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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第247話 カシオ計算機のビジネスモデル

2018年3月23日 執筆:渡邉ひとし

第247話のテーマは『2本目の事業の柱を育てる』です。

(ブログ=月水金の平日投稿です)

「G-SHOCK」がお気に入りでした

<カシオ計算機>という社名が事業と一致しない気がしませんか?

むしろ「CASIO」という表現の方が会社のイメージと一致します。

仕事では「CASIO」のネームが入った電子式卓上計算機を使っていました。

携帯していたのはクレジットカードサイズの電卓「フィルムカード」でした。

自宅では「CASIO」のネームが入ったデジタル時計をベッドの横に置いています。

一時期は腕時計の「G-SHOCK」がお気に入りで色違いや用途別で複数所有していました。

とくに「レア物」と言われる「G-SHOCK」は何とか手に入れたいと思い名古屋の大須にあるアメ横を探し回ったこともあります。

とは言え「G-SHOCK」コレクターではないのであくまでも実用レベルの購入です。

<カシオ計算機>のビジネスモデル

1946年4月に創業者の樫尾忠雄氏が樫尾製作所を設立したのが創業でした。

1957年6月に樫尾4兄弟(忠雄・俊雄・和雄・幸雄)で小型純電気式計算機を開発。

父親の樫尾茂氏が初代社長に就任し<カシオ計算機>を設立。

1972年8月に世界初のパーソナル電卓である「カシオミニ」を発売。

1974年11月に世界初のフルオートカレンダー機能付きのデジタルウオッチ「カシオトロン」を発売。

1980年1月に電子楽器の「カシオトーン」を発売。

そして1983年4月に落としても壊れないという腕時計「G-SHOCK」を発売しました。

これ以降も……◉世界最小のポケット型液晶テレビ◉ゲーム機「PV-1000」「PV-2000」◉クレジットカードサイズの電卓◉ラベル印刷機「ネームランド」◉ハンドヘルドコンピュータ「カシオペア」◉Windowsパソコン「CASSIOPEIA FIVA」◉携帯電話「G’zOne」◉世界最薄のプロジェクター◉ハイスピード・カメラ◉シンセサイザー「XW-G1」「XW-P1」◉ハイブリッド電子ピアノ◉Android Wear端末のスマートウォッチ

など、立て続けに新商品を発売しています。

これは社是である「創造 貢献」を忠実に守りながら「世の中になかったものを創造することで社会に貢献する」を体現しているのだと思います。

2016年6月に発売した「G-SHOCK」の最上位シリーズの「MRG-G1000HT」は税込み70万円。

日本の伝統や甲冑をテーマにしている「MR-G」シリーズですが今回は「鎚起(ついき)」という金工技法で金属板を鎚で立体的に打ち延ばしています。

京都を拠点にする第一人者の職人が1本1本手作業で仕上げていて東南アジアの富裕層に好評のようです。

2017年8月にはさらに上位モデルの「MRG-G2000HT」を税込み価格の86万4千円で発売。

千円前後の比較的に安価な一般時計と「Gショック」や「オシアナス」などの高価格帯時計を販売していますが2008年3月期までは「チープカシオ」とも呼ばれる低価格の一般時計の売上比率が54%でしたが2016年前期には一般時計の売上比率が26%まで下がり10万円前後の高価格帯が伸びています。

<カシオ計算機>も高価格戦略に一段と磨きをかける方針でGショックの高級化を進めていく狙いです。

2016年11月に「スピーディア」というブランドの企業向けプリンター事業の撤退を発表。

業績不振のプリンター事業から撤退してプロジェクターなどに注力していきます。

同じく11月にほくろが良性か悪性かを判断しやすくする画像変換・分析技術を開発しました。

ほくろのパターンを画像解析することでがんになる可能性を予測します。

デジタルカメラ事業で培った技術を応用して医療事業の育成を目指しています。

2017年7月には山形県の工場に新棟を建てて高級腕時計の製造設備を集約して空いた建屋で中国など世界の工場の工程管理や設備設計を行う体制に移行しグローバル規模での生産体制を見直すことを公表しました。

この拠点では腕時計の高級ブランドの「オシアナス」主力ブランドの「G―SHOCK」やアウトドア向け「プロトレック」などの高価格帯品を生産してきましたが腕時計のほかに電子辞書、電卓、楽器などすべての製品の生産工程の管理や生産設備の設計の統括機能を持たせることが狙いです。

これは安い労働力を求めて生産移転したアジアの人件費の上昇が続いているため現在の海外生産体制のままでは品質を維持できないと判断したためです。

2017年8月には樹脂製のシート上に皮や布のような立体的な質感を印刷できる次世代型3Dプリンターを開発しました。

国内の自動車大手が3年後に売り出す新型車の内装の試作用に導入しましたが靴やカバンなどのファッションメーカーや壁紙などの建材大手へ販売を目指します。

2017年8月に不採算事業のデジタルカメラと楽器のほか採算性の低いプロジェクターなどを扱う3つの事業部門を統合しました。

この3つの部門の技術をかけ合わせた新たな分野の製品開発を目指します。

2017年8月末に「G―SHOCK」の世界出荷が1億個を超えましたが今年の2018年4月には発売35周年迎えます。

2017年3月期の連結売上高は主力の腕時計が1696億円で電卓など教育関連が844億円でした。

2018年3月期の純利益は前期比22%増の225億円で売上高は9%増の3500億円とする計画を立てています。

しかし主力製品「Gショック」などの時計以外で成長を支える事業が見当たりません。

収益の2本目にあたる事業の柱を育てあげることが喫緊の課題です。

2本目の事業の柱が育ったときにあらたなビジネスモデルが構築できます。

(次回ブログ=3月26日月曜投稿です)

このことから何を学べるでしょうか?

本業が好調な企業は……本業に続く2本目の事業の柱を生み出し、育てる必要がある。

現在のように先行き不透明な時代にこそ本業以外の成長性のある事業を育てておくことが不可欠である。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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