【実践・経営戦略ノート】

第1話【実践・経営戦略ノート】
===============================
なぜ多くの中小企業が
戦略があるのに成果が出ないのか?
経営戦略と経営計画の致命的な問題
===============================
いつもお読みいただき有難うございます。
経営戦略コンサルタントの
渡邉ひとしです。
「うちにも一応戦略はあるんですが
なかなか現場が動いてくれなくて」
これは私が中小企業の経営者から
よく聞く悩みです。
実際
多くの会社で立派な経営計画書が
作られているにも関わらず
現場の社員は
その内容を理解していません。
結果として
計画は絵に描いた餅となり
「なぜ思うような成果が出ないのか」
と社長は頭を抱えてしまいます。
問題の根本は
経営戦略と経営計画の区別が
できていないことにあります。
この二つを混同したままでは
どれだけ時間をかけて計画を立てても
組織は一向に動きません。
今回は
なぜこの混同が起きるのか?
そしてどう解決すればよいのか?
具体的な事例とともに解説します。
*写真はイメージです
===============================
経営戦略の欠如が招く
忙しいだけで成果なしの悪循環
===============================
1)戦略不在の典型例:建設業の場合
年商15億円の建設業F社では
毎年売上20%アップを目標に掲げ
営業に新規開拓を指示していました。
しかし
3年間連続で目標未達成の有り様。
営業チームは毎日
飛び込み営業に追われているものの
受注単価は下がり続け利益率も
悪化の一途をたどっていました。
問題は明確でF社には
売上を上げるという目標はあっても
「なぜその目標を達成すべきなのか」
「どの市場で戦うのか」
「競合とどう差別化するのか」
という戦略が存在しなかったのです。
営業担当者は「とにかく数を当たれ」
という指示だけで動いており
戦略的な営業活動が
できていませんでした。
結果として
価格競争に巻き込まれ忙しいだけで
利益の出ない案件ばかりを
受注する状況に陥っていたのです。
これは戦略なき計画の
典型例と言えるでしょう。
2)多くの中小企業が陥る計画先行の罠
中小企業では
計画を立てること自体がよく見られます。
毎年期末になると各部署から
売上予算や行動計画を提出させ
それをまとめて経営計画書を作成する。
しかし
その計画の前提となる戦略が
明確でないため各部署の計画が
バラバラの方向を向いてしまいます。
===============================
戦略と計画を正しく連動させる
実践的アプローチ
===============================
1)戦略策定の第一歩:現状認識の徹底
多くの経営者は
自社の置かれている状況を
感覚的には理解していても
客観的なデータに基づいた
分析ができていません。
戦略策定の第一歩は
この現状認識を徹底することです。
具体的には以下の項目を
数値化して把握する必要があります。
・主力商品やサービスの
市場シェアと成長率
・顧客別、商品別の売上構成と利益率
・競合他社との価格、品質、
サービス面での比較
・自社の強みが本当に顧客に
評価されているかの検証
これらのデータを基に
「どの分野で勝負すべきか?」
「何を武器に戦うか?」
を明確にするのが戦略の出発点です。
2)戦略を計画に落とし込む具体的手順
戦略が固まったら
それを実行可能な計画に
変換する作業が必要です。
ここで重要なのは
・誰が
・いつまでに
・何を
・どのレベルまで達成するか
を明確に定義することです。
小売業G社の成功事例を紹介します。
G社は
「地域密着型の専門店として
大手チェーンとの差別化を図る」
という戦略を立てました。
この戦略を実現するために
具体的な計画を策定しました。
・商品戦略:
地元産品の取扱比率を
6か月以内に30%に引き上げる
・サービス戦略:
顧客データベースを構築し
個別対応サービスを3か月以内に開始
・人材戦略:
全スタッフが地域の特産品について
説明できるよう月1回の勉強会を実施
これらの計画の特徴は
各項目に担当者と期限が明記されており
進捗が測定可能な形になっています。
結果として
G社は計画通りに差別化を実現し
大手チェーン店の出店後も
売上を維持することができました。
3)よくある失敗パターンと
その対策
戦略と計画を連動させる際に
よく見られる失敗パターンは
抽象的な戦略を
同じく抽象的な計画で
実行しようとする試みです。
顧客満足度の向上という戦略に対して
サービス品質の改善に努める
という計画を立てても
実際の現場では
何をすればよいかわかりません。
この場合
「顧客アンケートの満足度を
4.0から4.5に上げる」
「クレーム対応時間を
平均2時間から1時間に短縮する」
といった測定可能な
目標に落とし込む必要があります。
また計画の実行段階では
定期的な進捗確認と
軌道修正が不可欠です。
月次での進捗レビューを行い
計画と実績に乖離が生じた場合は
その原因を分析して
具体的な対策を講じるのが肝要です。
===============================
今日のまとめ
===============================
経営戦略と経営計画の混同は
中小企業経営における
最も深刻な問題の一つです。
戦略は
なぜ?
何を目指すのか?
を明確にし
計画は
どうやって?
いつまでに実現するか?
