第275話のテーマは『不慣れな競争に打ち勝つ』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
歴史を辿ると財閥系の企業だった
その創業は明治にまでさかのぼりますが1897年に大阪市で設立されました。
<野村銀行(現:りそな銀行)>や<野村證券>などを創業した野村財閥の中核企業のひとつでした。
十大財閥の中でも野村財閥は「金融が中心」の財閥なので比較的に珍しい存在だったと言えます。
2005年の創業100周年には「Design Your Energy 夢ある明日を」という企業スローガンを制定していますが現在は2016年に制定した「暮らしに、あかりを、ぬくもりを。
大阪ガス」が企業スローガンになります。
2016年4月からの電力自由化に加え2017年4月からガスの自由化もすでにスタートしています。
電気事業者やガス事業者を消費者が自由に選べる時代になりましたがその供給会社にとっては厳しい選択をされる時代に入りました。
そのなかで生き残るためにどのように対応していくのでしょうか。
<大阪ガス>のビジネスモデル
2016年12月に太陽電池の効率を40%に上げる技術を<京都大学>と開発したと発表しました。
太陽熱や未利用熱の有効利用のために熱輻射を制御する技術に注目して2013年から<京都大学>と共同で研究を進めてきました。
太陽電池が効率よく発電できる波長の光にも変換できるため太陽光発電の発電効率が高まります。
2017年3月には2030年度までの「長期経営ビジョン」を発表しました。
火力発電所や再生可能エネルギーを使った発電所の増強などで発電能力を2016年度見込みの約3倍に増やすことを目指しています。
液化天然ガスを使った火力発電所などで2016年度の見込みで328万キロワットの電源調達容量ですが2030年度には火力発電所や再生可能エネルギーを使った発電所の増設や他社からの調達も含めて900万キロワットに増やす狙いです。
2017年3月にガス式と電気式のヒートポンプを組み合わせハイブリッド空調システムの機種を増やすと発表しました。
<パナソニック>や<東京ガス><東邦ガス>などと共同で開発して事務所や商業施設や工場などでの需要を見込んでいます。
2016年4月の時点で<関西電力>から乗り換えた顧客数はすでに32万件を突破して初年度目標の150%を超えました。
<大阪ガス>の本荘武宏社長は……「入念に準備して活動を重ねてきた結果年度末の実績を上げられた」と述べています。
電力小売りで照準を絞ったのは4人以上のファミリー世帯でした。
家庭向けの中で比較的使用量が多くて1件当たりの高い売上が期待で【大阪ガスのビジネスモデル!】
きるためです。
関西電力の料金よりも最大5%安くなる料金を武器に顧客を増やしてきました。
2017年6月から電気を契約する家庭向けの会員サイトの情報を充実させました。
電気メーターなどのデータを解析して家電ごとの電気使用量を推定して省エネをアドバイスする機能を付けました。
ガスと電気の使用量や料金を確認できるのが最大の売り物になります。
2017年7月に<奈良県生駒市>や<南都銀行>などと共同出資の地域新電力会社である<いこま市民パワー>を設立しました。
生駒市の小紫雅史市長は……「収益を市民サービスや町の活性化に活用するのが最大の特色」「市民の声を聞きながら事業展開する」と記者会見で話しています。
2017年8月から値下げする<関西電力>に対抗するため家庭向けの電力を2.6%引き下げました。
2017年9月には<東京電力 HD>と<JXTG HD>による都市ガス製造事業への参画を決めました。
設備の建設や運用を担う新会社を3社で設立する予定ですが<大阪ガス>はガス製造の技術面で支援し2020年の稼働を目指しています。
2017年10月に<伊藤忠エネクス>と関東、中部、関西のLPガスの卸・小売事業の統合を発表。
折半出資会社を新設して両社グループの販売会社6社を傘下に収めます。
LPガスの市場が縮小しているため配送網の集約などでコスト競争力を高めます。
同じく10月から日本と異なる思考や商習慣などを学ぶ「異文化対応力研修」を導入しました。
海外事業を強化する目的で海外事業に携わる国内外の社員が定期的に集まって議論を交わして相互理解を深めていきます。
2030年度までの長期経営計画では経常利益に占める海外比率を現状の5%から33%まで高めると掲げています。
海外拠点の自律的なリスク管理と日本本社による統制を強める狙いです。
2018年3月に契約件数の増加を見込んで連結純利益が前年度比9%増になる2019年3月期のグループ経営計画を発表しました。
2018年4月には<中部電力>と首都圏で電力とガスの小売り販売を手掛ける折半出資会社である<CDエナジーダイレクト>を設立しました。
同じく4月にアメリカで天然ガス火力発電を手掛ける<ミシガンパワー発電所>を買収しました。
同じく4月にアメリカのスタートアップ企業投資ファンドの<ウィルファンド2L.P.>への出資を発表。
日米でのエネルギー事業などでスタートアップ企業への投資を進めます。
2018年5月には<双日><九州電力><中国電力>との4社でアメリカの天然ガス火力発電の<クリーンエナジー発電所>へ出資しました。
同じく5月には台湾の液化天然ガス受け入れ基地の建設でコンサルティング業務を受注しました。
気化設備の基本設計や仕様などのプロジェクト全般に助言していきます。
<大阪ガス>は従来の域内だけではなく首都圏などの国内の域外への進出や東南アジアやアメリカを中心とする海外への進出にも取り組み始めています。
電力とガスの自由化に伴い国内での激しい競争に打ち勝ち不慣れな海外進出で成功するための新たなビジネスモデルが求められています。
(次回ブログ=6月4日月曜投稿です)


