【ミドルシニア世代の智慧=変革の羅針盤=】

いつもお読みいただき有難うございます。

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不易流行:変わらぬこと、変わりゆくこと/成熟企業の宿命と挑戦

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日本の経済を支えてこられたミドルシニア世代の皆様へ。

長きに渡り事業を継続されてきた企業に、お勤めの方も多いと思います。

成熟期を迎えた企業は、安定した収益基盤を持つ一方で、

「成長の鈍化」

「市場の変化への対応の遅れ」

「組織の硬直化」

といった課題に直面することが少なくありません。

かつての成功体験が足かせとなり、

新しい一歩を踏み出すことに、躊躇してしまうかもしれません。

しかし時代は常に変化しています。

テクノロジーの進化

顧客ニーズの多様化

新たな競争プレイヤーの出現など、

成熟企業を取り巻く環境は、決して静的なものではありません。

『現状維持は衰退です』

停滞を打破し、持続的な成長を実現するためには、

ビジネスモデルの進化が不可欠です。

今日は、皆様が長年の経験で培ってきた知見を活かしながら、

『成熟企業のビジネスモデル進化論』という視点から、

どのようにビジネスモデルを進化させていくべきかを、

具体的な事例を交えながら、考えていきたいと思います。

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成功体験の呪縛を解き放つ変化への第一歩

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長年培ってきたビジネスモデルは、企業のDNAとも言えます。

そのため変革には、大きなエネルギーと勇気が必要です。

「これまで成功してきたのだから、変える必要はない」

という考え方が、変化への足かせとなることも少なくありません。

しかし市場や顧客のニーズは、常に変化しています。

過去の成功体験に固執することは、あらためて言うまでもなく、

時代の変化に取り残されるリスクが高まります。

ビジネスモデルの進化の第一歩は、現状のビジネスモデルを客観的に分析し、

強みと弱みを明確に認識することです。

そして、

「本当に顧客が求めている価値は、何か?」

「競合他社は、どのような新しい価値を、提供しているのか?」

といった問いに向き合い、

変化の必要性を認識することから始まります。

 

<富士フイルムの場合>

フィルムカメラで圧倒的なシェアを誇っていた富士フイルムは、

デジタルカメラの台頭という、大きな市場の変化に直面しました。

もし、過去の成功体験に固執し、フィルム事業にしがみついていたら、

今日の姿はなかったでしょう。

大きな収益の減少を目の前にし、時代の流れにインパクトを受け、

自ら変わる必要性を感じたはずです。

これまでフィルム事業で培った、高度な技術を活かし、

化粧品や医薬品、高機能材料といった、

全く新しい分野へと事業転換を図り、第二の成長カーブを描いています。

既存の強みを活かしつつ、

全く異なる領域へ果敢に挑戦する、重要性を示唆しています。

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顧客視点の再構築、新たな価値創造の源泉

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ビジネスモデル進化の核となるのは、顧客視点の再構築です。

「誰に、何を、どのように提供することで、顧客は真に満足するのか?」

という問いを、

あらためて深く掘り下げる必要があります。

成熟期を迎えた企業は、既存の顧客層への理解は深いかもしれませんが、

潜在的なニーズや新たな顧客層の出現を、見落としている可能性があります。

顧客の声に耳を傾けるだけでなく、顧客の行動を観察し、

データ分析を通じて隠れたニーズを、掘り起こす努力が求められます。

そして、そのニーズに応える新たな価値提供の方法を模索するのが、

ビジネスモデルの進化の鍵となります。

 

<Amazonの場合>

書籍販売を事業としていましたが、本を読みたい顧客ニーズの本質を捉え、

電子書籍という新たな提供方法を確立しました。

さらに、書籍販売で培った物流網や顧客データを活用し、

ECサイトへと事業を拡大しました。

現在では、クラウドサービスやエンターテインメントなど、

多岐にわたる事業を展開し、

顧客の様々なニーズに応えるプラットフォームへと、進化を遂げています。

既存の事業で培った強みを活かしつつ、顧客のニーズの変化に合わせて、

ビジネスモデルを柔軟に変化させる、重要性を示しています。

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組織の壁を乗り越え、変化を実装する力

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新たなビジネスモデルを構想しても、それを組織全体で実行に移し

持続的な成長に繋げるためには組織の変革が不可欠です。

部門間の連携不足過去の成功体験に基づく、抵抗変化を恐れる保守的な姿勢など、

成熟企業には、様々な組織の壁という巨人が立ち尽くしています。

これらの壁を乗り越え、組織全体で変化を推進するためには、

リーダーシップの発揮

明確なビジョンの共有

従業員のエンゲージメント向上

そして何よりも、失敗を恐れない文化の醸成が不可欠です。

 

<トヨタ自動車の場合>

日本の自動車産業を代表する同社は、

自動車の電動化という大きな変革期を迎えるにあたり、

『CASE』=コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化

と呼ばれる、新たな領域への挑戦を加速させています。

その背景には、

経営トップの強いリーダーシップのもと、全従業員が変革の必要性を共有し、

積極的に新しい技術や、知識を習得しようとする組織文化が育まれています。

また、異業種との積極的な連携を通じて、新たな価値創造を目指す、

オープンイノベーションの取り組みも推進しています。

これは強力なリーダーシップと、組織全体の変革への意識改革が、

ビジネスモデルの進化を成功させる上で、いかに重要かを示しています。

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まとめ:成熟企業よ再び成長のエンジンを点火せよ

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成熟期を迎えた企業が停滞を打破し、持続的な成長を実現するためには、

過去の成功体験に固執することなく、

常に変化への意識を持ち続けることが重要です。

顧客視点を再構築し、たな価値創造に挑戦する勇気、

そして、

組織全体で変革を推進する力こそが、

成熟企業が再び輝きを取り戻すための、羅針盤となるはずです。

皆様が長年培ってきた経験と知識は、新たなビジネスモデルを構想し、

それを実現するための強力な武器となります。

何者も恐れることなく、変化の波を乗りこなし、

第二の成長曲線を描くために、今こそ行動を起こすべき時です。

変化の激しい現代において、企業が持続的に成長していくための、

パワーとなると確信しています。

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*次回発行は5月6日火曜日の予定です。

『次世代リーダーの育成/ミドルシニアの経験をどう伝えるか』

次回もどうぞ宜しくお願いいたします。

http://mirai-design-company.co.jp/

 

 

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