第246話のテーマは『国内と海外の2つの収益構造』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
保険会社の広告に携わった記憶がない
思い起こしてみても生命保険会社や損害保険会社の広告に一度も携わったことが無かったようです。
現在は保険会社の監督官庁は金融庁のようですが数年前に国会で自民党の議員から保険会社の広告規制の必要性について質問が出てから金融庁が広告文章等の再点検を保険会社に指示したことでその対応で大手保険会社は他の仕事ができなかったというニュースを読んだことがあります。
広告企画・制作の現役時代に特別に保険会社の広告規制が厳しいという印象はありませんでした。
保険商品の適正表示ガイドラインは日本損害保険協会が定めているので保険会社としての自主規制でガードが効いていたのかもしれません。
元請けの大手広告代理店が保険会社を取り扱っていないということはとても考えにくいので保険会社の広告を扱う機会が我々に無かっただけだろうと思います。
<損保ジャパン日本興亜>のビジネスモデル
<損保ジャパン日本興亜>の正式名称は「損害保険ジャパン日本興亜」ですが2014年9月に<損害保険ジャパン>と<日本興亜損害保険>が合併しました。
それより先の2010年4月に共同持株会社である<NKSJホールディングス>を設立。
<損保ジャパン日本興亜ホールディングス>という社名に変更していましたが2016年10月に<SOMPOホールディングス>に正式名称を再度変更しています。
<損保ジャパン日本興亜>は天候不順のリスクを軽減するための天候デリバティブ(金融派生商品)に仮想通貨ビットコインの中核技術である「ブロックチェーン」を活用しています。
これは◉巨大なサーバーを使わないために大幅なコスト削減になること◉改ざんされない資金決済や契約のシステムを構築できることというメリットがあるからです。
2014年に英ロイズ市場に参加する中堅損保である<キャノピアス>を買収しました。
これは海外の先進的な保険商品や契約のノウハウを取り入れる狙いです。
2016年10月にはアメリカの企業保険大手である<エンデュランス・スペシャルティHD>を買収すると発表しています。
これは◉海外事業を加速させる◉サイバー攻撃という新種の保険などのスペシャルティ保険事業の獲得◉米国の優秀な経営陣を迎えることで事業の変革を目指すという3つの狙いがあります。
ではなぜ?
約7000億円という巨額を投じて今回の買収に至ったのかというと◉日本国内の人口減少化による事業の先細りが懸念されること◉マイナス金利政策など超低金利による運用収入の増加が見込めないことこれらの要因によって国内での将来の成長戦略が描けないため今回の買収によって収益構造の変革を目指しています。
2016年10月に自動車保険の新車割引を強化しました。
新車の場合は安全性能が高いため事故率も低くなるため割引を適用し最長3年の割引適用期間を5年に延ばして他社からの切り替えを狙います。
2017年1月末から長距離ドライバー向けにスマートフォンの安全運転支援アプリを配信しました。
<損保ジャパン日本興亜>の事故データで長距離運転による事故を防ぐためです。
同じく1月に岡山市と地方創生に関わる包括連携協定を締結しました。
◉女性活躍のための取り組み◉芸術を生かした街づくり◉ドローンを使った防災◉電気自動車を使った社会実験などの幅広い分野で協力していくことを目指しています。
同様に3月には岐阜県と女性の活躍支援策で協力する協定を結びました。
5月には石川県小松市と女性の活躍支援策で協力12月には京都府と地域活性化で包括連携協定を結び岩手県や千葉県とは防災力向上に関する協定を結びました。
2017年2月から倉庫物件用火災保険の保険料を他社に先駆けて引き下げました。
最近は大きな損害が少ないことから保険料を引き下げることを決めています。
同じく2月からAIで商品内容や事務処理の問い合わせを回答する実証実験を始めました。
この仕組みが実用化できれば人員や照会の手間を省くことができます。
さらに2月から産業用ロボットや介護ロボットなどの専用保険を製造企業に販売しています。
火災や水にぬれて壊れた場合などの修理費を補償する「動産総合保険」と他人にケガをさせたり個人情報を漏洩したりした場合の賠償費用を補償する「賠償責任保険」の2種類です。
2017年3月期の連結純利益は前期比4%増の1664億円で5期連続で過去最高を更新しました。
2017年9月には英国の<SOMPOキャノピアス>を売却すると発表しました。
2018年1月には米国の<レクソン・シュアティ・グループ>の子会社を買収すると発表しています。
<レクソンインシュアランスカンパニー>など複数の子会社を買収します。
これらの買収などを進めているのは……2017年に買収した米国の<エンデュランス>を<SOMPOインターナショナル>とし海外のM&Aを展開させています。
2018年中には<SOMPOインターナショナル>傘下に米欧の海外事業会社を再編する計画です。
他の子会社で海外の子会社と重複する事業分野の整理を進めています。
このように国内では「新たな商品」の開発を急ぎ自治体との連携協定を結ぶことで国内の収益構造を固めていて海外では積極的なM&Aを進めることで新たな収益構造を構築しています。
国内と海外の両面で成長戦略を描くビジネスモデルですがそれぞれの司令塔が違うため国内のビジネスモデルと海外のビジネスモデルが別々に構築されていくものと思われます。
(次回ブログ=23日金曜に投稿します)
このことから何を学べるでしょうか?
国内の需要低迷を懸念する企業は……国内での新商品開発による新たな需要の掘り起こしと海外での新市場の開拓による収益の確保という選択が有効的である。


