第314話のテーマは『若年層の好みやライフスタイル』です。
マラソンシューズに定評がある
1949年に鬼塚喜八郎氏がバスケットシューズの製造販売のため鬼塚商会を興しました。
1949年9月に法人組織として<鬼塚>を設立しました。
1959年に靴底に小さな穴を開けて空気と熱を外に逃がすマラソンシューズを開発してマジックランナーとして発売しました。
1964年の東京オリンピックで<オニツカ>の靴を履いた選手が体操やマラソンなどの競技で金メダル20個、銀メダル16個銅メダル10個を獲得しました。
1977年にスポーツウェア・用具メーカーである<ジィティオ>とニットウェアメーカーである<ジェレンク>と合併して<アシックス>に社名を変更しました。
2002年に「オニツカタイガー」のブランドをレトロブームやファンの要望もあり復刻しました。
2010年にスウェーデンのアウトドア用品メーカーである<ホグロフス>を買収して子会社化しました。
2017年から3年間<国際陸上競技連盟>のオフィシャルパートナーになりました。
アシックスのビジネスモデル
2017年5月に発表した「2017年1〜3月期」の連結決算は純利益が前期比微増の93億円でした。
原料の調達価格が膨らみましたが為替差益の計上で補うことができました。
国内はスポーツウエアが苦戦して欧州ではランニングシューズの販売が振るわなかったため売上高は4%減でした。
同じく2017年5月に東京都墨田区が隅田川沿いに誘致したカフェとスポーツの複合拠点である「アシックスコネクショントウキョウ」が開業しました。
川沿いをジョギングする人たちが立ち寄れるシャワー施設やフィットネススタジオのほかカフェを併設しています。
2020年の東京五輪などを見据え水辺のにぎわいの場にする考えです。
<アシックスジャパン>が運営してヨガなどの屋内での運動プログラムのほかランニング講座なども開催しています。
<アシックスジャパン>の西前学社長は「幅広い方々にスポーツとの接点を提供したい」と開業式典で述べています。
子会社の<山陰アシックス工業>が5月に新工場を稼働しました。
神戸本社の研究開発部門と連携して「オニツカタイガー」ブランドなどの付加価値の高い製品の開発なども担います。
<アシックス>の尾山基社長は「一般公開ではないが県などから見学などの依頼があれば受け入れたい」と述べています。
2017年7月に<丸紅>が神戸市で開発していた「神戸物流センター」の竣工を発表しました。
<アシックス>がアパレル製品を保管する基幹拠点に使います。
<アシックス>の尾山基・会長兼社長は「全国にスポーツウエアを運ぶ基幹拠点となる」「複数箇所に分散している倉庫を新拠点に集約して効率化したい」と記者団に語っています。
コンピューターによる音声を使った仕分けシステムが目玉となる施設です。
2017年8月に発表した「2017年1~6月期」の連結決算は純利益が前期比1%減でした。
中国での靴の販売は伸びましたが国内や欧州での販売で苦戦しています。
2017年9月に子会社の<アシックスアパレル工業>が福井県の新工場が完成したと発表しました。
多品種、小ロット、短納期生産に対応してトップアスリート向けスポーツウエアや学校用の衣料を生産します。
神戸市は神戸の観光産業を推進する観光地経営組織として一般財団法人「神戸観光局」を立ち上げます。
会長には<アシックス>会長兼社長の尾山基氏が就任しました。
行政が中心だった宿泊や観光施策に民間ノウハウを採り入れてコンテンツ開発に取り組みます。
2017年10月に東京・原宿でフィットネスなどができる国内最大の旗艦店をオープンしました。
「アシックス」「アシックスタイガー」アウトドア用品の「ホグロフス」の3つのブランドを初めて同時に扱います。
女性向けに効果的な運動法を提案する「フィットネスラボ」のサービスのほか専門スタッフが歩き方や筋肉量などを最新機器で測り効果的なトレーニング方法をアドバイスするサービスも試験導入します。
2018年3月に元三菱商事代表取締役常務執行役員の広田康人氏が社長最高執行責任者に就任しました。
尾山基会長兼社長最高経営責任者は会長CEOになります。
COOになる広田康人氏は「スポーツメーカーはグローバルでの競争がさらに激しくなっている」「モノの購買の流れも変わっており全世界を見渡してビジネスをする必要がある」と取材に答えています。
2018年5月に陸上短距離用シューズの新型スパイクを開発したと発表しました。
靴底を面で支えるハニカム加工にして地面に食い込むピンを使わないのが特徴です。
シューズを軽くすることができて走行性のアップにつながると期待しています。
2018年7月に日本で手掛ける商品の企画や開発機能の一部を中国本土に移すことを表明しました。
中国をはじめアジア事業を拡大していて流行や顧客のニーズをすばやく取り込んで迅速な商品開発につなげる狙いです。
2018年10月に2019年春に鳥取県の工場の一部でロボットを導入することを明らかにしました。
手作業に頼っていた工程の人員を半分にして将来は欧米での導入を目指します。
工場の自動化により消費地で生産する体制に回帰して流行に合わせて商品の提供スピードを高める動きが国内外のスポーツ用品メーカーで広がっています。
アジアで生産して日本や欧米で販売するビジネスモデルで成長してきましたが人件費が大幅に上昇していてコスト削減を図り商品の企画から生産・販売までの期間短縮で流行に素早く対応する体制づくりを急ぐ考えです。
2018年11月に発表した「2018年12月期」の連結経常利益が前期比54%減になりそうと発表しました。
アメリカなどでのランニングシューズの販売不振が主な要因です。
今期中に在庫処分や不採算店の減損などに踏み切る方向で検討していますが従来のビジネスモデルを転換する時期にきているため<アシックス>は抜本的な構造改革が求められています。


