高等専門学校が誕生して約60年経ち日本全国には57校ありますが徳島県の山間地にある神山町に2023年春開校予定の高等専門学校『神山まるごと高専』があります。
『神山から未来のシリコンバレーを生み出す』というビジョンを掲げ『テクノロジー×デザイン×起業家精神』をコンセプトにした学びの場を目指しています。
学校長に就任する大蔵峰樹氏は衣料品通販サイト『ZOZOTOWN』の物流・情報システムを構築した<ZOZOテクノロジーズ>の取締役。
理事長に就任する寺田親弘氏は<Sansan>の創業者です。
神山町は町を挙げて10年以上前からネット環境の整備を進めており寺田氏が起業した<Sansan>のほか約10のインターネット系のサテライトオフィスがあります。
『未来の日本で自ら課題を発見・解決し社会に変化を生み出すことができる人材』を『神山まるごと高専』で育てようとする学生像としています。
そのために『倫理、哲学、心理』という『HEARTの学び』を通底にした精神性やマインドフルネスを重視する新しい高等専門学校像を描いています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第439話<ファミリーマート>です。
(*写真はイメージです)競合他社との経営統合や吸収合併など1978年3月に<西友ストアー>の社内にファミリーマート事業部が発足しました。
1981年9月に<西友ストアー>のCVS事業を<ファミリーマート>に分社しました。
1987年2月に国内出店数が1,000店舗を達成しました。
1998年2月に運営会社の筆頭株主が<伊藤忠商事>になりました。
2004年9月7日に『ファミマカード』の使用を開始しました。
2011年12月に『am/pm』の全店舗の営業を終了し『ファミリーマート』へ切り替えました。
2013年10月に国内店舗数が10,000店を達成しました。
2015年11月にセルフレジの導入を開始しました。
2016年8月に『エブリワン』の全店舗を営業終了し『ファミリーマート』へ切り替えました。
2016年10月に『ココストア』の全店舗を営業終了し『ファミリーマート』へ切り替えました。
2018年11月に『サークルK』と『サンクス』の全店舗を営業終了し『ファミリーマート』へ切り替えました。
<ファミリーマート>のビジネスモデル2019年10月に外国人の顧客向けに店内放送の英語化に取り組みました。
<USEN>から制作スタッフを迎え店内放送の音楽番組をリニューアルしナレーションの一部を英語化しました。
英語化の取り組みは音声による案内で商品を知ってもらうことが狙いです。
コンビニの滞在時間は5分以下が多く短い時間でも内容が伝わるよう1時間に複数回の案内を流します。
2019年10月に<メルカリ>の梱包資材を全国で発売したと発表しました。
2016年3月から<メルカリ>の発送サービスを提供してきましたが今回の梱包資材を販売することで梱包から発送までできます。
<メルカリ>のアンケート調査で出品未経験の人が出品しない理由では「梱包や発送作業が大変そう」が最も多く課題となっていました。
2019年11月にFC加盟店の営業時間短縮を原則容認することを決めました。
近年は人手不足などで24時間営業を支えにくくなっているため2020年3月に契約を変え約1万6000ある加盟店のほぼ全店に営業時間の選択を委ねます。
時短営業は2パターンを用意し深夜休業を毎日するか日曜日だけに限るかを選べます。
2019年12月に加盟店オーナーが店舗を増やした場合支援策を導入する方針を固めました。
オーナーが複数店舗を経営すれば経営基盤が強化され人手不足に対応した店舗間の従業員の融通といった措置も可能になると考えています。
1店舗当たり100万円程度の奨励金を支払う支援策を2020年3月から順次実施します。
2019年12月に2020年元日に加盟店の運営を本部が代行すると表明しました。
6月から1年間に1日本部が日中の店舗運営を無償で代行する『店長ヘルプ制度』を導入しました。
2020年元日に本部が代行する制度を加盟店の109店が利用します。
「休みたいというオーナーはバックアップする」と<ファミリーマート>の沢田貴司社長は述べています。
2020年1月に大阪府豊中市と子育て支援に関する連携協定を締結しました。
トラブルに巻き込まれた子どもが駆け込める『こども110番の家』に市内の全46店が登録します。
