第332話のテーマは『従来の価値観と発想からの脱却』です。
(ブログは月・水・金曜の投稿です)
ヒット商品を生み出して事業を拡大
1912年10月に石井絹治郎氏が<大正製薬所>を個人企業として設立しました。
1928年に<大正製薬所>を株式会社に改組しました。
1948年5月に<大正製薬>に商号を変更しました。
1955年7月に風邪薬「パブロン」を発売しました。
1962年3月に「リポビタンD」を発売しました。
1999年6月に発毛剤「リアップ」を発売しました。
2002年10月に<富山化学工業>を子会社とし両社の医療用医薬品の営業販売部門を折半出資した<大正富山医薬品>へ移行しました。
2011年10月に<大正製薬ホールディングス>を設立し持株会社制へ移行しました。
<大正製薬>のビジネスモデル
2017年11月に総合かぜ薬「パブロン」が好調ですが「リポビタン」は苦戦していると表明。
2018年2月に「2018年3月期」の連結純利益が前期比4%増になりそうと発表しました。
総合かぜ薬「パブロン」の販売が想定より伸びていることやタイやベトナムなど東南アジアでドリンク剤「リポビタン」シリーズが好調であることがその要因です。
2018年5月に<富士フイルムホールディングス>へ<富山化学工業>を売却しました。
<富士フイルム>はヘルスケア事業を成長領域と位置づけて積極的にM&Aに取り組んでいます。
<大正製薬ホールディングス>の上原茂副社長は売却の背景について「資本業務提携した10年前とは医療用医薬を巡る環境が変わった」と述べています。
2018年5月に40歳以上を対象とした早期退職を募集すると発表しました。
全従業員約6300人の約半数にあたる3000人が対象になります。
業績の好調なうちに早期退職を募り少子化による市場縮小に備える考えです。
同じく2018年5月に「2019年3月期」の連結純利益が前期比75%増になりそうと発表しました。
持ち分法適用会社の<富山化学工業>の株式を<富士フイルムホールディングス>に売却し418億円の特別利益が発生します。
医薬事業の不振を補って最高益となる見込みです。
2018年8月に2018年7月から募集していた早期退職制度の募集結果を発表しました。
応募人数は948人で全従業員の15%にあたります。
上原明社長は……「中長期的に発展するためにやらなければならない」と募集理由を説明しています。
勤続10年以上で40歳以上の約3000人を対象に7月1日から8月10日まで早期退職を募集しました。
同じく2018年8月に日用品の<アンファー>が発毛成分「ミノキシジル」を含む「リアップ」の後発品にあたる「スカルプD メディカルミノキ5」を発売しました。
発毛剤と表示できる大衆薬は「リアップ」だけでしたが成分に関する特許などが一部切れたため他社も発売に踏み切りました。
<ロート製薬>なども近く発毛剤に参入する方針を示しています。
2018年10月に<富士フイルムHD>との業務提携を2019年3月末に解消すると発表しました。
<大正製薬>は子会社を通じて<富士フイルム>子会社の医療用医薬品を販売していました。
提携解消に伴って<大正製薬>は取り扱う品目数が30%強減ります。
特許が切れた製品が中心なので業績への影響は軽微と説明しています。
<富山化学>は<富士フイルム>の完全子会社となりましたが<大正製薬>と<富山化学>の共同出資会社だった<大正富山>は<大正製薬>の完全子会社になりました。
同じく2018年10月に「2018年4~9月期」の連結純利益が前期比3.5倍になったと発表しました。
一部の研究開発費や広告宣伝費で費用計上が10月以降に後ずれし為替差益も想定より膨らみました。
2018年12月に米国の<ブリストル・マイヤーズスクイブ>のフランス子会社である<UPSA>を買収すると発表しました。
主にアスピリンなどの鎮痛薬や座薬などの一般用医薬品を販売しています。
フランス国内に事業基盤を持つ<UPSA>のブランド力や販売網を手に入れ海外事業を強化する狙いです。
同じく2018年12月に英国の<グラクソ・スミスクライン>が米国の<ファイザー>との事業統合を発表しました。
いま世界で大衆薬事業の再編ラッシュが続いています。
世界の大衆薬企業の多くは製造を外部委託しています。
事業を統合することで発注量を増やし取引価格を引き下げる狙いです。
日本国内の製薬各社が営業職に相当する医薬情報担当者を大幅に減らしています。
4月の薬価改定で国内医薬品市場は約7200億円縮小するとみられており製薬会社の収益環境は厳しくなっています。
医師接待の自主規制や医師がインターネットなどを通じて自ら情報を集めやすくなっていることから医薬情報担当者(MR)の役割が減っているのも大きな要因になっています。
公益財団のMR認定センターによると日本製薬工業協会加盟社のMR数は2018年3月末時点で4万8000人いますが日本のMR数は3万人が適正レベルと言う厚生労働省の関係者もいます。
2018年4月の薬価制度改革では新薬に高い薬価をつける新薬創出加算という仕組みが縮小され薬価が大幅に引き下げられました。
改定頻度も2年に1回から毎年に変わり収益の柱だった特許切れ医薬品の価格も下がりました。
これまでの収益を支えた部分がほぼカットされたことになります。
まさに製薬業界にも「100年に一度の大転換期」が訪れたと言えます。
製薬業界の環境の変化に合わせて<大正製薬ホールディングス>も構造変化に取り組み新たなビジネスモデルを構築することが急務となっています。
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
業界の構造改革が求められる企業は……従来の成功体験からの発想をやめ従来の価値観を踏襲することなく新たな発想による新たな取り組みに集中して新たなビジネスモデルを構築することが必要不可欠である。


