新型コロナウィルスの影響は一過性のことだと受け止めコロナ禍が通り過ぎるのを待っていればこれから訪れるであろう『新たな価値観の社会』に適応できなくなります。
新型コロナウィルスと共生する『 with コロナ』の時代に適応できる新たなビジネスモデルを構築することがすべての業界や会社に求められています。
このような時代の変化の狭間で一歩先に踏み出すことができる会社がこれから迎える新たな時代に『優良企業』と呼ばれる存在になることができます。
これからは『つながる(つながり)』という言葉がキーワードになると予見しています。
大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。
国有から民営化になり利用客が拡大1987年4月に<国有鉄道>が分割民営化され<東海旅客鉄道>が発足しました。
1988年4月にバス事業を分離し<ジェイアール東海バス>に移管しました。
1989年6月に『JR東海エクスプレス・カード』のサービスを開始しました。
1991年10月に<新幹線鉄道保有機構>から東海道新幹線の施設を買い取りました。
1996年7月に『磁気浮上式鉄道山梨リニア実験線』を発足しました。
1999年12月に『JRセントラルタワーズ』を開業しました。
2001年6月に改正JR会社法が公布され<JR東海>の純粋民間会社化が実現しました。
2001年9月に新幹線座席予約サービスの『エクスプレス予約』を開始しました。
2003年10月に東海道新幹線の品川駅を開業し営業運転の最高速度を270km/hに統一しました。
2010年3月に『TOICA』の電子マネーサービスを開始しました。
2013年3月に『全国交通系ICカード』の相互利用を開始しました。
2014年3月に新幹線車内の自販機による飲料販売を取り止めました。
<JR東海>のビジネスモデル2018年12月に静岡県が建設中のリニア中央新幹線の着工に懸念を示していると報道されました。
静岡県は建設工事で1級河川の大井川の流量が減る対策の徹底を求めています。
静岡県にとってリニア中央新幹線は駅もなく通過するだけなので「全くメリットがない」と川勝平太静岡知事は述べています。
流量減に加えて生態系などへの影響に対しても静岡県や利水団体などに対し納得のゆく対応策を示す必要が出ています。
2019年1月に発表した『2018年4~12月期』の連結決算は純利益が11%増でした。
本業の運輸事業が好調で純利益はこの期間として過去最高でした。
2019年3月に東海道新幹線の遅延状況などの運行情報をTwitterで配信すると発表しました。
遅延や運休の状況に加え台風が迫っているときなどの計画運休の情報も流します。
日本語のほか英語中国語や韓国語に対応させます。
2019年3月に『2019年度』の連結設備投資額が前年度比20%増になると発表しました。
リニア中央新幹線の工事などへの投資がほぼ半分を占めますが東海道新幹線では新型車両の投入を進め利便性を一段と高める考えです。
2019年4月に発表した『2019年3月期』の連結決算は純利益が前期比11%増でした。
運輸収入の約90%を占める東海道新幹線がビジネスやレジャー需要を効果的に取り込み7期連続で最高益を更新しました。
2019年6月に社員の定年を60歳から65歳に延長すると発表しました。
定年延長はJR各社の中で初めてで少子高齢化で採用環境が厳しくなるなか60歳以上の経験豊富な人材を生かす狙いです。
2019年8月に新幹線に持ち込む大型荷物を事前予約制にすると発表しました。
最後部座席の後方のスペースを専用置き場として最後部座席の指定席とセットでの予約が必要で追加料金は不要になります。
東京五輪・パラリンピックで外国人観光客を中心に大型荷物の持ち込みの増加が見込まれるため対応することを決めました。
2020年1月に『2021年度』から5年間で在来線の新型通勤車両を製造すると発表しました。
名古屋や静岡を中心に中央本線、東海道本線、関西本線などに順次投入する考えです。
安全性や快適性を高めてライバルの私鉄各線やバスなどとの競争を勝ち抜く狙いです。
2020年2月に東海道新幹線の車内テロップで配信しているニュースを終了すると発表しました。
車内の無料Wi-Fiが全車両で利用できるようになり乗客のスマートフォンでニュースを閲覧できると判断して決めました。
2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響が一段と深刻になったと発表しました。
3月の東海道新幹線の利用者が前年同期に比べて半減しました。
2月の東海道新幹線の利用者は前年同月比8%減でしたが3月に入って落ち込み幅が拡大しました。
2020年3月に米国テキサス州の高速鉄道計画について米国政府が規則案を公表しました。
テキサス州のダラスとヒューストン間に専用線を建設し約90分でつなぐ計画で新型車両「N700S」を導入して8両編成で1時間2本の運行を予定しています。
<JR東海>にとっては台湾に次ぐ海外展開の第2弾になります。
2020年3月に2020年度の連結設備投資額が単年度として過去最高と発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大で足元の鉄道利用者は半減していますが中長期的な視点で積極投資を続ける考えです。
<JR東海>の金子慎社長は……「新型コロナの影響で厳しい経営環境にある」「安全・安定輸送を最優先に幅広い課題に着実に取り組みたい」と記者会見で述べています。
2020年4月に東海道新幹線の利用者数が前年同期比85%減と発表しました。
4月1日から15日までの東海道新幹線の利用者数が減り過去最大の減少率を2カ月連続で更新するとみています。
これまでの運休は特定日の臨時列車の一部にとどまっていましたが全ての臨時列車に拡大させます。
「のぞみ」の定期列車や「ひかり」「こだま」の便数は原則として減らさない考えです。
2020年4月に発表した『2020年1~3月期』連結決算は純利益が前年同期比85%減でした。
新型コロナウイルスの感染拡大で移動自粛の流れが広がり主力の東海道新幹線の利用者が急減しています。
2020年5月に東海道新幹線や在来線特急の利用者数が前年同期比94%減と発表しました。
ゴールデンウイーク期間を含む4月24日~5月6日の利用者ですが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言により帰省やレジャーといった外出の自粛が強まったことが大きく影響しました。
<JR東海>のビジネスモデルを俯瞰してみると……『2020年3月期』の会社計画は売上高(連結営業収益)を前期比1%増の1兆9020億円と見込んでいますが運輸業が78%を占めています。
しかも運輸業の90%は東海道新幹線で稼いだ売上高です。
東海道新幹線は車両や駅設備など減価償却費などの固定費が重くのし掛かっています。
今回のように新型コロナウイルスの感染拡大による出張自粛や観光需要の減少で東海道新幹線の利用客が激減している状況下では大幅減収になるのは確実です。
固定費が重くのし掛かっているビジネスモデルの場合コスト削減の効果は期待できません。
新型コロナウイルスの終息後という『afterコロナ』という考え方から新型コロナウイルスとの共生という『withコロナ』へと見方が変わってきました。
沈静化したように見える感染状況も再びオーバーシュートになり『stay home』の自粛生活に戻る。
この波をいくつか乗り越えないと感染の沈静化という状態にはならないように思えます。
長期化する感染拡大と縮小の繰り返し『withコロナ』の時代へと変わりつつあります。
現在の『stay home』の自粛生活が少しは緩和されたとしてもこのような『新たな生活様式』が常態化してくれば人々のライフスタイル(生活様式)も社会の仕組みも変わらざるを得ません。
これら外部環境の変化に対応できる新たなビジネスモデルを構築することが<JR東海>の喫緊の課題です。
今日の事例で何を学べるでしょうか?
ひとつの事業に大きなウェートがかかる収益構造の会社はそのメインになる事業に大きな支障が起きた場合それまでの収益構造を抜本的に変える新たなビジネスモデルを構築することが早急に解決すべき課題となる。


