昨年からのコロナ禍で日用消費財で売れなかったモノランキングの1位は『口紅』でした。
売れたモノランキングの1位は当然ながら『マスク』でしたがマスクをすることによって口紅をつけないという人が増えたのかもしれませんね。
他にも10位以内に化粧品類は4つがランクインしています。
4位『ほほべに』5位『ファンデーション』6位『化粧下地』7位『おしろい』化粧品の中でも比較的売上の減少幅の小さいモノが基礎化粧品でした。
たとえば『クレンジング』や『洗顔クリーム』に関してはほぼ現状を維持しています。
在宅勤務の浸透やマスク着用が必須となるニューノーマルの時代を日用消費財の売れ行きを見ることで再確認することができます。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第426話<デンソー>です。
(*写真はイメージです。)
赤字の電装部門を分離独立させました1949年に<トヨタ自動車>の電装部が分離独立し<日本電装>として創業しました。
1953年にドイツの<ボッシュ>と電装品に関する技術提携を締結しました。
1971年にロサンゼルスに初の海外販売会社を設立しました。
1972年にタイとオーストラリアに初の海外生産会社を設立しました。
1984年に『額田テストコース』を開設しました。
1991年に基礎研究所を設立しました。
1996年に<デンソー>に社名を変更しました。
2001年に網走テストセンターを開設しました。
2005年にタイに初の海外地域研修センターを設置しました。
2017年1月にブランドスローガンとなる『Crafting the Core』を策定しました。
2017年6月にモビリティや製造業の将来がテーマの企画小説『未来製作所』を発売しました。
<デンソー>のビジネスモデル2019年7月に発表した『2019年4~6月期』の連結決算は営業利益が前期比24%減となりました。
株価は一時下がりましたが翌日は大幅高となりました。
コスト抑制や価格転嫁で4~6月期の営業利益は会社計画を約100億円上振れし通期計画の達成は可能という点などを話したことが要因です。
2019年9月に医療システム事業を分社化し新会社<オペパーク>を設立しました。
独立系ベンチャーキャピタルの<ビヨンドネクストベンチャーズ>と共同出資で設立しました。
<デンソー>が開発した医療機関向けソフトウエア『オペリンク』を活用した事業です。
2019年10月にインドネシアで小口保冷輸送サービスの実証実験を始めると発表しました。
自動車向けの金融サービスを手掛ける<グローバル・モビリティ・サービス>と組んで生鮮食品や冷凍食品などを商業施設や家庭に配送する実験を展開し現地での需要や課題を検証する計画です。
2019年10月にソフトウエアの開発者を2025年までに現状より30%増やす計画を表明しました。
自動運転や電動化などの『CASE』に対応する狙いです。
2019年10月にドローンを使った橋梁の点検サービスを始めました。
ドローンで撮影した橋梁の画像を人工知能で解析し修復の必要な部分などを自動で検出して図面まで作成します。
羽根の角度を変化させられるため強風でも飛行でき橋梁に近接して定位の姿勢を維持できます。
2019年12月に情報セキュリティー技術の実用化に向け翌年1月からの検証開始を発表しました。
次世代の自動車向けの情報セキュリティー技術の実用化に向け2020年1月から検証を始めます。
早期にサイバー攻撃を検知し適切な対応を取るための技術開発を加速させます。
2020年4月に自動車の先端技術を総合的に研究する拠点を東京工業大学内に開設したと発表しました。
<デンソー>が持つ車載分野での技術と<東京工業大学>の学術的知見を生かし様々な分野で基礎研究を進める考えです。
2020年4月にオランダの<セルトングループ>を持ち分法適用会社にしたと発表しました。
<デンソー>が持つ工場効率化技術やロボット技術と屋内型農業施設を販売する<セルトングループ>の販路をいかし次世代の農業施設を開発・販売します。
2020年8月に発表した『2020年4~6月期』連結決算は最終損益が900億円の赤字でした。
