第194話のテーマは『総合商社と思えない戦略』です。
経営者の「あり方」が好き
私が尊敬する経営者のひとりに丹羽宇一郎氏がいます。
愛知県名古屋市の生まれで1998年に<伊藤忠商事>の9代目の代表取締役社長に就任。
その当時の<伊藤忠商事>は数百億円の赤字を出していました。
しかしどこかの大企業とは違い「粉飾決算」をすることなく2000年3月期の決算で3950億円の特別損失処理をして2001年3月期決算で705億円の黒字に回復させました。
このように書くと簡単なことのように思うかもしれませんがこの決断をするときには相当な覚悟をしたと思います。
しかも自分の社長報酬を「無報酬」にしていたことや社長職と会長職をそれぞれ6年間務めましたが黒塗りの高級車での送迎ではなく毎日、定期券を使って電車通勤をしていました。
取材で記者に質問されたときに「社長を辞めたときのショックがおおきいから……」なかなか言えないセリフです。
そして日本政府から中国の特命全権大使に任命されて就任しました。
<伊藤忠商事>のビジネスモデル
その<伊藤忠商事>の11代目の社長に就任したのは岡藤正広社長ですが今年で就任8年目になります。
岡島社長の評判はどうかというと今年6月の株主総会で株主からは「今後も社長を続けてほしい」という要望が相次いだそうです。
それというのも岡島社長の就任から現在までの<伊藤忠商事>の株価は同じ商社のなかでも抜きん出ていて約2.3倍にも上昇しています。
それを象徴するように2017年3月期の連結純利益が過去最高を更新しています。
では岡島社長がどのような経営をしてきたのかすこし見てみましょう。
ひとつは総合商社が強みとする「資源事業」からの脱却です。
資源とは……◉石油◉石炭◉天然ガス◉鉄鉱石などの金属などのことをいいますがこれらは世界の需給バランスなどで価格の変動がおおきいことと最近では収益性の低下が激しくなってきています。
<伊藤忠商事>は2012年12月にアメリカの<ドール>からアジアの青果物事業などを買収。
これらの「非資源事業」が高収益をあげています。
ふたつ目は<ユニーファミリーマートHD>との友好的な関係です。
コンビニなどの流通事業は商社的発想では取り組みが難しいとして岡藤社長は出資比率をおさえてこれを支援する立場を取っています。
みっつ目はフィンテック関連事業への進出です。
今年9月に<ユニーファミリーマートHD>と新会社の<UFI FUTECH>を設立しています。
スマホでの決済やポイントなどの金融サービスへの参入になります。
いづれにしてもおおきな収益を得る事業に依存する経営手法ではなく自社で価格などをコントロールできる分野に投資をしています。
それは利益水準が20億円以下の会社が7割を超えていることでもわかるように堅実な経営をして利益を上げる企業を地道に育てています。
⑴ 攻めの投資⑵ 不採算事業からの撤退⑶ ガバナンス強化という3つを織り交ぜたバランス型経営こそ<伊藤忠商事>岡藤社長の経営の真骨頂なのでしょう。
その意味においては……おおくの健全経営の中小企業を束ねるというビジネスモデルが現在の<伊藤忠商事>のビジネスモデルであるといえます。
岡藤社長に残されたおおきな課題は2015年1月に戦略的業務・資本提携をした<中国中信集団>グループとの提携した効果が出てきていないことです。
限りある社長在任期間のなかで成果を出す手腕が問われています。
(ブログ投稿:土日祝日を除く平日)
このことから何を学べるでしょうか?
業績をあげるためには……攻めと守りだけではなく引く(撤退)ことも重要になる。
◉Amebaブログ:◉Ameba0wnd:◉Facebook:◉Facebook頁:ミッション:会社の目的ビジョン :会社の目標バリュー :会社の行動指針
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル◉提供する価値◉コスト◉経営資源
現象をみるのではなく本質をみることでなすべきことが理解できる
今日という日は未来のスタート地点である*注1 仮想現実:(VR= virtual reality)感覚を刺激することで現実のように知覚させる技術。
*注2 ストックオプション:「株式購入権」あらかじめ決められた価格で


