに就任。

<富士フイルム>による買収契約を一方的に破棄しました。

これに対し古森重隆会長兼最高経営責任者が下した決断は……半世紀にわたる<ゼロックス>との合弁を解消し単独ブランドで事務機の世界販売を始めることでした。

<ゼロックス>の束縛がなくなれば事務機を自由に強化できる。

現在では<ゼロックス>の主力製品の大半を<富士ゼロックス>が供給しています。

<ゼロックス>との契約が切れ束縛がなくなれば……

  • 世界のどのエリアでも営業できる
  • 他社へも製品を供給できる

<ゼロックス>ブランドから自社ブランドに切り替える2021年4月以降に真価が問われます。

祖業であるフィルム事業の本業消失から次の柱として取り組んできた『ヘルスケア事業』ですが売上高は5200億円となりグループ全体の売上の20%を占めます。

買収する<日立製作所>の事業を加えると『ヘルスケア事業』は約6600億円まで見込むことができます。

2019年度の連結営業利益は過去最高を更新する見込みですがここまで牽引してきた古森重隆会長兼最高経営責任者は80歳という高齢を迎えています。

『カリスマ経営者の交代』をリスクと受け止めるのが『市場』の常識となっています。

カリスマ経営者の後継者選びが<富士フイルムホールディングス>の当面の課題になります。

今日の事例で何を学べるでしょうか?

創業者やカリスマ経営者が好業績を牽引してきた会社は……その業績を維持しながら次の『成長の柱』を見つけ育成することができる『ビジョン』と『決断力』を持った後継者選びが最大の課題になる。

1)企業の理想的な将来像が描ける2)勝負に打って出る決断力を持つ

この2つの条件がこれからの経営トップにとって必要不可欠となる。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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