クラウドファンディングを利用して投資家から集めた資金を元に古民家を再生して運営する。
このようなスキーム(仕組み)を活用した古民家再生事業が全国でも多く見受けられますが『デジタル証券』の発行を活用する古民家再生事業が出てきました。
不動産情報サービスの<LIFULL>などと協業してファンド運営期間中の事業の利益を受け取る権利を証明するデジタル証券を2021年1月に発行する予定の<エンジョイワークス>です。
クラウドファンディングでは投資後の権利譲渡は難しかしいですがデジタル化によって投資してまちづくりにも携わりたいという熱意のある人に権利を渡すこともできるようになります。
いまデジタル証券の発行を検討する企業が増えています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第421話<アルプス電気>です。
(*写真はイメージです。)
<アルパイン>と経営統合しました1948年11月片岡勝太郎氏が<片岡電気>を設立しました。
1964年8月に<東北アルプス>を設立しました。
1964年12月に<アルプス電気>に社名を変更しました。
1967年5月に米国<モトローラ>との合弁で<アルプス モトローラ>を設立しました。
1978年8月に<アルプス モトローラ>の株式を<モトローラ>より譲り受け<アルプス電気>の子会社としました。
1978年11月に<アルプス モトローラ>の社名を<アルパイン>に変更しました。
2017年7月に<アルパイン>との経営統合を発表しました。
2019年1月に<アルパイン>を完全子会社化して<アルプスアルパイン>に社名変更しました。
<アルプス電気>のビジネスモデル2019年6月に<フリービット>の株式の約10%の取得を発表しました。
セキュリティー技術などを手がける<フリービット>と自動車向けアプリの共同開発を加速する考えです。
2019年にブロックチェーン技術を活用し自動車のカギを遠隔で安全に開閉できるデジタルキーを開発しました。
2019年7月に発表した『2019年4~6月期』の連結決算は最終損益が11億円の赤字でした。
売上高は前期比2%増で増収でしたが好採算の車載向け電子部品の販売減や為替差損の発生が収益を圧迫しました。
2019年8月に圧力センサーを開発したと発表しました。
気圧と水圧を1つのセンサーでまとめて計測できるためセンサーの設計や構造を工夫することで細かな気圧の変化や圧力の大きな水中でも幅広い範囲の圧力を計測できます。
ダイバーズウオッチを開発する企業から「陸上でも水中でも使えるウエアラブルデバイスを開発したい」という依頼を受けて新センサーの開発に着手しました。
2019年9月に米国<クアルコム>とライセンス契約を締結したと発表しました。
次世代通信規格『5G』に対応した通信機器の開発に向け米国の半導体大手<クアルコム>と移動体通信用の半導体シリーズなどのソフトウエアライセンス契約ですが自動運転システムなどで必要になる通信モジュールの開発や量産などにつなげる考えです。
2019年10月に<横浜ゴム>と乗用車用タイヤセンサーを共同開発していると表明しました。
タイヤ内の空気圧検知に加えてタイヤの摩耗状況の検知や路面を検知できるようなセンサーを開発します。
カーシェアリングではさまざまなユーザーが使い自動運転でも安全性を保つためタイヤに高いメンテナンス性能が求められるようになるためタイヤの状況をセンサーでモニタリングしパンクなどのトラブルを未然に防ぐなど安定走行するためにタイヤから得られるデータが大きな役割を果たすと考えています。
2020年4月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で危機感を募らせていると表明しました。
「技術者の移動が制限されており量産直前の試験ラインの開発などが滞る恐れがある」「今後はテレワークを週2回強制するなど踏み込んだ対応が必要かもしれない」と取材に答えています。
2020年5月に人工呼吸器に使われる部品の供給を増やすことを決めました。
新型コロナウイルス感染症の拡大で国内外の人工呼吸器メーカーからの増産要請に対応して生産量を従来に比べ約5倍となる月産10万個に増やし人工呼吸器の供給体制の安定に貢献したい考えです。
2020年5月にスイスの<センシリオン>と略的パートナーシップ締結を発表しました。
センサー事業の拡大に向けてセンサーの開発に強みを持つ企業と協業することで製品の競争力を高めて事業の拡大につなげたい考えです。
環境系センサーの領域で両社が持つハードとソフトのノウハウを組み合わせることで製品開発の相乗効果を狙います。
2020年6月に『2021年3月期』の連結最終損益が30億円の黒字の見込みと発表しました。
新型コロナウイルスの感染の広がりで欧米の自動車メーカーで生産が滞り通信デバイスやカーナビの需要が冷え込みましたがスマートフォン向けの需要が堅調で車載向けの落ち込みを補っています。
2020年7月にタッチペンに使われる圧力センサーの新製品を開発したと発表しました。
スマートフォンの画面の大型化が進んでいることからスマホ向けタッチペンの需要が高まると見込んでいて従来品よりも小型な製品を開発しタブレット端末向けよりも細いスマートフォン向けタッチペンへの搭載を進める考えです。
スマートフォン向けタッチペンはタブレット端末向けよりも細く内蔵するセンサーも小型化が求められています。
2020年7月に発表した『2020年4~6月期』の連結決算は最終損益が91億円の赤字でした。
新型コロナウイルスの感染の広がりで自動車メーカーの生産が減少し車載向けモジュールなどの販売が落ち込みました。
2020年9月に子会社<アルプス物流>の『2020年4~9月期』の連結純利益が前期比49%減の見込みと発表しました。
<アルプス物流>は電子部品物流以外に消費物流事業で小売業の物流センター業務や食料品や化粧品などの荷物を最終的な届け先に送る「ラストワンマイル」を手掛けています。
2020年10月に国内最大級の家電・ITの見本市『CEATEC』が一般公開されました。
新型コロナウイルスの影響で初のオンライン開催ですが<アルプスアルパイン>はヒトが発する静電気を感知する仕組みを使い触れずに操作できるタッチパネルを展示しました。
エレベーターなどでの導入を検討する企業が多いといいます。
今日の企業事例である<アルプス電気>を少し俯瞰して見てみましょう。
2008年のリーマン・ショックによる自動車向け電装品の需要急減を受け営業キャッシュフローは2009年3月期に150億円に落ち込んでから自動車需要の復調などを映して2020年3月期の872億円まで回復してきたことで財務の守りを固め積極投資に舵を切りました。
2022年3月期までの3年で600~700億円規模のM&A(合併・買収)を含む2000億円の積極投資に打って出ています。
市場拡大が期待される自動運転や電動車の『CASE』関連が主な対象でCASE関連を柱とする新規事業を2026年3月期をメドに1500億円規模にする計画を示し2022年3月期までを仕込み期間と位置付けています。
「CASEへの投資を1社で完結できる訳がないアライアンス戦略が重要になる」と<アルプスアルパイン>の栗山年弘社長は述べています。
しかし2019年に統合した<アルパイン>の車載情報機器事業はスマートフォンに需要を奪われ今後も採算の悪化が見込まれます。
この不採算事業を影響を最小限に抑えてソフトランディングできるかもしくは成長する事業へ転換できるか新たなビジモデルへの転換が喫緊の課題になっています。