2020年2月にアパレルとのコラボレーション店舗を虎ノ門ヒルズに開きました。
セレクトショップ運営の<アーバンリサーチ>がフランチャイズチェーン契約を<ファミリーマート>と結び運営します。
コンビニで商品を販売することでインターネット通販や別の店舗への流入を狙います。
2020年3月に『ファミペイ』のダウンロード数が累計500万件を超えたと発表しました。
スマートフォン決済アプリを2019年7月からサービス開始しダウンロード数を伸ばしてきました。
2020年4月に発表した『2020年2月期』の連結純利益は前期比4%減でした。
人件費に加えて加盟店を支援するための費用がかさみました。
2020年5月に新型コロナウイルスの感染拡大を受け加盟店向けの支援策を決めました。
収入減に陥った店舗に最大10万円を支給するほか本部から最低保証として受け取る加盟店の『補填金』の返還を一時的に免除します。
2020年6月に遠隔操作で店舗の商品を陳列できるロボットを導入すると発表しました。
<Telexistence>と共同で7月末をめどに都内の店舗で実証実験を始めます。
一人で複数店舗の陳列ができるようになります。
2020年7月に<ファミリーマート>への出資を<農林中央金庫>などが決めました。
<農林中央金庫>が<全国農業協同組合連合会>と共同で約570億円の出資を決めました。
<ファミリーマート>の店頭で農産物を販売する狙いです。
2020年8月に<伊藤忠商事>のTOBが成立したと発表しました。
<ファミリーマート>の株保有比率を50.1%から65.7%に引き上げた上で非上場化する考えです。
2020年11月に加盟店店舗の値引き販売を自由にすると表明しました。
2021年度中に新しいレジのシステムを導入するなど簡単に値引きできるようにします。
<公正取引委員会>が店への値引きの制限や24時間営業の強制などをコンビニエンスストア各社に改善するよう求めていてその対応としての改善策です。
2021年1月に3月1日付で社長に就任する細見研介氏が記者会見しました。
「顧客起点の発想に立ち返って小さな種をまき続け消費者の要望に応えていく」と<伊藤忠商事>の細見研介執行役員は抱負を述べました。
2021年4月に発表した『2021年2月期』の連結決算は最終損益が164億円の赤字でした。
新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がり都市部の店舗を中心に売上が減少しました。
今日の企業事例である<ファミリーマート>を少し俯瞰して見てみましょう。
コンビニエンスストアが日本で誕生して約半世紀になり大手7社を合わせると全国に約5万8千店で郵便局の2倍以上の数があります。
公正取引委員会の調査ではオーナーの平均年齢は53.2歳で50代以上が6割を占めています。
そのルーツは酒屋や米屋など個人経営のパパママストアです。
事業を引き継ぐ場合にはオーナーの3親等以内の血族と契約で決めていました。
その個人経営のパパママストアがフランチャイズ方式でコンビニエンスストアに変わり近代化してきました。
加盟店のオーナーが現場を任せている店長に経営を引き継ぎたいと考えている場合法人としてコンビニエンスストアを経営していれば代表者の名義変更を可能にしました。
時代は移り加盟店オーナー本人と配偶者が年齢を重ねる一方で子どもは会社勤めをしているため親族には後継者が見つからないという状況が増えてきました。
2020年9月には<公正取引委員会>から運営の見直しを11月までに求められました。
24時間営業の強制や値引き販売の制限は独占禁止法違反の恐れがあるという内容です。
<公正取引委員会>の調査ではオーナーの平均年収は5年で190万円減り約20%は債務超過になり休暇は月平均で1.8日にとどまっています。
2019年度にコンビニエンスストアは店舗数が初めて減少に転じました。
これまでの成長路線は明確な転機を迎えています。
「本部の都合を店舗に押しつける時代は終わった」「変化に対応できなければコンビニは生き残れない」と<ファミリーマート>の沢田貴司社長は述べています。
人手不足に伴う24時間営業問題廃棄ロス問題や事業承継問題など多くの課題が山積みで従来の成長モデルが行き詰まっている今新たなビジネスモデルを構築し事業構造の転換を図ることが喫緊の課題となっています。


