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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第280話 三菱マテリアルのビジネスモデル

2018年6月18日 執筆:渡邉ひとし

第280話のテーマは『コンプライアンスの欠如』です。

その祖業は明治4年と古く

その祖業にまでさかのぼると……明治4年の1871年に<九十九商会>が鉱業事業を始めたときになります。

1893年12月に<三菱合資会社>が設立されました。

1918年4月に<三菱合資会社>から独立して<三菱鉱業>が設立されました。

1973年4月に<三菱セメント>と<豊国セメント>の2社と合併して<三菱鉱業セメント>に社名変更しました。

その一方で<三菱金属>は……1950年4月に<三菱鉱業>の金属部門が分離され<太平鉱業>が設立され1952年12月に<三菱金属鉱業>に社名を変更しました。

1973年12月には<三菱金属>に社名を変更しています。

そして1990年12月に<三菱金属>と<三菱鉱業セメント>の2社が合併して<三菱マテリアル>が発足しました。

<三菱マテリアル>のビジネスモデル

<三菱マテリアル>はさいたまオフィス内に安全衛生教育の拠点である「安全衛生教育センター緑館」を竣工させました。

新拠点には専任講師3人を配置して45種類の危険体感設備と安全衛生教育専用の講習室を設置して各種リスク低減装置や最新の保護具などを展示しています。

◉「挟まれ・巻き込まれ危険」◉「爆発・ガス危険」◉「ロボット危険」◉「電気危険」◉「薬液・高圧水危険」◉「高所作業危険」などの作業現場での実態を踏まえた体感設備の内容になっています。

安全と健康への意識知識やスキルの向上を目指しています。

2017年5月に発表した「2017年3月期」の連結決算は純利益が前期比54%減でした。

銅の価格の下落や円高による影響で収益を圧迫しました。

2017年9月に自動車向けアルミ板材の米国での生産を始める意向を発表しました。

自動車向け熱交換器板材で世界首位であるスウェーデンの非鉄金属製品メーカーの<グレンゲス>との提携を検討。

アメリカでは電気自動車などの販売を一定の比率で義務付けるなどの環境規制が強化されています。

そのため鋼材を使っていた自動車の軽いアルミの採用が増えているためアルミ圧延大手の各メーカーがアメリカでの設備投資を相次いで表明している背景があります。

<三菱マテリアル>は120億円を投じて「都市鉱山」と呼ばれる家電やスマートフォンなどの電子機器の廃基板から金属を回収して再利用する事業を拡大していきます。

処理能力を現在の40%増にして世界最大規模にまで増強します。

そのためには世界中から廃基板を集める必要があるため金属スクラップの買い取り価格に対する評価の信頼性が最も重要になります。

<三菱マテリアル>は独自に開発した金属スクラップの評価方法によって廃基板の回収量を高めていましたが日本の「サンプリング施設」だけでは欧州からの輸送に時間がかかるためオランダでの「サンプリング施設」を本格稼働させることを決めました。

日本の「サンプリング施設」である直島製錬所は100周年を記念して2017年11月に高松市内で式典を開き竹内章社長はその式典で「循環型社会にさらに貢献したい」と述べています。

同じく2017年11月に子会社の<三菱電線工業><三菱伸銅><三菱アルミニウム>の3社で品質の不正があったと発表しました。

<三菱電線工業>が出荷した不正な製品はゴムを素材とした油や水などの漏れ止めのシール材でした。

<三菱伸銅>が出荷した不正な製品は自動車部品などに使われる銅製品でした。

<三菱アルミニウム>については不適切な製品の出荷がありましたが「既に顧客と安全性の確認は終了している」と説明しています。

2017年12月に品質データ改ざんがあった<三菱伸銅>と<三菱電線工業>について社外取締役らで構成する特別調査委員会の中間報告を公表しました。

<三菱伸銅>の不正については「後発参入企業としてシェア拡大を優先した可能性がある」と指摘しています。

<三菱電線工業>は検査データを改ざんし1990年代には検査の一部未実施などの不正があったと指摘しました。

2018年2月には<三菱アルミニウム><立花金属工業><ダイヤメット>の子会社3社で品質データを改ざんした問題で新たな不正が発覚しました。

そのため<三菱マテリアル>の矢尾宏会長が4日1日付で取締役相談役になり6月末の株主総会後に退任しました。

<三菱アルミニウム>の社長経験もあり事実上の引責辞任とみられています。

<三菱アルミニウム>は7つの事業部門と約200のグループ会社を持っています。

事業領域の広さをカバーする監視体制が築けなかったのが品質不正の要因の一つとされ再発防止策として4月から「ガバナンス統括本部」をつくり管理を徹底すると表明しました。

2018年6月に<三菱アルミニウム>が日本工業規格に適合しないコンクリート原料を出荷していたと発表しました。

品質データ改ざん問題を受けて本体とグループ会社の臨時監査を2月から実施して5月に終了していましたが日本工業規格の認証を手がける<日本品質保証機構>などの調査の結果新たな問題が見つかりました。

これを受けて竹内章社長が代表権のない会長に退くことを発表しました。

その後任の社長は経営企画や法務部門を担当する小野直樹副社長ですが人事や法務部門の管理畑が長かった竹内章社長が現場を知らなかったため後任の小野直樹氏にも同様の心配をする声も上がっているようです。

これから子会社も含めた<三菱マテリアル>グループ全体のガバナンス強化ができるか否かでビジネスモデルの見直しが喫緊の課題になる可能性が高くなります。

(次回ブログ=6月22日金曜投稿です)

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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