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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第443話 ソフトバンクグループのビジネスモデル

2021年5月28日 執筆:渡邉ひとし

いま乗っているマイカーを買い換えるのはいつですか?

東京都は2030年までに都内で販売される新車すべてを電動車に切り替える方針を示しました。

あと9年で2030年ですが電動車を新車として買うイメージを持つ人はまだ少ないように感じます。

さらにマイカーを持つ考えのない人が若い人の間で増えています。

カーシェアや配車などのサービスを利用する方が安くて済むし面倒なことが無くて便利だといいます。

50代以上の年配者のようにメーカーや車種に対するこだわりは全くありません。

「100年に一度の大転換期を自動車業界は迎えている」と<トヨタ自動車>の豊田章男社長は唱えていますがまさに自動車という乗り物を取り巻くライフスタイルそのものが大きく変わりつつあります。

ところで『100年に一度の大転換期』は自動車業界だけでしょうか?

コロナ禍にある飲食業界やホテル旅館業界なども従来と大きく発想を変えた新たなビジネスモデルに取り組み始めています。

21世紀になりすでに20年が過ぎましたが『100年に一度の大転換期』をすべての業界が迎えていることを忘れてはいけません。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第443話<ソフトバンクグループ>です。

(*写真はイメージです)事業提携と吸収合併で事業を拡大1979月2月に孫正義氏が米国でソフトウェア開発会社<Unison World>を設立しました。

1980年に日本へ帰国して福岡に企画会社<ユニソン・ワールド>を設立しました。

1981年9月に孫正義氏の<ユニソン・ワールド>と明賀義輝氏の<経営総合研究所>の共同出資により<日本ソフトバンク>を創立しました。

1990年7月に<ソフトバンク>に社名を変更しました。

1995年8月にWindows 95の市場立ち上げのため<マイクロソフト>と提携しました。

1996年1月に米国<Yahoo!

