第256話のテーマは『海外拠点のマネジメント』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
生命保険会社を辞める
何年前だったか?
社会と関わっていたい……。
そんな気持ちを持ちはじめて妻が生命保険会社で働き始めました。
数年前に「もう辞めたい」と漏らしたので「そうだね、いいんじゃない」と言うと「もう少し続けてみる」と言って翌週から会社へ出かけました。
そんな気分になることはきっと誰にでもあることかもしれませんね。
社会の変化に伴って保険業界にも変化の波が襲ってきましたが外資系の生命保険会社が圧倒的に多くなってきています。
さらにインターネットの普及により保険の加入に大きな変化が起きています。
インターネット専業の生命保険会社が2社出現していますが保険の加入希望者にとって保険加入の際の選択肢が広がっています。
<日本生命保険>のビジネスモデル
1889年7月に前身となる<有限責任日本生命保険会社>を近畿の財界人たちが大阪で設立しました。
第二次世界大戦中に戦時統合として1942年に<富士生命保険>を1945年に<愛国生命保険>を合併。
1947年に相互会社の<日本生命保険相互会社>として再度発足。
1975年に<琉球生命保険>を合併し1996年に<ニッセイ損害保険>を設立。
2001年に<同和生命保険>より全契約を引き取り2016年3月に<三井生命保険>を完全子会社化しました。
2016年9月には愛知県と健康福祉分野での包括的連携協定を結びました。
<日本生命>が愛知県の健康情報サイトを紹介したり愛知県後援のがん啓発イベントを開きます。
2016年10月には滋賀県と健康・福祉で包括連携協定を結び病気予防、高齢者や児童の見守りなどに連携して取り組んでいきます。
2016年12月よりAIを活用した保険商品の提案の実証実験を始めました。
年齢や性別、家族構成に応じて適切な商品を提案できるようにします。
2017年4月には全国で保険ショップを展開する「ほけんの110番」を買収しました。
20~330代の支持を集める保険ショップを傘下に収めることで販売チャネルの多角化を目指します。
2017年5月より中国で富裕層を主な対象とした医療保険を売り出しました。
加入者ががんになった場合日本で治療を受けられる保障がついて追加費用がなしという保険です。
中国人の死因の1位ががんでがんで亡くなる割合が高まっていてがん発見5年後の生存率が日本は70%ですが中国は30%と低くなっているため日本での治療を希望する人が増えています。
2017年9月に唾液でがんを早期発見する検査機器を手掛ける<サリバテック>と提携しました。
契約企業などに対して検査機器を使ったがん検査サービスの提供を始めます。
2017年4~9月期の連結決算は基礎利益が前期比1%増でした。
法人向けの保険販売が伸びたことと企業の業績が向上して配当金収入も増加しました。
2017年11月に三重県と県民の健康増進などの支援活動で包括連携協定を結びました。
健康増進や子育て支援などに関してビラの配布などの啓発活動をします。
2017年12月には米資産運用大手の<TCW>に出資すると発表しました。
国内での低金利による運用難が続くため海外での資産運用の高度化を目指します。
2018年3月に<マスミューチュアル生命保険>を買収すると発表しました。
銀行窓口などで扱う富裕層向けの商品が強い保険会社のため経営基盤をさらに強固にする狙いです。
同じく3月にはドイツ銀行系の資産運用会社の<DWS>に出資すると発表しました。
出資比率は10%未満と少額ですが資産運用のグローバル化を目指します。
同じく3月に<アマゾン・ドットコム>と組みAIスピーカーを活用して認知症予防プログラムの提供を開始します。
高齢者見守りや保険金の支払い手続きなどもAIスピーカーでできるように開発します。
2018年4月に新社長に就任した清水博氏は記者の取材に「市場として成長が見込めるアジアのほか進出していない米国や欧州でも可能性を検討していきたい」と答えています。
生命保険会社の本業利益は◉「利差益」想定した運用益と実際の運用益の差◉「費差益」想定費用と実際の費用の差◉「危険差益(死差益)」想定した保険金の支払額と実際との差という3種類になりますが人口減少や高齢化で伸び悩む国内市場でマイナス金利による運用難も重なり収益確保が難しくなってきています。
戦後から他社との提携に消極的でバブル崩壊後も大型投資に慎重でしたが2011年に社長に就任した筒井義信氏が攻めの姿勢を強く打ち出し企業の買収などに1兆5000億円を投資すると表明しました。
それが2015年度に子会社化した<三井生命保険>などの買収になります。
その方針を受けた新社長の清水博氏も積極的に海外の買収などを進める意向です。
今後は買収などを進めていく海外拠点の企業統治の課題が増大してくると思います。
国内と海外に広がる拠点網を誰とどのような体制でマネジメントしていくのか?
それによって描かれるビジネスモデルも大きく変わることになります。
(次回ブログ=4月16日月曜投稿です)
このことから何を学べるでしょうか?
海外拠点を広げる企業は……国内のマネジメントと海外拠点のマネジメントをどのように統治していくかが最大の課題になる。