を具体化するものです。
この区別を曖昧にしたままでは
どれだけ努力しても
成果にはつながりません。
重要なのは
戦略策定から計画実行まで
一貫した流れを作ることです。
現状分析に基づいて戦略を明確化し
それを測定可能な計画に落とし込み
定期的に進捗を確認する。
いわゆる
PDCAが欠かせません。
この循環を確実に回すことで
組織全体が同じ方向を向いて
動く体制を構築できます。
もし貴社で
戦略と計画の連動にお悩みでしたら
まずは
現状の戦略が本当に明確になっているか
を見直すことから始めてください。
そして
その戦略を誰にでも理解できる
具体的な行動計画に変換する作業に
取り組んでみてください。
「戦略はあるが成果が出ない」
「計画を立てても現場が動かない」
という課題を抱えている方は
ぜひ一度
貴社の戦略と計画の整合性を
見直してみてください。
客観的な視点からの分析と
改善提案をご希望の場合は
お気軽にご相談ください。
===============================
次回の予告
===============================
*次回の発行は
6月30日月曜日の予定です。
次回も
『経営戦略の課題や問題点』
についてご紹介します。
第2回
「なぜ今、長期経営計画が必要なのか?
不確実性時代を生き抜く羅針盤」
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。
http://mirai-design-company.co.jp/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*経営者の方は自社の全体像を
把握しているつもりでも
心理的バイアスや
無意識の防衛機制により
問題の本質や自分の意思決定の癖に
気づけない事が多々あります。
脳科学的にも
自己認知には限界があり
感情や習慣に支配された判断を
客観的に見直すことは困難です。
経営コンサルタントは
外部の視点から構造的に現状を分析し
経営者ご本人では
見落としがちな課題を可視化します。
だからこそ冷静で
第三者的な知見を持つ
コンサルタントの存在が
経営判断の質を高め
組織を持続的に成長させる上で
不可欠なのです。
===============================
ブログのご案内
===============================
*毎月第1月曜日に発行
経営者、ビジネスマン向け
『ビジネスモデルの企業事例』
*第2月曜日~最終週月曜日に発行
経営者、幹部社員向け
『実践・経営戦略ノート』
*毎週水曜日に発行
ミドルシニア世代向け
『ミドルシニア世代の智慧:
変革の羅針盤』
*毎週金曜日に発行
経営者、幹部社員向け
『シン組織変革の教科書』
引き続き
どうぞ宜しくお願いいたします。
===============================
お知らせ
===============================
1)zoomによるコンサルティング
リアルのコンサルティングだけではなく
オンラインによるコンサルティングを
スタートしています。
遠距離の方や
オンラインが都合の良い方など
お気軽にご連絡ください。
初回は、無料相談です。
Email:
ホームページからでも
お申し込みできます。
home page:
http://mirai-design-company.co.jp/
2)e-Learning(イーラーニング)
教育事業としてe-Learningを
ご提供しています。
*コンテンツ
・AI の基礎から実践(リスクと対策)
・デジタルマーケティング
・DX関連
・GA4
・マーケティング
・ビジネモデル
・WEB広告
お気軽にご連絡ください。
▼メールアドレス
渡邉ひとし
===============================
☆☆☆ メルマガのご登録☆☆☆
メルマガをご登録していただければ
「見逃し配信」無しで読むことができます。
下記をクリックして登録していただけます。
▼【メルマガ登録のお手続き】
https://resast.jp/subscribe/314624
このメールは
お取引をいただいている皆様
名刺交換をさせていただいた皆様
メルマガフォームにご登録いただいた方
セミナーに参加された方
に配信しています。
今後のご案内が不要な方は、
最下部に解除フォームがございます。
お手数ですが
購読解除をお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
#実践・経営戦略ノート
#経営計画
#経営戦略の未来
#マーケティング
#ビジネスモデル
#人材の育成
#組織の人間関係
#渡邉ひとし
#株式会社未来デザインカンパニー
===============================
---------------------------------------
編集・発行元
---------------------------------------
◆オフィス
株式会社未来デザインカンパニー
〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
組織変革コンサルタント
代表取締役 渡邉ひとし
*コンサルティング事業部
・リアル・コンサルティング
(会社訪問 or 弊社会議室)
・オンライン・コンサルティング
(zoom形式)
*オンライン学習事業部
・eラーニング事業
(いつでも、どこでも学べる)
・オンライン講座
(経営計画士®︎、事業計画士®︎)
▼会議室
株式会社未来デザインカンパニー(会議室)
〒503-0808 岐阜県大垣市三塚町624-2
Mobile:080-4806-1553
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
HP:http://mirai-design-company.co.jp/
紹介記事1:https://humanstory.jp/watanabe_hitoshi/
紹介記事2:https://syoukei-senmon.net/gifu/14457/
・経営計画士®︎、事業計画士®︎
・ビジネスモデルコンサルタント
・SDGsビジネスコンサルタント
・経営心理士
組織心理士/顧客心理士/
ビジネスコミュニケーション心理士
・上級スピーチアップグレーダー
・対人関係アップグレーダー
・ハイパフォーマンス・コーチ
一般社団法人 空き家再生機構 /理事
岐阜県公認 /コミュニティ診断士
===================
<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
―――――――――――――――――――
<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
―――――――――――――――――――
------------------------------------------
(C) Copyright 2025 mirai design company All rights reserved.
------------------------------------------