>との共同出資で<ヤフー>を設立しました。

1996年6月に<ニューズ・コーポレーション>とデジタル衛星放送事業『JスカイB』について提携しました。

1999年9月に純粋持株会社への移行を完了しました。

2004年12月に<福岡ダイエーホークス >を200億円で買収しました。

2006年4月に<ボーダフォン>日本法人を1兆7500億円で買収しました。

2015年2月に対話型パーソナルロボット『Pepper』を販売しました。

2015年7月に<ソフトバンクグループ>と商号を変更しました。

<ソフトバンクグループ>のビジネスモデル2019年11月に中国の電子商取引<アリババ集団>が香港取引所に株式を上場しました。

<アリババ集団>の発行済み株式数の約26%を保有している<ソフトバンクグループ>は約14兆円相当を保有しています。

2019年12月に<東京大学>と人工知能の研究所を共同設立すると発表しました。

「学生たちに学ぶ機会を増やし起業のチャンスをどんどん与えていきたい」と<ソフトバンクグループ>の孫正義会長兼社長は述べています。

2019年12月に社外取締役の<ファーストリテイリング>柳井正会長兼社長の退任を発表しました。

柳井正会長兼社長は2001年から18年間にわたり社外取締役を務めたことになります。

2020年2月に投資ファンド事業の『2号ファンド』の規模を縮小する考えを表明しました。

米国<ウィーワーク>での投資損失など『1号ファンド』のつまずきで新規投資にブレーキがかかっています。

2020年3月に自己株式取得と負債削減のため4.5兆円の資産売却や資金化をすると発表しました。

自社株買いや負債圧縮に充てることで財務を強化する考えです。

2020年4月にグループ傘下の米国携帯通信会社4位の<スプリント>と3位<TモバイルUS>の合併手続き完了を発表しました。

米国規制当局の承認や州政府による差し止め訴訟に時間がかかっていました。

2020年4月に『2020年3月期』の連結最終損益が9000億円の赤字と発表しました。

市場環境の悪化を受けて投資先企業の価値を引き下げたことが大きく響きました。

2020年6月に<アリババ集団>の創業者である馬雲氏がグループの取締役を退任しました。

馬雲氏は<ソフトバンクグループ>の取締役を2007年から務めてきました。

2020年6月に米国通信大手<Tモバイル>のUS株を売却すると発表しました。

自社株買いと負債削減に向けて進める資産売却計画の一つになります。

2020年8月に発表した『2020年4~6月期』の連結決算は純利益が前年同期比12%増でした。

資産の現金化に伴い売却益などを計上し投資事業の運用成績も改善しました。

2020年8月に通信大手<ソフトバンク>の株を約9億株ほど売り出すと発表しました。

保有資産4.5兆円の現金化計画の総仕上げというカタチになります。

2020年9月に傘下の半導体設計<アーム>の売却で米国<エヌビディア>と合意しました。

売却のうち215億ドル分について<エヌビディア>の普通株式を対価として<ソフトバンクグループ>と<ソフトバンク・ビジョン・ファンド>に支払います。

これにより<ソフトバンクグループ>は<エヌビディア>の6.7~8.1%の株を保有する大株主となります。

2020年12月にPCR検査の対象を2021年3月から個人に広げると表明しました。

企業や自治体など法人向けに限定していましたが新型コロナウィルスの感染者数が増え続けているため対応する考えです。

2021年3月に株式分割考慮後で2000年2月15日以来約21年1カ月ぶりの高値をつけました。

米国のハイテク株と相関性が高い<ソフトバンクグループ>の株の買いが優勢になりました。

2021年3月に動く物体の間で光を使った無線通信を事業化すると発表しました。

自動運転やドローンの実用化が進むなか高速通信規格『5G』を補助する仕組みや水中での通信環境の確立を目指します。

<ニコン>との共同事業で2025年度までの事業化に漕ぎ着けます。

2021年4月に傘下の仮想移動体通信事業者である<LINEモバイル>を完全子会社しました。

<Zホールディングス>と<LINE>の経営統合を機に<LINE>のブランド力などを携帯事業に生かします。

2021年4月に米国<サンバノバ・システムズ>に出資すると表明しました。

<サンバノバ・システムズ>は人工知能アプリに利用するハード・ソフトウエア開発の会社です。

2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結決算は純利益が4兆9879億円でした。

国内企業の純利益では過去最大を更新しました。

昨年度の『2020年3月期』は9615億円の赤字でしたが世界的な株高の恩恵を受け世界の有望ベンチャー企業に投資する運用成績が大幅に改善しました。

通信子会社<ソフトバンク>の事業別利益は8479億円でしたが世界の有望スタートアップに投資するビジョン・ファンド事業の利益は4兆268億円で全体の70%を占めています。

孫正義会長兼社長は1兆円単位の利益の増減は「もはや<ソフトバンクグループ>にとってニューノーマル」と述べています。

さらに手元資金など資金力をファンドに集中すると表明しました。

「400社、500社と増やしていく」と投資先について述べており224社と昨年から倍増した投資先も倍々で増やす考えです。

「2年前は手探りだったが投資会社としての仕組みができた」「5兆円の利益にも達成感はない」と孫正義会長兼社長は述べていて投資を拡大する意向を示しています。

今日の企業事例である<ソフトバンクグループ>を少し俯瞰して見てみましょう。

「2年前は手探りだったが……」と孫正義会長兼社長は述べていますが2017年設定の『1号ファンド』ではサウジアラビア政府系ファンドなど出資者に毎年7%の固定利回りを約束するなど外部の資金流出が課題になっていました。

そこで自前主義への転換を図り2020年には自社が全額出資する形で『2号ファンド』の運用を始めました。

やがて『1号ファンド』の投資先企業の一部を売却して『2号ファンド』を通じ新たな有望ベンチャー企業に投資するという循環が生まれてきました。

「出資段階で95%くらいが真っ赤っかでさらに赤字が増え続けている状態だった」「そこに投資するのは勇気がいる一歩間違えれば奈落の底」と孫正義会長兼社長は当時の投資をする状況を明かしています。

「大事なのは上場株になる会社を増やし続けることだ」「10年、20年の単位で伸びるのか下に行くのかを見極めることが重要」とも述べています。

投資先の上場と株式売却は『2021年3月期』で14社今期(2022年3月期)は数十社出てくると説明しています。

孫正義会長兼社長は多くの危機を乗り越えてきたと言われていますが一つ目は創業直後に1000万円の資本金の大半を使って大阪で開かれた展示会に出展した時2つ目は慢性肝炎を患い医師から「最悪、余命は5年」と告げられた時3つ目は株式を店頭公開して資金を手にし次から次へと大型買収をした時「大型買収が立て続けに損切りで売却5000億円も突っ込んで全部損切り」

それらに比べれば昨年度の危機は余裕の状況と述べています。

「<ソフトバンクグループ>は投資会社になった」と孫正義会長兼社長は繰り返してきました。

しかし60代で後継者にバトンを託すと述べてきましたが候補者は絞り込めてはいません。

「ビジョンを共有できてテクノロジーに強い関心がありファイナンスも理解できなきゃダメ」と後継者像について述べていますが類稀(たぐいまれ)なる創業者に合格点をもらえる後継者は存在しないと言っても決して過言ではありません。

後継者の育成と承継問題が<ソフトバンクグループ>にとって企業存続の最大の課題となります。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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