第309話のテーマは『従来の顧客に新たな価値を提供』です。
こけしの頒布が始まりだった
2013年12月に<ソニーイーエムシーエス>が所有する岐阜県美濃加茂市にある「美濃加茂サイト」の跡地を取得して<千趣会>の子会社である<ベルメゾンロジスコ>の物流センターとして稼動させています。
<千趣会>の社名は「こけし千体趣味蒐集の会」の略称に由来するそうです。
1953年 10月にこけし人形頒布の「味楽会」を高井恒昌氏が大阪で創業しました。
1955年11月に「味楽会」を法人化して株式会社<千趣会>を設立しました。
1975年12月に<協和海運>が<千趣興産>を吸収合併して新たに<千趣興産>に商号を変更しました。
1977年9月に<千趣興産>が<千趣会>を吸収合併して新たに<千趣会>に商号を変更しました。
2008年1月に東京支社を東京本社にして<千趣会>は2本社制に移行しました。
2015年5月に<J.フロント リテイリング>と資本・業務提携をしました。
千趣会のビジネスモデル
カタログ通販大手である<千趣会>は通販サイト「ベルメゾンネット」でクリーニングと保管がセットになったサービスを手掛けています。
自宅に届いたバッグにコートなどを入れて宅配業者に集荷してもらい保管します。
ファミリー層の需要が増えていて2016年までの4年間でサービスの利用金額は5倍に拡大しました。
2017年7月に「2017年12月期」は最終赤字になる見通しと発表しました。
主力である通信販売事業の業績が計画を大幅に下回るほか通信販売事業用の土地や建物などで44億円の特別損失を計上します。
同じく2017年7月に発表した「2017年1~6月期」の連結決算は最終損益が62億円の赤字でした。
通販事業の落ち込みが要因ですが新たに縮刷版のカタログを作り販売促進を進めると発表しました。
縮刷版カタログの発行頻度を高めて商品在庫の増加を抑える狙いです。
さらに<住商グローバル・ロジスティクス>に<千趣会>の全額出資の物流子会社である<ベルメゾンロジスコ>の株式51%を売却する契約を締結したと発表しました。
<住商グローバル・ロジスティクス>の物流専門のノウハウを取り入れることで物流コストの削減を目指します。
2017年8月にインターネットを使った株式などの投資教育事業に参入しました。
投資経験のない女性を主な顧客として有料サービスを始めました。
2017年11月から<千趣会>の通販「ベルメゾン」は配送料を引き上げました。
<ヤマト運輸>の配送料の値上げが大きく影響しています。
同じく2017年11月に50人の希望退職者を募集すると発表しました。
45歳以上の社員が対象で全社員の3%に相当します。
主力である通信販売事業が大手インターネット小売りとの競合で苦戦していることが理由です。
2017年11月に星野裕幸社長が発表した「新中期経営計画」では衣料品通販を縮小してインテリア用品や料理教室などの「専門店の集合」に活路を見いだす新たな戦略を提示しました。
11月1日には初のインテリアショップになる「ベルメゾン・ライフスタイリング堀江」を大阪市西区に開業しました。
リアル店舗も活用しながら新しい収益の柱に育てる考えです。
さらに順調な事業として生花通販サイトである「イイハナ・ドットコム」や新たに始めた料理教室事業や認可保育所の運営などの採算性の高い事業を積み上げる計画です。
2017年12月には45歳以上の社員が対象の希望退職に134人が応募したと発表しました。
当初は50人の募集人員でしたが約2.7倍にまで達しました。
2018年1月にベンチャー企業と提携して妊娠期から産後までの「プレママ」に向けたカタログを創刊しました。
カタログに掲載する商品数を従来より70%減らしてページ数も従来の半分にして気軽に手に取れるようにしました。
今後出産を迎える女性が読みたくなるような記事を充実させて20~30代の女性客を取り込む狙いです。
2018年2月に家電量販店の<エディオン>と提携してインテリア商品の販売を始めました。
広島市の「エディオン蔦屋家電」の店舗で4月まで試験的に取り扱います。
同じく2018年2月に発表した「2017年12月期」の連結決算は最終損益が110億円の赤字でした。
主力の事業である通販が不振で土地などの減損損失や希望退職者の退職金費用がかさみました。
2018年10月に子会社で通信販売を手がける<ベルネージュダイレクト>を<雪印メグミルク>が買収すると発表しました。
<雪印メグミルク>は機能性飲料の販路として通販事業を強化する狙いです。
<日本通信販売協会>の調査では通信販売市場の規模は2016年度には6兆9400億円と5年前に比べ約40%増えました。
しかしカタログ通販に強かった<千趣会>や<ディノス・セシール>はスマートフォンでのネット通販に慣れた若者世代には受け入れられず<ZOZO>などの電子商取引の大手に顧客を奪われて苦境が続いています。
<千趣会>の強みは「ベルメゾン」というブランドの価値と約340万人規模の会員数です。
この顧客に提供する「コト消費」のビジネスモデルを構築し具体的なサービスを展開することが最優先の課題になっています。


