多くの40-50代管理職が自身のキャリアに停滞感を抱えています。
同時に部下の育成もうまく進まないという二重の課題に直面しています。
しかし問題の本質は努力不足や能力不足ではありません。
変化した評価軸への適応遅れと役割認識のズレが根本原因です。
有効な解決策は自己のキャリア軸を再定義し
部下への関わり方を転換する二段階のアプローチです。
まず自分自身の役割と価値を現在の基準で再設計します。
その上で部下に対する支援方法を指示型から伴走型へ変更します。
この方法が機能する理由は変化の激しい環境では
管理職自身が変化の起点となる必要があるためです。
今回は自己変革によるモチベーションを再設計する手法を示します。
さらに部下の主体性を引き出すキャリア開発支援の具体的なプロセスを解説します。
自己変革によるモチベーション再設計
管理職のモチベーション低下は過去の成功体験が
現在の役割とミスマッチを起こしているケースが大半です。
昇進や組織変革によりかつてのやり方が
機能しなくなったにもかかわらず同じ手法を続けています。
第一に必要なのは過去の成功パターンを意図的に手放す作業です。
自分の判断基準や行動様式を一度疑い
新たな視点で現在の役割を捉え直します。
第二にキャリアの軸を再定義する作業が不可欠です。
- Will(やりたい)
- Can(できる)
- Must(求められる)
のフレームワークで現在の自分を多面的に分析します。
会社から与えられた役割だけでなく自分の情熱と蓄積した能力を再確認します。
A部長は営業トップの実績を持っていましたが
部長就任後チームの成績は下降しました。
彼は自分の成功体験を熱心に伝えましたが
会議は独演会化し部下の反応は冷めました。
外部コンサルタントの指摘で自分の関わり方が部下の主体性を奪っていると認識しました。
そこで自身の経験談を語るのをやめ
個別面談で「あなたはどう考えますか」と問いかける方式に転換しました。
指示役から伴走者への変化です。
コーチング型支援で部下の主体性を引き出す
自己のモチベーション基盤を再構築できたらその視点を部下支援に応用します。
ただし従来の育成手法は効果を発揮しません。
1on1ミーティングが業務進捗の確認で終わってしまうのが典型例です。
この失敗の背景には管理職は答えを知っている指導者という固定観念があります。
これからの時代に求められるのは答えを教えるティーチングではなく部下の中に答えを引き出すコーチングです。
その核心は「問いかけ」と「傾聴」にあります。
部下が「どう考えればいいですか」と尋ねてきた際
即座に答えを示すのではなく
「あなたはどう思いますか」「他に選択肢はありますか」と問い返します。
部下の成長を支えるためには小さな成功体験を意図的に設計する視点が重要です。
部下の能力より少し高いレベルの課題を与えその達成をサポートします。
これらすべての基盤となるのが心理的安全性の高い環境です。
管理職が結果だけでなく挑戦したプロセスを評価する姿勢を示します。
B課長は部下との1on1が機能しない現状に悩んでいました。
進捗確認で終わり部下の本音が見えませんでした。
彼はミーティング構成を根本的に見直し業務の話を2割に抑え
残り8割を部下の今後のキャリアや学びたい分野についての対話に充てました。
部下の意見を否定せず深掘りする姿勢を徹底しました。
すると若手社員が「データ分析に挑戦したい」と希望を語りました。
B課長は小規模プロジェクトを用意し挑戦する機会を提供しました。
今日のまとめ
40-50代管理職が直面するモチベーション低下と部下育成の課題を検証しました。
問題の本質は外部環境の変化に対する自己更新の遅れにあります。
解決の鍵は自分のキャリア軸を
Will-Can-Mustで再定義し部下への関わり方を
指示役から伴走者へ転換する二段階のアプローチです。
提示したフレームワークと具体例を参考に
自らの課題と次に取るべき行動を明確化できたはずです。
重要なのは誰かを変える前にまず自分自身が変わる覚悟です。
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*次回発行は10月22日水曜日の予定です。
次回は「人材の育成」がテーマの
第28話「共感と傾聴より良い人間関係を築く基本」
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。