四半期ベースの最終赤字は過去最大で新型コロナウイルスの流行で自動車メーカーが生産を縮小し部品の受注が落ち込みました。
2020年8月に新たな研究開発拠点をペンシルベニア州に立ち上げたと発表しました。
IT 産業の集積地として知られる土地で現地の大学や企業と連携したオープンイノベーションを進め人が操作しないレベル4の自動運転や人工知能の研究を加速させる考えです。
2020年11月に米国のスタートアップ<エンボイ>に出資したと発表しました。
電気自動車のカーシェアサービスの<エンボイ>のアジア進出を支援し次世代移動サービスである『MaaS』分野のノウハウを蓄積し事業に生かす狙いです。
2020年12月に埼玉県の<ジェコー>を株式交換で完全子会社にすると発表しました。
<ジェコー>は自動車時計やエアコンパネルといった表示装置などの自動車部品を手掛けています。
協業を深めることでパネルだけではなく車両システム全体を踏まえた製品を開発しつながるクルマなど『CASE』に関連した技術開発につなげる考えです。
2020年12月にリンゴやナシといった果実を収穫する農業用ロボットを開発しました。
<デンソー>が開発したロボットアームを搭載し果物を傷つけずに人間とほぼ同じ早さの1時間に300個超のペースで収穫できます。
<農業・食品産業技術総合研究機構>などと3年後をめどに実用化を目指します。
2020年12月に『カーボンニュートラル』を目指すと表明しました。
<デンソー>の有馬浩二社長は……「35年までにCO2排出を実質的にゼロにする目標を立てる」「脱炭素に貢献する製品開発と工場で物作りで出るCO2削減を分けそれぞれに取り組む」と述べています。
2035年までに事業活動からの二酸化炭素排出を実質的にゼロにする『カーボンニュートラル』を目指します。
2019年度のデンソーグループのCO2排出量は世界で167万トンでした。
電気自動車やハイブリッド車燃料電池車それぞれに適した部品を充実させるほかガソリンエンジンをはじめとした内燃機関の燃費性能向上を進めます。
<デンソー>の有馬浩二社長は……「車両全体のエネルギーマネジメント技術をさらに磨いて実装する」と述べ「エネルギーの使用から再生までの循環を工場の中で完結させたいそのための技術を開発中だ」と生産工程について述べています。
排出したCO2を水素と合成してエネルギー化する技術の利用も検討していてまずは製品から排出されるCO2をできる限り減らす考えです。
2021年1月に<愛知県>などはゼロカーボン協議会を設立すると表明しました。
<愛知県><名古屋大学><愛知工業大学><中部産業連盟>は産官学の連携で二酸化炭素の排出量を実質なくすゼロカーボン社会に向け『あいちゼロカーボン推進協議会』の4月の設立を目指していますが<デンソー>も協議会への参加を検討しているようです。
今日の企業事例である<デンソー>を少し俯瞰して見てみましょう。
<デンソー>と<トヨタ自動車>が取り組んでいるのが電動の垂直離着陸機の実現です。
従来の航空機に比べて自動車のように手軽に乗り降りできることから『空飛ぶクルマ』と呼ばれています。
<トヨタ自動車>が静岡県裾野市に建設を計画するスマートシティー『ウーブン・シティ』においてeVTOL(垂直離着陸機)の実証を行う可能性も出てきているため<ハネウェル・インターナショナル>と2019年に提携し航空機の電動推進系の共同開発に取り組んでいます。
<デンソー>は次世代車の開発へ年5000億円規模の投資を続けています。
「価値観の変容で開発に求められる内容が変わるかもしれない」と有馬浩二社長は『所有』や『利用』で望む次世代車が変わる可能性を指摘しています。
1949年に<トヨタ自動車>から分離創業以来歴代11代の社長全員が生え抜きです。
売上高に占める<トヨタ自動車>の比率は50%弱でトヨタグループの中では顧客の多様化が最も進んでいます。
電動車で必須となる部品はインバーターとモーターと電池で『三種の神器』とも言われますがそれぞれの関連部品を<デンソー>は手掛けており2025年には電動部品で世界シェア3割を目標にしています。
『CASE』時代に存在感を示すために成長に向けた変化への対応ができるか当面の課題となります。


