第284話のテーマは『ビジネスモデルの転換の時期』です。
多くの会社や組織の起ち上げに加わる
サラリーマン時代を終えて起業してから多くの会社や組織の起ち上げに参加する機会がありました。
その会社の形態も……◉LLP(有限責任事業組合) ◉LLC(合同会社)◉NPO法人◉一般社団法人◉株式会社などと多岐にわたっています。
会社起ち上げと同時に資金が必要になってきますがよく話題に出たのが日本の政策金融機関である<日本政策金融公庫>と<商工組合中央金庫(商工中金)>の2つ金融機関でした。
幸か不幸か一度も利用することもなく現在に至っていますが「書類審査が厳しい」とか「比較的に甘いよ」とか人の噂だけは耳に入ってきました。
<商工中金>のビジネスモデル
1936年12月に「商工組合中央金庫法」に基づき<商工組合中央金庫>が営業開始しました。
2007年6月に「株式会社商工組合中央金庫法」が成立して2008年10月 に<株式会社商工組合中央金庫>へ改組しています。
2017年1月に鹿児島支店の職員が取引先の財務諸表を改ざんして不正に融資をしていた問題で名古屋支店などでも同様の不正が発覚したと発表しました。
2017年4月には不正に融資をしていた問題をめぐり第三者委員会が調査結果を発表しました。
災害などで一時的に業績が悪化した企業に融資する「危機対応業務」で融資要件に合うように取引先の財務諸表の売上高や純利益を書き換えて減ったように見せかけるなどの不正です。
「経営陣による直接的な隠蔽の指示はなかった」としています。
2017年5月に経済産業省と財務省は<商工中金>に業務改善命令を発動しました。
組織的にノルマが課された結果として本来必要のない企業に融資を実行した可能性が高いとされています。
それ以前の2014年12月に営業担当者が110の口座で取引先の売上高や純利益の数字などを改ざんした疑いが発覚しました。
当時の杉山秀二社長が徹底調査を指示したにも関わらず職員はその指示に従わずに内部調査に対して不適切な対応をして最終的に「不正行為は認められない」と結論づけていました。
2017年6月に新たな社外取締役に法令順守に詳しい麗沢大教授の高巌氏と監査役に元東京高裁長官の吉戒修一をそれぞれ起用する人事を発表しました。
2017年10月には全国信用組合中央協会の渡辺武会長が今回の不正発覚問題について「民業補完に徹して民間金融機関の手の届かないところへ融資すべきだ」と全国信用組合大会で述べています。
2017年12月に財務省は2018年度予算案で<商工中金>向けの予算措置を見送りました。
2018年1月には経済産業省の有識者検討会が提言をまとめましたが今後4年で完全民営化を判断することにしました。
さらに従来の融資から転換して比較的リスクが高くても将来性のある事業に取り組む企業を支援するように求めるとともに中小企業の再生や事業承継などに注力すべきだとしています。
しかし経済同友会の小林喜光代表幹事は完全民営化の是非を4年後に判断する方針を示したことに関して「もっと早く結論を出せるだろう」と記者会見で述べています。
2018年3月に会計検査院が政府系金融機関による「民業圧迫」の調査に乗り出しました。
全国500以上の銀行などの民間金融機関から情報を集めて実態を解明します。
政府系の貸出金利を抑える利子補給には年400億円以上の財政資金が投入されていますがこのような資金の投入状態が適正なのかどうかを判断する狙いです。
その対象となる政府系金融機関は◉日本政策金融公庫(日本公庫)◉商工中金◉日本政策投資銀行(政投銀)◉国際協力銀行などの6機関になります。
今回の焦点の一つが「利子補給」制度になりますが一定の条件を満たした場合に企業が払う金利の一部を国が補助するという仕組みになります。
借り手の企業の負担は民間金融機関と取引するよりも小さくなることが多いとされていて「民業圧迫」の批判が出ています。
2018年3月27日に<商工中金>の新たなトップに関根正裕社長が就任しました。
第一勧業銀行の出身で<プリンスホテル>の再建の手腕を買われて<商工中金>の再生を任されました。
新たに就任した関根社長は<商工中金>の社内風土について「同質性や上意下達の文化が色濃く出ている」「外から人材を入れるなど他機関との提携・協業を進める中で時代に合った体質に変えたい」と述べています。
2018年5月に社外出身者が取締役会の過半を占める体制に変えると取材に答えています。
業務の執行と監督を明確に分けることや官庁からの天下りを受け入れない意向も明らかにしました。
同じく5月には業務改善計画を経済産業省に提出しました。
◉3割以上の店舗を対象に 統廃合や機能の見直しを検討する◉民間金融機関との金利競争を脱し貸出先の経営改善や事業承継などへの取り組みに力を入れる◉取締役会は過半を社外取締役として業務の執行と監督の分離を徹底する<商工中金>は関根正裕社長を迎えて新たな船出に出ることになりましたが長年で培った従来のビジネスモデルをどれだけ早い時期に脱却して
新たなビジネスモデルを構築できるかが<商工中金>の喫緊の課題になります。
(次回ブログ=7月6日金曜日投稿です)『ビジネスモデル虎の巻』は8月出版!
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経営者の方が自社のビジネスモデルをチェックできる本になっています。
(出版ブログ=火曜・木曜の投稿です)
このことから何を学べるでしょうか?
半官半民の企業は……省庁からの支援を受ける限り民間企業を圧迫するような業務の遂行は避けるべきであり本来の目的に合致した業務を担うことがその存在理由になるのである。


