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ブログ / 事業家の羅針盤

第11話 数字を読む力|経営者が最低限知るべき財務指標

数字を読む力

2026年3月12日 執筆:渡邉ひとし

~事業を成長させる判断軸の磨き方~

損益計算書とキャッシュフローで経営者が毎月確認すべき財務指標3つ

数字を読む力

売上は伸びているのに月末の預金残高が増えない。

この悩みを持つ経営者は少なくありません。

原因の多くは確認すべき数字を間違えている点にあります。

毎月の試算表を税理士に任せたまま売上の増減だけで経営を判断していないでしょうか。

対処の第一歩は毎月確認する財務指標を3つに絞る方法です。

  • 利益率
  • 月末現預金残高
  • 売上総利益の推移

この3つを毎月定点観測してください。

なぜ有効なのでしょうか。

経営判断は感覚だけでは精度が保てないからです。

売上が伸びても粗利が薄ければ忙しいだけで手元には残りません。

帳簿上に利益が出ていても入金と出金のタイミングがずれれば現金は枯渇します。

今回は損益計算書で稼ぐ力を確認する読み方を解説します。

次にキャッシュフローがなぜ利益と一致しないかを整理します。

損益計算書は売れたかではなく残るかを読む

損益計算書は一定期間の経営成績を示す書類です。

しかし多くの経営者が売上の金額だけを追い利益の中身を確認していません。

売上が増えても値引きが続けば粗利は削られます。

広告費や外注費を増やしても1件あたりの採算が悪ければ資金は残りません。

売上の増加と経営の改善は必ずしも同じ意味を持ちません。

経営者がまず確認すべきは売上から原価を引いた売上総利益(粗利)です。

そして本業の儲けを表す営業利益を見てください。

売上総利益率が下がっていれば安売りか仕入コストの上昇が経営を圧迫しています。

粗利は十分なのに営業利益が残らないなら固定費や販促費に無駄が生じています。

利益の量ではなく質を見る習慣が判断の精度を上げます。

売上を追う前に利益が残る設計になっているかを先に確認してください。

【モデル事例】

受注件数を増やすために広告費を上乗せし価格も下げて対応したとします。

売上の数字だけを見ると正しい判断に映ります。

しかし広告費と値引きが重なれば

件数が増えるほど1件あたりの利益は薄くなります。

外注を増やせば固定費も同時に膨らみます。

受注を増やす前に粗利率がどう変化するかを先に試算してください。

価格を下げるなら固定費の増加幅もあわせて確認してください。

キャッシュフローが会社の持久力を決める

損益計算書で利益が出ていても手元の現金が不足する場合があります。

これが黒字倒産と呼ばれる現象です。

損益計算書は売上を計上した時点で利益を認識します。

しかし取引先からの入金が翌月、翌々月であれば

帳簿上の利益と手元の現金は一致しません。

この入金と出金のタイムラグが資金ショートを引き起こす要因になります。

特に成長期の企業は注意が必要です。

仕入れや人件費の支払いが先行するため売上が増えるほど資金繰りは苦しくなります。

伸びている時期こそ資金繰りへの目配りが欠かせません。

経営者は毎月月末時点の現預金残高を必ず確認してください。

月商の2〜3か月分以上の手元資金を維持できているかが安全性の判断基準になります。

数字の変化に早く気づくほど立て直しにかかる時間と労力を減らせます。

【モデル事例】

帳簿上は利益が出ているのに月末になると通帳の残高が減っていきます。

この帳簿と通帳のずれを放置すると支払い遅延や急な借入が必要になります。

対策はシンプルです。

入金予定と支払い予定を毎週照合し資金の増減を事前に把握してください。

回収サイトの短縮や支払い条件の見直しを

取引先と交渉するだけでも資金繰りは安定に近づきます。

今日のまとめ

経営者が毎月確認すべき数字はさほど多くありません。

利益率で稼ぐ力を見て月末現預金残高で持久力を測り

売上総利益の推移で収益力の変化を追います。

この3つを月次で振り返るだけでも経営判断の精度は変わります。

数字は反省のためにあるのではなく次にどこを修正するかを決めるための判断材料です。

売上だけを見て安心していると資金不足や利益率の低下に気づくのが遅れます。

まずは先月の試算表を手元に用意し

3つの数字を書き出すところから始めてください。

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*次回予定3月19日木曜日

第12話『競合を見るな顧客を見ろ差別化の本質』

次回もどうぞ宜しくお願いいたします。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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