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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第395話 西武ホールディングスのビジネスモデル

2020年6月12日 執筆:渡邉ひとし

緊急事態宣言の解除により『 with コロナ』の新たな時代が動き始めています。

『時代は常に前に進む』新型コロナウィルスの感染拡大前の状態に再び戻ることはありません。

リーマンショック後の『100年に一度の大転換期』にも突入しています。

「われわれ自動車業界は100年に一度の大転換期を迎え大改革を求められている」と述べた人は<トヨタ自動車>の豊田章男社長ですがこれは自動車業界だけではなく全ての業界の当てはまる言葉です。

ニューノーマル(新常態)に通用する新たなビジネスモデルを構築することが求められています。

いち早く対策を考えいち早く行動することが重要です。

これから『つながる(つながり)』という言葉がキーワードになります。

大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。

今日のビジネスモデルの企業事例は大きな企業グループを築いた後1940年10月に<武蔵野鉄道>の株式を過半数を確保し堤康次郎氏が社長に就任しました。

1943年6月に<西武鉄道>の経営権を獲得し堤康次郎氏が社長に就任しました。

1945年9月に<武蔵野鉄道>は<西武鉄道>と<食糧増産>の2社を吸収合併して<西武農業鉄道>と社名を変更しました。

1946年11月に<西武農業鉄道>を<西武鉄道>に改称しました。

1971年に創業者:堤康次郎氏の七回忌を機に<西武鉄道グループ>が形成されました。

2004年に株主偽装事件のため後継者:堤義明氏は持ち株を手放し失脚しました。

<東京証券取引所>が<西武鉄道>や<コクド>の上場廃止処分を下しました。

2006年2月に株式会社<西武ホールディングス>を持株会社として設立しました。

2006年3月に<西武ホールディングス>のグループ再編を完了しました。

<プリンスホテル>と<西武鉄道>が<西武ホールディングス>の子会社になりました。

2014年4月に約9年半ぶりに<東京証券取引所>の第1部に上場しました(再上場)。

< 西武HD >のビジネスモデル2018年12月に25年ぶりに新型特急車両を投入することを表明しました。

インバウンド需要によるホテルの伸びで業績が好調ですが鉄道事業はインバウンド需要をうまく取り込めていないため新型特急車両を投入して観光が主体の非定期収入の拡大を狙います。

<西武HD>の後藤高志社長は……「これからの西武グループの成長を象徴するものだ」と述べています。

2017年4月には駅直結の温泉施設『祭の湯』を開業して年間100万人超を動員しました。

2019年3月には飯能駅の近くに人気キャラクターのムーミンを冠したテーマパークになる『ムーミンバレーパーク』を開業します。

2019年2月に発表した『2018年4~12月期』の連結決算は純利益が前期比9%増えました。

インバウンドの需要を取り込み<プリンスホテル>が好調でした。

『東京ガーデンテラス紀尾井町』などのオフィスの賃料収入が増加し不動産事業も伸びました。

2019年2月に<日本航空>とハワイ島での旅行商品を共同で開発すると発表しました。

第1弾としてリゾートホテルで豪華なキャンプ『グランピング』を体験する商品の提供を開始しました。

<西武HD>がハワイ島で運営する『ウェスティン ハプナビーチリゾート』に宿泊し日本航空便を利用する顧客が対象になります。

2019年3月に東京・池袋で建設を進めていた本社ビルの完成式典を開きました。

2020年代にも品川や高輪などで大規模ビルの建設計画を進めますが本社機能を埼玉・所沢から池袋に移し増え続ける都心の開発案件に備えます。

2019年3月に新規事業のアイデアを募集し事業化を検討する10案を選びました。

事業アイデアを1月下旬から募ったところ133件の応募がありました。

1)自然環境が豊かな場所に大型トレーラーハウスを設置し絶景を堪能しながら泊まれる宿泊サービス

2)流通過程で廃棄される果物を活用したスムージーの販売サービス

などのアイデアを選びスタートアップ企業と連携し既存分野の強化や新ビジネスの創出につなげる考えです。

2019年6月にWEBサイト「ALL IN RAIL!

