<ANAホールディングス>が12月10日にスマホ決済サービス『ANA Pay』を始めました。
12月16日には『ANAマイレージクラブ』の上級会員となるための条件に『ANAカード』や『ANA Pay』の決済額も加えるキャンペーンを始めました。
<ジェーシービー>の決済基盤を利用しており<JCB>のクレジットカードから『ANA Pay』にチャージして利用します。
『航空事業一本足』の事業構造が営業赤字を悪化させています。
年間決済額が4兆円規模のANAカード事業3700万人のマイレージ会員といった顧客資産を活用して非航空事業の強化へのシフトを打ち出しています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第422話<Zホールディングス>です。
(*写真はイメージです。)
<Zホールディングス>の前身<ヤフー>1996年1月に<Yahoo!
>と<ソフトバンク>の合弁で<ヤフー>を設立しました。
2000年3月に<ブロードキャスト・コム>および<ジオシティーズ>と合併しました。
2001年12月に<イー・ショッピング・ブックス>を子会社化しました。
2002年8月に<ネットラスト>を子会社化しました。
2018年2月に<ジャパンネット銀行>を連結子会社化しました。
2018年7月に< dely>を連結子会社化しました。
2019年5月に事業分割準備会社である<紀尾井町金融分割準備><紀尾井町分割準備>を設立し<ソフトバンク>の連結子会社になることを発表しました。
<Zホールディングス>のビジネスモデル2019年6月にフリーマーケットアプリを立ち上げることを表明しました。
スマホ決済の『PayPay』で支払いや売上代金の受け取りができるようにします。
スマートフォンで消費者同士が商品を気軽に売買できるフリーマーケットアプリ市場に本格的に参入する考えです。
『ヤフオク』などのネットオークションの市場規模は2018年に1兆133億円でしたが伸び率は9%にとどまっているため急成長しているフリーマーケットアプリ市場に参入して<メルカリ>などに対抗する狙いです。
2019年6月に<PayPay>に電子マネー事業を引き継ぐと発表しました。
電子マネーの残高は9月に<PayPay>へと移行します。
<PayPay>に非現金決済を集約することで利用者を拡大し使用頻度を高める狙いです。
2019年7月に傘下の<アスクル>の社長後任について社長派遣の意向がないことを発表しました。
<アスクル>の岩田彰一郎社長の再任に反対していることに関して改めて<ヤフー>の立場を説明しました。
2019年8月に<西武鉄道>と主要駅の混雑予測を公表する実証実験の開始を発表しました。
人工知能を活用し『Yahoo!
乗換案内』などに蓄積される路線検索履歴のビッグデータと<西武鉄道>が持つ駅や時間別の降車人数のデータを使い30分単位で駅の混雑を予測します。
2019年9月に<三越伊勢丹>と共同開発した商品を発売しました。
『Yahoo!
検索』の検索キーワードや『Yahoo!
知恵袋』の書き込みなどのビッグデータを統計化し人工知能を活用して子育て中の小柄な女性に向けたロングスカートを共同開発しました。
2019年10月に<SBIホールディングス>と金融事業で包括提携すると発表しました。
「インターネットの力で金融をもっと便利で身近なものにしていきたい」と<Zホールディングス>の川辺健太郎最高経営責任者は記者会見で述べています。
I T や通信大手では<楽天>や<KDDI>が決済や投資などの幅広い金融サービスを揃えています。
2019年10月に匿名の統計データを企業や自治体に提供する事業を始めたと発表しました。
月間の会員利用者数約5000万人の各種検索サービスで集まったビッグデータを提供し商品開発や交通の効率化やまちづくりに役立たせる考えです。
2020年春までに100社・団体への導入を目指します。
2019年11月に<LINE>と経営統合することで合意したと発表しました。
<LINE>は親会社の韓国<ネイバー>の支援を受けながらスマートフォン決済などのフィンテックや人工知能に取り組んできましたが投資は膨らみ続けて資金流出が続いていました。
2020年2月に子会社の<ZOZO>と組んでBtoB事業を強化することを表明しました。
<ヤフー>や<ZOZO>の通販サイトの閲覧・購買履歴を分析し<ZOZO>に出店するアパレルのリアル店舗に消費者が訪れると好みに合った衣服を店員が提案する仕組みを構築するなどITで支援する考えです。
2020年3月に<ヤマトホールディングス>と業務提携で合意したと発表しました。
<ヤフー>が運営するネット通販の出店者向けに<ヤマト>が梱包や出荷といった物流業務の代行サービスを提供します。
6月から約7万5千店が出品する『ヤフーショッピング』約900店が参加する『ペイペイモール』の出店者向けに新たな物流サービスを始めます。
受注から配達までのリードタイムが短くなり出店者が定休日でも出荷できるようになります。
2020年5月に発表した『2020年3月期』の連結純利益は前期比4%増となりました。
「巣ごもり消費でECの物販が急激に伸びている」と川辺健太郎社長は述べています。
売上高に相当する売上収益は前期比10.3%増の1兆529億円となり初めて1兆円を超えました。
2020年7月にフリーマーケットアプリで<ZOZO>と連携すると表明しました。
『ゾゾタウン』で購入した洋服をフリーマーケットアプリで自動的に登録し中古品として売りたいときに手軽に出品できるようにします。
2020年8月に銀行などの主要な金融サービスの名称を『PayPay』に統一すると発表しました。
<ジャパンネット銀行>は<ペイペイ銀行>に<ワンタップバイ>は<ペイペイ証券>に<ヤフージャパンカード>は新たに『ペイペイカード』を発行します。
2020年9月に<ヤフー>の本社を<ZOZO>などグループ企業に開放すると表明しました。
10月からテレワークが基本の働き方に正式移行するため約40社のグループ企業の社員に執務スペースとして有効活用してもらいます。
今日の企業事例である<Zホールディングス>を少し俯瞰して見てみましょう。
10月30日に開いた決算会見で<Zホールディングス>の川辺健太郎社長は日本発のプラットフォーマーとしての存在感を世界に示す方針を改めて示しました。
国内が中心の<ヤフー>と日本に限らず台湾やタイなどでも広く浸透する<LINE>。
「統合後はLINEの拠点を足掛かりにソフトバンクグループの資金力も活用してAIテックカンパニーへと成長していきたい」と川辺健太郎社長は述べています。
なかでも力を入れる分野として『金融事業(フィンテック)』を挙げていますがメディア、ネット通販、フィンテックに続く『第4の柱』として『データ事業』の育成を掲げています。
子会社の<LINE>はアジア戦略の立て直しに取り組んでいます。
創業者の前沢友作氏が退任した子会社の<ZOZO>は次の一手が打ち出せていません。
<LINE>と合意している経営統合は2021年3月の実現を目指すと発表しています。
米国のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)や中国の IT大手(アリババ集団、京東集団、百度)に対抗するため「東アジアから第三極をつくっていきたい」川辺健太郎社長は述べていますが『第三極』の形成までは遠い道のりになりそうです。
日本発のプラットフォーマーが世界で戦えるか新たなビジネスモデルの構築が当面の課題になっています。


