ビジネスモデルの企業事例

今日も読んでいただき有難うございます。

経営戦略コンサルタント、組織変革コンサルタントの渡邉ひとしです。

 

企業の経営課題解決を支援する中で、多くのビジネスパーソンと接してきました。 

特に責任ある立場を任されながらも、

将来のキャリアや家族とのバランスに、葛藤を抱えているケースが多いと感じています。  

現代社会はVUCAの時代と言われ 、

先行きが不透明な経済状況、グローバル化の進展、

そして、AIやデジタル技術の急速な進化。

これらの変化は、私たちの働き方やキャリアプランを大きく揺るがしています。 

従来のキャリアパスや成功モデルが通用しなくなり、

多くの人が、将来への不安を抱えているのではないでしょうか。  

そんな時代だからこそ、

今回のビジネスモデルから学ぶ点は多いと考えています。 

 

<SBIホールディングス>は金融業界の常識にとらわれず、

常に変化を恐れずに、新たな事業に挑戦し続けています。 

それはまさに、VUCAの時代に求められるビジネスモデルと言えます。  

このビジネスモデルを紐解くことで自身のキャリアプランを見直し、

変化の激しい時代を生き抜くヒントが見えてくるはずです。

中小企業も大企業も、日本の市場に於いては、

同じ外部環境のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営を観察することで、自社に活かしてください。

今回も企業のビジネスモデルを取り上げ、

その成功要因や課題について、深堀りしていきます。

 

今日の企業事例は、

第508話【SBIホールディングスのビジネスモデル】

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ミッション、ビジョン、バリュー

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【経営理念:Mission】

経営トップの交代や環境変化があっても、

簡単に変更されることのない、

企業の長期的・普遍的な価値観や存在理由を体現するものです。

 

【5つの経営理念】

*正しい倫理的価値観を持つ

「法律に触れないか」「儲かるか」ではなく、

それをすることが、

社会正義に照らして正しいかどうかを判断基準として事業を行う。

 

*金融イノベーターたれ

革新的技術を導入し、

より顧客便益性を高める金融商品やサービスを提供することで、

従来の金融のあり方に変革を与える。

 

*新産業クリエーターを目指す

21世紀の中核的産業の創造、

および、育成を担うリーディング・カンパニーとなる。

 

*セルフエボリューションの継続

「創意工夫」と「自己変革」により、

経済環境の変化に柔軟に適応すべく、自己進化し続ける。

 

*社会的責任を全うする

SBIグループ各社は、社会の一構成要素としての社会性を認識し、

様々なステークホルダー(利害関係者)の要請に応えつつ、

社会の維持・発展に貢献していく。

 

【企業の社会的責任】

企業は、社会との共生の中でのみ、

繁栄することができるとSBIグループは考えています。

より良い社会を築くことは、

企業の将来にも、より良い成果をもたらすはずです。

SBIグループでは企業価値を、

顧客価値、株主価値、人材価値の総和としています。

企業価値を継続的に向上させるべく、本業を通じた社会貢献のみならず、

「社会貢献活動は戦略的投資である」(マイケル・E・ポーター教授)という教えのもと、

より直接的な社会貢献活動にも、取り組み続けています。

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企業の沿革

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1999年7月8日に

ソフトバンクの金融業子会社として、<ソフトバンク・インベストメント>を設立しました。

 

1999年11月に

<ソフトバンクベンチャーズ><ソフトトレンドキャピタル>ほか2社を、

完全子会社化しました。

 

2003年6月に

証券会社の<イー・トレード>を吸収合併しました。

 

2003年10月に

野村證券系の<ワールド日栄証券>の株式56.6%を取得しました。

 

2003年12月に

日商岩井系の<日商岩井証券>の全株式を取得しました。

 

2004年7月に

投信評価会社の<モーニングスター>の株式50.41%を取得しました。

 

2005年6月に

クレジットカード事業子会社として、

<SBIカード>を設立しました。

 

2005年7月に

持株会社体制へ移行し、

<SBIホールディングス>へ商号を変更しました。

 

2006年8月に

<ソフトバンクグループ>から段階的な株式売却を経て、

完全に独立しました。

 

2012年2月に

<日本震災パートナーズ>の株式83.1%を取得しました。

 

2015年2月に

英国保険会社より、

子会社<ピーシーエー生命保険>の全株式を取得しました。

 

2015年4月に

<ブックフィールドキャピタル>を、

連結子会社の<SBI証券>が買収しました。

 

2016年9月に

<日本少額短期保険>の全株式を取得しました。

 

