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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第383話 伊藤園のビジネスモデル

2020年3月20日 執筆:渡邉ひとし

『食の安全』は生存にとってもっとも基本的な問題であり『食は命である』とも表現されます。

『食の安全』にかかわる環境は自然環境だけではなく作物や家畜や魚が栽培・採取・飼育・捕獲され加工・運搬・調理されて食卓に上がるまでのプロセスが『食環境』と考えられています。

農産物を取り扱う企業にとってどのような考えや取り組みをしていけばいいのでしょうか?

今日のメルマガの企業事例は<伊藤園>です。

大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。

今日の企業事例[第383話]のテーマは『 』茶系飲料市場で最大手となりました1966年6月に創業者の本庄正則氏が静岡市に<フロンティア製茶>を設立しました。

1969年5月に株式会社<伊藤園>に商号を変更しました。

1977年に直営専門店『茶十徳』の第1号店を神奈川県横浜市にオープンしました。

1981年に世界初の缶入り『ウーロン茶』を開発し販売を開始しました。

1985年に缶入り緑茶『煎茶』を開発し販売を開始しました。

1989年2月に缶入り緑茶『煎茶』を『お~いお茶』とブランド名を変更しました。

2004年8月に通信販売事業を開始しました。

2006年10月に<フードエックスグローブ>を傘下にして『タリーズコーヒー』日本法人を子会社化。

2017年に『お~いお茶』の累計販売数量が300億本を突破しました。

<伊藤園>のビジネスモデル2018年5月に新商品『お~いお茶 新緑』が垂直立ち上げを果たしました。

ターゲットとしたのは20~30代の働く女性で仕事や家事、育児に追われるなか次の行動に切り替える際にリフレッシュできる飲料を求めていることが調査で判明し気分転換や集中力の向上が期待できる緑茶成分の『テアニン』を多く含む一番茶のみを使い女性のかばんに入れやすいようにボトルの高さを抑えるなど容量は470mlとしました。

2018年11月に中国『支付宝(アリペイ)』に対応した自販機の設置を始めたと発表しました。

日本での移動のために『Suica』などを使う中国人旅行者も多く中国<アリババ集団>のスマートフォン決済サービス『支付宝』とIC乗車券『Suica』など交通系電子マネーの決済に対応する国内初の専用端末が付いた自販機を1000台規模まで増やして訪日中国人を取り込む狙いです。

2018年11月に抹茶の新ブランドを立ち上げると発表しました。

健康志向の高まりを受けて国内外から抹茶に注目が集まっているため専用ブランドを設けてビジネスチャンスを広げる狙いです。

宇治抹茶の独自ブランドで新ブランドは『四方の春』。

新ブランドをコンセプトにしたカフェの開業などのほか海外市場での商品展開も目指します。

2018年12月に『お~い お茶』の茶殻を活用した人工芝の休憩スペースをオープンしました。

<三菱地所>が再開発事業を進める東京駅周辺区域で『常盤橋ティーズパーク』を竣工しました。

茶殻を使った人工芝は抗菌消臭や表面の温度上昇を抑える効果があるといいます。

2019年2月に大型ペットボトル商品を値上げすると発表しました。

コスト上昇が続くことが想定され企業努力だけで吸収し続けることは困難な状況となりつつあるとの判断で6月1日出荷分からお茶や野菜ジュースなど22商品の希望小売価格を引き上げます。

2019年3月に<アサヒ飲料>と互いの清涼飲料を4月中旬から供給すると発表しました。

自販機事業がコンビニエンスストアなどとの競争が激しくなるなか大都市圏を中心に相手方の製品を販売し炭酸飲料とお茶という各々の強みを持つブランドを自販機に取り入れることで利用を促進したい考えです。

2019年3月に<松坂屋名古屋店>南館2階を改装した新フロアで茶葉販売店を開業しました。

新フロアの『キキヨコチョ』は美容や食、雑貨をテーマにした街中の路地や横丁をイメージした内装で休憩できるスペースも広く設けています。

茶葉販売店『ルモンド デュデ』は紅茶やルイボスティーなどを試飲できます。

2019年4月に海外事業の売上高営業利益率を10%に引き上げると表明しました。

米国やアジアを中心に健康志向が高まっておりペットボトル飲料『お~いお茶』や『抹茶グリーンティー』が好調のため『2022年4月期』をめどに海外事業の売上高営業利益率を10%に引き上げる考えです。

2019年6月に『2019年4月期』の連結決算は純利益が前期比15%増でした。

上半期は運送費の上昇などが響いて営業減益でしたが下半期は配送を委託する外部業者と協力してコスト削減に取り組んだ成果が出ました。

2019年8月にむぎ茶の茶殻を材料に使用した緩衝材を開発したと表明しました。

<ノーリツ>と共同で開発した緩衝材で商品の梱包などに利用できます。

古紙製緩衝材の原料に茶殻を混ぜることで従来より紙パルプ使用量を20%削減し緩衝材の重量を7%抑えました。

2020年1月に『GAP』を取得した農園で生産されたものに限定すると表明しました。

現時点で調達農園の約80%が日本版の『JGAP』などを取得しており『お~いお茶 緑茶』の原料茶葉の全量を2020年度上期中に取得する見込みです。

国連の『SDGs』への関心の高まりもあり農家の支援などで安全や環境を重視する消費者に応える考えです。

2020年3月に発表した『2019年5月~20年1月期』の連結決算は純利益が前期比10%増でした。

前年同期に計上した商品の廃棄損がなくなったほかペットボトル飲料の小売店での安売りが減ったことが寄与しました。

【ここからがメルマガの加筆文です】2019年12月に<イオン>は<伊藤園>など主要な取引先21社と連携して食品廃棄物の削減を進める取り組みについて概要を公表しました。

消費期限の延長や残さの有効利用などを2030年までに進めてサプライチェーン(供給網)全体で食品廃棄物の半減を目指します。

数年前まで<未来デザインカンパニー>が推進するコンサルティング・メソッドのことを『サステイナビリティ経営メソッド』と表現していましたがまさに『サステイナビリティ(持続可能性)』を目的とした経営メソッド(手法)でした。

現在は『サステイナビリティ経営メソッド』なかでも『目標設定』に主眼をおいて将来を起点とした目標設定から逆算して計画を立案・作成することを強調した『未来志向型・経営戦略メソッド』と表現を変え経営支援をしていますが<伊藤園>は安全認証『GAP』の取得や食品廃棄物の削減を進める取り組みなど環境に優しい企業を目指しています。

『GAP』はグッド・アグリカルチュラル・プラクティス『農業生産工程管理』と訳していますが農薬や肥料の管理労働環境の整備などの基準を満たす農場を専門機関が審査し認証しており<伊藤園>は農家の支援などで安全や環境を重視する消費者に応えていく考えです。

社会や環境に配慮した事業や商品を選別する『ESG投資』や『エシカル(倫理的)消費』などが企業や消費者に広がっていますがこれらの取り組みが好循環を生み出し続けられるかが経営課題となっています。

今日の事例で何を学べるでしょうか?

農作物を取り扱いサステイナビリティ(持続可能性)に取り組む会社は……安全性が確保された農産物を重視する消費者が増えているため買い手に信頼性を訴求するためにも事業や商品を選別する『ESG』や農産物の安全認証『GAP』など安全性への投資を続けることで商品を持続可能な方法で調達する責任がある。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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