ビジネスモデル虎の巻!

第511話【ワークマンのビジネスモデル】
今日も読んでいただき有難うございます。
組織変革コンサルタント
経営戦略コンサルタント
の渡邉ひとしです。
市場が急激に変化する中
「このままのやり方で本当にいいのか?」
と不安を抱えている方が増えています。
働き方改革、少子高齢化
インフレと価格競争の狭間で
これまでの経験が
通用しにくくなっているのが現実です。
経営戦略、ビジネスモデル、組織心理
などの専門家として
現場に根ざした分析と
具体的な打ち手の提供を続けてきました。
今こそ時代に適応しながらも
本質を見失わない経営が求められています。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ外部環境のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営を観察することで
自社に活かしてください。
今回も企業のビジネスモデルを取り上げ
その成功要因や課題について
深堀りしていきます。
今日の企業事例は第511話
【ワークマンのビジネスモデル】
(画像はイメージです)
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ミッション、ビジョン、バリュー
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【経営理念】
声のする方に、進化する。
【Dream】
社会と顧客の声に向かって進化し続けます。
社会と顧客の指示により、
100年の競争優位を築きます。
【Purpose】
「昨日と価値に新基準」
社会と顧客の声に向かって、
ワークマンの得意分野で
果敢に「新基準」を創出します。
【Belief】
すべてのステークホルダーと長期的で
持続可能な良い関係を築きます。
100年先を見据えて、
社会・顧客・加盟店・取引先・社員及び株主と
サステナブルな良い関係を築きます。
【サステナビリティ方針】
「声のする方に、進化する。」
ワークマンは、すべてのお客様のために
持続可能な社会の実現を目指します。
お客様の日々の暮らしに密着し安心と信頼を提供し、
お客様の生活文化の向上に役立つとともに、
「共存共栄」の精神で加盟店や取引先の発展、
そして地域社会・地球環境への貢献に努めます。
SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、
「本業」を通じて貢献していきます。
長期目標であるため、
「継続性」が重要となります。
先ずは出来ることから着手し、
次に取り組みの深化と拡大を図ります。
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企業の沿革
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1980年に
職人の店 ワークマンとして
群馬県に1号店を開業しました。
1982年8月に
株式会社ワークマンを設立しました。
1988年1月に
東京都台東区に東京本部を開設しました。
1991年1月に
東京都台東区東上野に
東京本部ビルを竣工しました。
2004年12月に
JASDAQ証券取引所に上場しました。
2018年9月に
「ららぽーと立川立飛」内に
新業態店「WORKMAN Plus」の
第1号店を開店しました。
2020年10月に
横浜市の「コレットマーレ」内に
新業態店「#ワークマン女子」の
第1号店を開店しました。
2021年12月に
東京都板橋区前野町に
「WORKMAN Pro」の
第1号店を開店しました。
2024年2月に
「Workman Kids」をスタートし
沖縄に第1号店を開店しました。
2025年1月に
「#ワークマン女子」の屋号を
「Workman Colors」に
順次切り替えることを発表しました。
2025年3月に
芸能事務所 LDH JAPAN との協業で
新ブランド「ZERO-STAGE」
をスタートさせました。
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ビジネスモデルの企業事例
<ワークマン>
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2023年11月に
正社員やパート従業員を対象に
平均5.1%の賃上げを
2024年4月から実施すると発表しました。
女性向け衣料品店の
出店拡大などにより業績は堅調です。
物価高に対応する賃上げを行うことで
従業員の待遇を改善します。
従業員の生活安定と
モチベーション向上を図り
人材の定着と新規確保に繋げる狙いです。