2020年10月に

<ISホールディングス>より、

<ライブスター証券>の全株式を取得しました。

 

2020年10月に

<Zホールディングス>より、

暗号資産取引所を運営する<TaoTao>の全株式を取得しました。

 

2021年12月に

<新生銀行>を連結子会社化しました。

 

2022年11月に

大手住宅ローン仲介会社の<アルヒ>の株式51.0%を取得しました。

 

2023年11月に

<マイナビ>との間で資本業務提携を締結しました。

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ビジネスモデルの企業事例<SBIホールディングス>

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2023年4月に

<住信SBIネット銀行>が初任給を、3万円引き上げ33万円にしました。

<SBIホールディングス>も、

新卒の初任給を4万円引き上げ34万円にしました。

金融業界では優秀な人材を獲得するため、

初任給を引き上げる動きが活発化しているため、

優秀なデジタル人材を獲得し、競争力を強化する狙いです。

 

2023年8月に発表した

『2023年4~6月期』の連結決算は、純利益244億円の黒字でした。 

<SBI証券>は、日本株の現物取引と信用取引の売買手数料をゼロにしました。

米国<KKR>と新会社を設立し、プロ向けの投資信託を日本の個人に提供します。

株式相場の活況を受け、個人の株式売買が好調で、

前年同期に取引先の破綻などにより、

赤字を計上した暗号資産事業が黒字に転換したのが要因です。

投資家の裾野を広げ、顧客基盤を拡大するのが狙いです。

 

2023年9月に

米国<KKR>と新会社を設立し、プロ向けの投資信託を日本の個人に提供しました。

海外の大手投資ファンドが日本の個人運用資産を開拓しているため、

日本の約2000兆円の個人金融資産に照準を定め、

富裕層を中心とする個人にファンドを販売する考えです。

 

2024年2月に

<SBI新生銀行>は親会社の<SBI地銀ホールディングス>と、

旧村上ファンド系の投資会社<エスグラントコーポレーション>を引受先に、

560億円の第三者割当増資を実施しました。

公的資金の返済原資を確保するため、M&Aなどの成長投資に充当する考えです。

 

2024年3月に

<ジンジブ>のIPOで主幹事を務めると発表しました。

<SBI証券>が新規株式公開で主幹事を務めるのは、

金融庁による行政処分後で初めてです。

行政処分後も、IPO事業を継続するという姿勢を示しています。

 

2024年4月に

<南都銀行>に幅広い銀行サービスを一括利用できる、

スマホアプリの提供を開始しました。

顧客の利便性向上のため、デジタルへの移行を後押しする考えです。

 

2024年5月に

サウジアラビア株を組み込んだETFの東証への上場に向け、

現地の情報通信大手<ナショナル・テクノロジー・グループ>と業務提携で合意しました。

中東の個人マネーを国内に呼び込むため、

サウジアラビアの個人投資家に、日本株への投資機会を提供します。

 

2024年6月に

<SBI新生銀行>はSBI証券子会社の<SBIマネープラザ>との共同店舗を、

『SBI新生ウェルスマネジメント』に変更しました。

共同店舗の名称に『ウェルスマネジメント』を入れ、

富裕層へのコンサルティングのサービスを強化する考えです。

 

2024年7月に

<福島銀行>でAWS勘定系が初稼働し、

オルタナティブ資産に投資する公募投資信託の立ち上げを発表しました。

銀行のデジタル化を推進するため、顧客に新しい投資機会を提供する考えです。

 

2024年8月に発表した

『2024年4~9月期』の連結決算は、純利益が前期比21%増でした。 

『2023年4~12月期』の連結決算は、純利益が前年同期比で7倍でした。

米国株や外国為替証拠金取引の活況に加え、

傘下の<SBI新生銀行>が70%増益しました。

多様な収益源を確保することで、安定的な収益基盤を構築する考えです。

 

2024年9月に

医薬品開発を受託する<新日本科学>と共同でファンドを立ち上げました。 

アジアや中東、アフリカを中心に投資活動をする運用会社

<ゲートウェイパートナーズグループ>に出資し、資本提携しました。 

<SBI新生銀行>は、旧村上ファンド系の投資会社から自己株式を一部取得。

<大光銀行>は、100%子会社の<大光キャピタル&コンサルティング>が

<SBI証券>と業務提携しました。 

北米のバイオテクノロジーや創薬関連のヘルスケア、

AIなどのスタートアップを投資対象とすることで、

新たな投資機会の獲得を目指します。

新興市場での投資に関する知見やノウハウを獲得する考えです。

 

