第250話のテーマは『弱みをカバーする収益モデル』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
ホスピタリティを学ぶ機会があった
ピーチとバニラが一緒になるというと何やら「パフェ」のようですが格安航空会社の<バニラ・エア>と<ピーチ・アビエーション>が2019年度に統合すると発表されました。
この2社の親会社は<ANAホールディングス>です。
前職で<全日本空輸>の系列ホテルを担当させていただいた時にはホスピタリティの本質など多くのことを学ばせていただきました。
百貨店などのスタッフの方も同様でしたがホテルのスタッフの方々は完璧に裏方役に徹していました。
その気配りたるや館内を歩いている時でも四方八方に目を配りながら何かに気が付けば速攻で対処をする姿は営業の仕事をしている身として見習うことばかりでした。
<全日本空輸>のビジネスモデル
1952年に<日本ヘリコプター輸送>と<極東航空>が運航禁止期間の解除により設立されました。
1957年12月に<日本ヘリコプター輸送>と<極東航空>が合併に先だち<全日本空輸>と社名を変更。
就航地の有力企業と市内業務と空港業務を委託する総代理店制度を採用しました。
なかでも名古屋にある<名古屋鉄道>は<全日本空輸>の筆頭株主でした。
そのため<名古屋鉄道>グループや名古屋の財界とは密接な関係のようです。
2016年4~9月期の連結決算は純利益が前年同期比6%増えました。
◉アメリカのヒューストン線◉オーストラリアのシドニー線◉中国の武漢線◉カンボジアのプノンペン線などの国際線ネットワークを積極的に拡大してきた効果が出ました。
<ANAホールディングス>の伊東信一郎会長は2016年の講演で「2020年までに国際線の売上高を約1.5倍に拡大したい」と述べています。
格安航空会社の2社に対しては……「東アジアなど近隣の路線を開拓して2020年までに売上規模を2倍以上にしたい」と述べています。
じつは1986年に参入した国際線は16年間も赤字を続けていました。
撤退が議論されたこともあったそうですが路線の維持拡大と採算の改善を地道に続けてきたことで成長を続けるアジアの需要を取り込み収益の拡大につなげることができました。
さらに羽田空港発着枠の増加でビジネス利用が伸びています。
単価が高くなりやすいビジネス客が増加しているのです。
2016年10月には新たにアメリカのニューヨークとシカゴに就航したことで業績の拡大が見込めます。
2017年3月から訪日外国人の医療渡航を支援する事業に参入してツアーを開始しました。
千葉県の亀田メディカルセンターと組んで人間ドックを組み込んだ中国人向けのツアーをつくりました。
医療滞在ビザは80%超を中国が10%弱をロシアが占めています。
2017年4月に格安航空会社の<ピーチ・アビエーション>を連結子会社にしました。
2020年の東京五輪の開催に向けて<全日本空輸>と連携することで相乗効果を発揮することを期待しています。
<ANAホールディングス>の片野坂社長は人事やサービスなどには介入しないと明言。
むしろピーチブランドの独自性を生かしながらの成長を期待しているようです。
2014年3月期に<ピーチ・アビエーション>は国内LCCで初めて黒字転換しました。
2016年3月期には営業利益が2倍になり業績は好調です。
2017年7月のイベントで<全日本空輸>の平子裕志社長は「外国人観光客の誘客や観光による地方創生に取り組んでいる方々はぜひANAに知らせてほしい」と企業や地方自治体へ協力を呼びかけました。
日本政府は訪日外国人旅客数を2020年に4000万人へ2030年に6000万人へと増やす目標を掲げています。
平子社長は日本の地方創生実現と観光先進国になるために必要となる五つのキーワードを掲げました。
◉観光需要・資源の平準化◉働き方改革◉観光人材の育成◉DMOの活性化◉政府・民間の連携DMOとはデスティネーション・マネージメント・オーガニゼーションの略で地域と協同して観光地域作りを行う法人のことを指します。
日本の地方創生の実現化により訪日外国人の訪問時期や観光する地域を多方面へ分散化することで固定した地域での訪日外国人よる観光の偏りを解消しようとする考えです。
2017年8月には東京都江東区に新しい国際物流拠点を完成させました。
都内2カ所に分かれていた集荷や仕分けの機能を集約して拡大する国際物流の需要に対応します。
2017年10月から<タイ国際航空>と全面的に共同運航をすることになりました。
同じく10月に<ベトナム航空>と共同運行の路線をさらに拡大させました。
同じく10月末には国際航空運送協会が策定した医薬品の国際輸送の認証を取得しました。
医薬品の国際輸送に関しては欧米を中心に法制化の動きが加速していてその動きに対応をすることで貨物事業の拡大を狙います。
このように次々と積極策に打って出ていますがひとたびテロ事件などが発生すれば需要低迷が続くビジネスモデルが現状です。
そういった場合でも安定した収益を得ることができる事業の柱を航空産業の関連事業として新たに育てることができるか?
航空産業の収益安定のビジネスモデルに業績が好調な今こそ手を打つタイミングであると思います。
(次回ブログ=4月2日月曜投稿です)
このことから何を学べるでしょうか?
業績が好調な企業は……需要が低迷した時に備えてその落ち込みをカバーできる新たな事業を育てることに着手しておく必要がある。