2023年12月に
女性向け衣料品店「#ワークマン女子」
で路面店の出店を2024年秋から強化し
2024年9~11月期には
23店舗を出店する計画を発表しました。
「#ワークマン女子」の
新店が好調で初年度売上が
計画比2割増の店舗もありました。
スーパーの敷地内に出店した店舗では
スーパー自体の売上が
3割増えるケースも見られ
出店依頼が増えています。
路面店展開を本格化し
FCを中心とした出店戦略で
400店舗達成を目指します。
PB商品の種類も増やし
独自性を強めることで
新たな顧客層を開拓し
持続的な成長を目指す考えです。
2024年1月に
作業服やアウトドア用品
女性向け衣料など全商品を扱う新型店
「ワークマンプラス2」を
人口5万人以下の地域で拡大し
年15店のペースで全国200店体制を
目指すと発表しました。
従来型の店舗では顧客層が限定され
出店余地が小さくなっていました。
新潟市の1号店の売上が
計画を上回るなど先行店の好調を受けて
本格展開を決定しました。
各業態の強みを集約した新型店で
地方の小規模商圏を開拓する戦略です。
新たな顧客層を取り込み
持続的な成長を目指します。
店舗フォーマットの多様化により
市場カバー率を高める狙いがあります。
2024年2月に
岡山県と群馬県に物流センター2カ所を
新設するため土地代を含め
約290億円を投資すると発表しました。
女性向け新型店を中心に
店舗数が増加しており
将来の出荷点数の増加に対応する考えです。
主力の伊勢崎流通センターの供給能力が
2028年に限界に達すると見込んでいます。
物流体制の拡充により店舗網拡大を支え
安定的かつ効率的な商品供給を
実現する狙いです。
サプライチェーンの強化は
今後の成長戦略において
不可欠な投資と判断しています。
2024年2月に
「#ワークマン女子」が踊り場に入り
株価が低迷していると報じられました。
店舗が増えたにもかかわらず
効率的に稼げておらず
2023年10~12月の既存店売上高は
前期比6.3%減となりました。
「#ワークマン女子」の専売品比率を
25年春夏シーズンまでに50%へ高め
在庫回転率の向上を目指します。
今後の出店は新型店に絞り
従来型の作業服単体店は
原則出店しない方針で
カジュアル化路線を強めることで
再成長を目指します。
2024年2月に
子供服販売を開始し新ブランド
「ワークマンキッズ」の1号店を
沖縄県にオープンすると発表しました。
主要顧客層である30~40代女性の
ついで買いを見込みます。
大人向け人気商品を
子供サイズにすることで
開発コストを抑制します。
既存顧客の来店頻度向上と
ファミリー層への
アプローチ強化が狙いです。
子供服という新たな市場への参入で
成長の柱を多様化させる考えです。
2024年3月に
2023年5月に発売し3ヶ月で
3万着を売り切った冷暖房服
「ICE×HEATERペルチェベスト」
の新作を2024年5月下旬以降に
機能性を高めて
再発売すると発表しました。
ボタン一つで冷却と暖房機能を
切り替えられる利便性がヒットしました。
顧客の声を反映し
製品を改良することで
さらなるヒットを目指します。
高機能・高付加価値製品の開発により
客単価向上とブランドイメージ向上を
図る狙いがあります。
2024年11月に
医療用品メーカーのダイヤ工業と共同で
腰の負担を軽減する作業パンツ
「XBoosterアシストウォームパンツ」
を開発し販売を開始しました。
ワークマンからダイヤ工業へ
医療用品製造で培った技術を
取り入れたいと相談があり
コラボレーションが実現しました。
人手不足により高齢者が
働き手として期待されており
幅広い層のニーズに対応します。
専門メーカーとの協業により
高機能な製品を開発し
作業者の負担軽減という
社会的なニーズに応えます。
これにより専門性と信頼性を高め
新たな顧客層の獲得を目指します。
2025年1月に
「#ワークマン女子」の屋号を
「Workman Colors」に
改めると発表しました。
「#ワークマン女子」は
女性客をターゲットに
2020年にスタートしましたが
今後の出店拡大を視野に
男性客の取り込みを図る狙いです。
地方ほど広い客層の取り込みが
必要との判断があります。
名称変更により男性客も
入りやすいイメージに変え
客層を拡大する狙いです。
#ワークマン女子での女性向けと
男性向けの製品比率3:2を
「ワークマンカラーズ」では
1:1 にすることを目指します。
2025年2月に
作業服の商品開発にあたる人員を
増やすと発表しました。
開発者全体の8割を作業服中心の
「ワークマン」や「ワークマンプラス」
などの商品開発に充てます。
作業服の売上が伸び悩んでおり
「#ワークマン女子」に
開発要員が過度に集中し