2024年10月に

新潟県長岡市に拠点を置くプラントフォームに投資しました。 

循環型農業の導入支援を営むスタートアップを対象に実施しました。

 

2024年10月に

アフリカのEVバスの販売・リースの<バシゴ>に約3億円を出資しました。 

経済発展が続くアフリカで軽油を燃料とするディーゼルパスから、

EVバスへの転換が進むのを見込み、先行して需要を取り込む狙いです。

南アフリカのゲーム会社<キャリーファースト>に約1.5億円を出資しました。 

<SBI新生銀行>は<SBI証券>の口座を持つすべての顧客を対象に、

最優遇の金利やサービスの適用を開始します。

 

2024年11月に

『2024年4~9月期』の連結決算は、純利益が前期比70%増でした。 

福島銀行の勘定系システムを刷新し、

28歳以下の預金者の普通預金金利を通常の約3倍の年0.3%にしました。 

<SBI新生銀行>が、70%増益と収益力が高まっています。

 

2024年11月に

サウジアラビアでバイオテクノロジーに特化した、

初の投資ファンドを立ち上げました。 

将来にわたって関係を築くことが可能な、未来の顧客の獲得に力を入れる考えです。

 

2024年12月に

暗号資産交換業のDMMビットコインは、

廃業する方針を固め預かっている顧客資産を、

<SBIVCトレード>に譲渡しました。

5月末に、

482億円相当のビットコインが不正流出して、

サービスの制限が続いており、

経営の立て直しを断念し、顧客の資産保全のため譲渡しました。

 

2025年1月に

<SBI新生銀行>は3300億円残る公的資金の完済に向け、

3月末までに1000億円を返済すると発表しました。

公的資金の完済と、再上場の検討・準備を開始するのが狙いです。

 

今日の企業事例である<SBIホールディングス>を、

もう少し俯瞰してみましょう。

 

<SBIホールディングス>は、

その革新的なビジネスモデルで、金融業界に新風を吹き込んできました。

しかし、

私はその成功を素直に賞賛することはできません。

なぜならこのビジネスモデルは、

本質的にリスクの先送りを伴っているからです。

例えば、

<SBI証券>は日本株の売買手数料を無料化しました。

これは一見、顧客にとってメリットが大きいように見えます。

しかし、その裏ではIPOの引受業務など、

手数料収入が得られる分野に力を入れています。

つまり、手数料ゼロは、

顧客を囲い込み将来的に手数料収入を得るための、戦略に過ぎません。

また、

<SBI新生銀行>は公的資金の返済という大きな課題を抱えています。

返済期限を先延ばしにしていますが、根本的な解決には至っていません。

さらに、

地銀との提携や海外企業への投資など、事業の多角化を進めています。

しかし、その多くは先行きの不透明な事業です。

もし、

これらの事業が失敗すれば、経営は大きく揺らぐ可能性もあります。

短期的な利益を追求するあまり、長期的なリスクを軽視しているように見えてしまいます。

企業は短期的な利益だけでなく、長期的な収益を求める必要があります。

金融業界は常に変化を続けています。

その変化に対応し、

新たなビジネスモデルを創造していくことが求められます。

その際には、

短期的な利益だけでなく長期的なリスクも考慮した上で、

慎重な経営判断をする必要があります。

<SBIホールディングス>が、その革新的なビジネスモデルを活かし、

持続可能な社会の実現に、貢献していくことを期待しています。

 

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*次回の発行(毎月第1月曜日の発行)

2025年3月3日月曜日の予定です。

★前回までの企業事例の一部です。

ブリヂストン

ロート製薬

TDK

大和ハウス工業

レゾナック・ホールディングス

キーエンス

テルモ

ファナック

ダイキン工業

すかいらーくホールディングス

楽天グループ

イビデン

トリドールホールディングス

パソナグループ

ENEOSホールディングス

東急不動産

日本航空

★上記以前に取り上げた企業事例は下記のブログで読むことができます。

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代表取締役

経営戦略コンサルタント、組織変革コンサルタント

渡邉ひとし

 

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紹介記事1:https://humanstory.jp/watanabe_hitoshi/

紹介記事2:https://syoukei-senmon.net/gifu/14457/

 

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一般社団法人 空き家再生機構 /理事

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<令和2年度迄>

中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師

<令和元年度迄>

愛知産業大学 経営学部経営学科

造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師

<著書>

『ビジネスモデル虎の巻!』

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