?」を開設しました。

新たな住まいを探している人向けに住宅の専門家が見る西武線沿線の魅力や住まい選びのポイントなどを紹介するため<西武鉄道>は住まいの観点から沿線地域の魅力を発信するWEBサイトを開設しました。

沿線での暮らしをイメージしやすい情報を発信して定住人口を増やす狙いです。

2019年7月にスマートフォンアプリを提示した障害者割引運賃のサービスを始めました。

障害のある人が身体障害者手帳などの代わりに専用のスマートフォンアプリを提示した場合でも障害者割引運賃が適用されるサービスで<西武鉄道>や<西武バス><西武ハイヤー>の利用でも同様に割り引きが受けられます。

2019年7月に長野県軽井沢町で会員制ホテルを開業しました。

『軽井沢浅間プリンスホテル』を改装し戸建てのヴィラタイプや温泉施設を新設しました。

『プリンス・バケーション・クラブ』は別荘感覚で使える施設で富裕層向けにPRしますが<プリンスホテル>での会員制ホテル事業は初めてになります。

<西武HD>の荒原正明執行役員は……「国内会員制ホテルは過去10年年6~7%のペースで成長している」「60代以上のアクティブシニア層に加え40~50代のビジネスマンの需要が見込める」と述べています。

2019年9月に英国ロンドンに欧州で初めての高級ホテルを開業しました。

『ザ プリンス アカトキ ロンドン』を広告塔として欧州から日本各地のプリンスホテルに宿泊してもらう狙いがあります。

2020年1月に西武園ゆうえんちのテーマ『1960年代の懐かしさ』を発表しました。

2021年に改装開業しますが<USJ>を再建した森岡毅氏が率いるマーケティング会社<刀>と組みます。

園内には60年代の街並みを再現し入場客を迎えるキャストとも60年代当時の感覚で交流できます。

「デジタルの刺激に慣れた世代にとって昭和の人間同士の温かい交流は非日常体験として面白がられる」と<刀>の森岡毅CEOは述べています。

2020年2月に遊園地『としまえん』を2020年以降段階的に閉園の方針が表出しました。

跡地は<東京都>が取得し公園として防災や住民の憩いの場として整備する方針を示していますが一部跡地は米国映画<ワーナー・ブラザース>が人気映画『ハリー・ポッター』のセットを再現したスタジオ型のテーマパークを運営する見込みで英国に次ぎ世界で2例目となります。

2020年5月に『2020年3月期通期』の連結純利益が前期比91%減の見込みと発表しました。

新型コロナウイルスの影響などを受け運営するゴルフ場やホテルの減損処理をするほか鉄道業やホテルの業績悪化の影響を織り込んでいます。

2020年5月に取締役報酬を月額の最大30%減額すると発表しました。

新型コロナウイルスの影響を受け業績が悪化し今後も厳しい経営環境が想定されるため減額に踏み切りました。

<西武ホールディングス>を俯瞰して見てみましょう。

<西武鉄道>は池袋・西武新宿両駅から埼玉県西部の秩父地域にまで計12路線176.6キロメートルを展開し1日平均182万人の輸送を担っています。

2013年には副都心線を経由し東急東横線、横浜高速みなとみらい線ともつながり埼玉県西部と横浜方面を乗り換えないで行き来できるようになっています。

沿線の自治体の人口は計553万人ですが埼玉はすでに人口減へと突入しており今後いかに乗降客数を保っていくかが課題となっています。

練馬高野台―石神井公園駅間の工事が2015年に終わり桜台駅付近―大泉学園駅の高架化が完了した西武池袋線ですが輸送力の大幅強化とともに高架下の大きな空間の活用が始まりペットのトリミングサロンや薬局保育所なども高架下に開いたことで街の魅力がアップしています。

これら取り組みの結果として石神井公園、所沢両駅の2018年度年間乗降客数は5年前に比べそれぞれ11.2%、8.8%増えました。

<西武鉄道>が2017年に導入した40000系は最端部10号車に乗り込むと全体の3分の1のスペースから座席を取り払い車いすやベビーカー利用者に配慮しています。

スペースの限られた電車内では多くの母親が周囲を気にしながら乗車していました。

子どもが外の景色を見たくても窓の位置は高く1人ではとてものぞけませんでした。

40000系の座席のない空間『パートナーゾーン』はこのような気づきを実現しました。

<西武HD>の後藤高志社長は社内風土の刷新を掲げ革新的な取り組みを続けてきました。

創業家の堤家が率いた『西武王国』からの脱皮の象徴として物事をトップダウンで決めることから若手や女性の登用をすることで社内改革に努めてきました。

マーケティングを重視した西武鉄道沿線の再開発を積極的に進めています。

既存の鉄道沿線の施設や不動産などの経営基盤の再開発による『魅力づくり』が当面の課題になります。

今日の事例で何を学べるでしょうか?

見過ごされ衰退化している資産を多く抱える企業は……創業の精神である原点に立ち返り次の時代に通用する新たな『魅力づくり』に取り組み再建・再生させることで未来へ成長することができる。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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