第292話のテーマは『新たなビジネスモデルの構築』です。
リニア開業で名古屋駅周辺が大規模開発
2027年に名古屋―品川間を40分で結ぶリニア中央新幹線が開業する予定です。
そのリニア中央新幹線の開業に合わせてJR名古屋駅の横並びで長さ400メートル・30階建て程度の巨大なビルの建設計画が進んでいます。
現在は<名古屋鉄道><近鉄グループHD>などの百貨店や駅など6棟のビルが並んでいますが<名古屋鉄道><近鉄グループHD><三井不動産><日本生命保険>の4社で名鉄駅、近鉄駅、ホテル、商業施設やオフィス、マンションなどが入居予定の巨大ビルを建設するという計画です。
名古屋市も名古屋駅の東西に鉄道の乗り換え空間になる「ターミナルスクエア」を5カ所設置する計画をしています。
そんな計画の中で<近鉄グループHD>は「都ホテル」ブランドなどのホテルを巨大ビルで復活させる検討をしています。
<近鉄グループHD>のビジネスモデル
1910年9月に大阪と奈良を結ぶ路線を敷設するため<奈良軌道>として設立されました。
1910年10月に<大阪電気軌道>へ社名を変更しました。
1927年9月に<参宮急行電鉄>を設立しました。
1941年3月に<大阪電気軌道>が<参宮急行電鉄>を合併して<関西急行鉄道>になりました。
1944年6月に<関西急行鉄道>と<南海鉄道>を合併し<近畿日本鉄道>を設立しました。
2015年4月に<近鉄グループHD>を持株会社として事業別に分割しました。
◉鉄道事業 :<近畿日本鉄道>◉不動産事業:<近鉄不動産>◉ホテル・旅館事業:<近鉄ホテルシステムズ>◉流通事業: <近鉄リテールサービス>2017年3月に百貨店などグループ8社・約310店舗のパート・アルバイトなどの求人情報と応募登録ができる「近鉄おしごとステーション」を始めました。
求人情報をまとめることでグループ各社の業務を効率化するだけでなく人手不足に対応する狙いがあります。
2017年4月に世界遺産「古都奈良の文化財」の平城宮跡を東西に横断する奈良線の移設を検討する「まちづくりに関する連携協定」を奈良県と奈良市と結びました。
奈良県は移設先として朱雀門の南を東西に走る大宮通りを想定しています。
2017年5月に<三菱総合研究所>と組んで仮想通貨を使った実証実験を「あべのハルカス近鉄本店」で開始すると発表しました。
スマートフォンのアプリを活用して店舗のタブレット端末に送金するだけで買い物の決済ができます。
仮想通貨「近鉄ハルカスコイン」は200店ほどの店舗や展望台で使えます。
2017年7月に従来より宿泊料金が高めのホテルを展開して訪日客を取り込む見込みと報道されました。
1泊1万~2万円台の宿泊に特化したホテルを2020年までに東京都内と大阪市に開業します。
結婚式場や宴会場などの設備を持たず宿泊に特化した中級のホテルになります。
ウェスティン都ホテル京都の場合は客室数を約500室から300室程度にまで減らします。
2部屋を1部屋に改装するなど富裕層の家族連れの利用を見込んでいます。
本館・南館・東館の3棟のうち南館を撤去して庭園をつくり温泉設備を導入して2~3日間滞在できる施設にします。
京都では「ザ・リッツ・カールトン」などの外資系高級ホテルが相次ぎ進出しているため改装することで競争力を高める狙いです。
2017年10月に<近畿日本鉄道>の特急列車が登場から70周年を迎えて記念式典を開きました。
1947年に私鉄で戦後初めて運賃のほかに特急料金が必要な列車として大阪と名古屋の間で運行を開始しました。
2017年10月から人工知能で顧客と応対する「チャットボット」を使ってワインや日本酒を紹介することで商品を<近鉄百貨店>の通販サイトで販売します。
2017年12月にレンタカー事業で<オリックス自動車>と提携しました。
レンタカーを活用した旅行客向けのサービスなどを検討します。
2018年1月に大阪難波–近鉄名古屋間の特急路線に新車両を導入すると発表しました。
全座席に後部座席にはみ出さず気兼ねなくリクライニングできる「バックシェル」を取り付けます。
先頭と最後尾の車両は「ハイグレード車両」として全席を3列シートにして座席には本革を使います。
2020年春に導入しますがビジネス客や訪日外国人の利用を見込んでいます。
2018年7月に近鉄奈良駅周辺で人工知能で応対する「チャットボット」を使った観光案内の実証実験を始めました。
<NTTグループ>の画像認識技術などを活用して訪日観光客の利用を見込み観光地への道順などを案内します。
鉄道や駅の省人化のサービス開発に力を入れていてこれからの実用化を目指しています。
<近畿鉄道>は鉄道沿線の高齢化や人口減少などが進んでいるなかで営業利益の伸び悩みや人手不足に直面しています。
沿線距離が全国の私鉄のなかでも最長で沿線の高齢化や人口減少に対する危機感を強く持ち赤字路線の整理を進めていますが流通事業なども同様の悩みを抱えていてグループ全体の改革を進めています。
新たなビジネスモデルの構築が複数の事業に求められています。
(*8月第2週は海外出張のため次回投稿=8月13日月曜です)『ビジネスモデル虎の巻』を出版します!
経営者の方が自社のビジネスモデルをチェックできる本になっています。
(出版ブログ=火曜・木曜の投稿です)
このことから何を学べるでしょうか?
社歴が長い企業は……創業当時からのビジネスモデルを維持しながら成長してきたが社会の大きな変化に伴い将来を予測した新たなビジネスモデルを構築する必要がある。