結果的に本業が軽視されたと
分析しています。
「ワークマンカラーズ」の業態が
固まったのを機に人員配置を見直し
本業である作業服開発を
強化する狙いです。
これにより
主力事業の競争力を再強化し
安定した収益基盤の確立を目指します。
2025年3月に
「#ワークマン女子」から改称した
新業態「ワークマンカラーズ」の
首都圏旗艦店を横浜に開業しました。
店名改称により男性客を含めた
幅広い層の取り込みを図り
売上を改称前から25%増やす計画です。
男性向け商品の比率を
2割から5割弱まで高めました。
他業態との商品の重複をなくし
専売品比率を高めることで
「ワークマンカラーズ」への
来店動機を高めます。
美容家電を試験的に導入するなど
新たな商品展開も模索し
顧客ニーズへの対応を強化する狙いです。
2025年3月に
「#ワークマン女子」の業態を休止し
男性に軸足を置いた
「ワークマンカラーズ」に
一本化するとともに
EXILEのTAKAHIRO氏監修の
新カジュアル衣料ブランド
「ZERO-STAGE」を発表しました。
「#ワークマン女子」は
ローコスト・ブランディングで
ブームを築いたものの
商品開発費用を抑えた
省力型リブランディングモデルの
持続性に限界がありました。
今後は
小さな町の働く男性がターゲットの
「吉幾三」モデルへ回帰します。
原点である男性向け市場を優先し
経営資源を選択集中させる戦略です。
ユニクロと競合が少ない地方都市で
しまむらの弱みである
男性向け市場を攻略し
新たな成長を目指します。
2025年3月に
2025年4月から正社員約400人を対象に
平均6.3%の賃上げ実施を決定しました。
2023年と2024年に実施した賃上げより
1.2ポイント高い水準です。
堅調な業績を背景に
人材の定着や確保につなげます。
業界内で高水準の給与を維持することで
優秀な人材を確保し
競争力を強化する狙いです。
事業拡大を進める上で
従業員のモチベーション向上と
生活安定が不可欠であるとの考えです。
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まとめ:
<ワークマンのビジネスモデル>
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働き方も価値観も急激に変わる今
ミドルシニア世代にとって
過去の成功体験が通用しない現実に
直面している方も多いと思います。
消費行動の変化
部下や取引先との価値観のズレ
テクノロジーの進化への追随。
そんな中で必要とされるのは
「既存の枠を守る力」ではなく
見直す力や柔軟に変える力です。
ワークマンの事例は
その象徴とも言える存在です。
もともと作業着専門という
ニッチ市場に特化し
高収益モデルを築いた企業が
あえてその路線に固執せず
一般消費者向けの店舗業態へと
舵を切りました。
その際に行ったのは
商品そのものを大きく変えるのではなく
「見せ方」
「届け方」
「ターゲット層」
を変えるという判断でした。
しかし
この拡大路線にも限界が
見え始めたのが2024年以降です。
気候変動や消費者行動の多様化に直面し
「原点回帰」
「併設型店舗」
「男女不問ブランドへリブランディング」
などビジネスモデルを修正しています。
つまり単なる成長戦略ではなく
軌道修正と再定義が繰り返されています。
この動きから読み取るべきポイントは
変化に合わせるためには一度立ち止まり
撤退や縮小も選択肢に入れる勇気が
必要であるということです。
守るべき本質と柔軟に変えるべき手段
その見極めが問われている時代です。
<ワークマン>は
成長と停止を繰り返しながらも
顧客の変化に合わせて
ビジネスモデルを調整し続けています。
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*次回発行は6月2日月曜日の予定です。
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。
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岐阜県公認/コミュニティ診断士
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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
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〔投稿内容〕
文中の企業情報数及びデータなどは
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