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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第444話 三菱UFJフィナンシャル・グループのビジネスモデル

2021年6月4日 執筆:渡邉ひとし

コロナ禍にもかかわらず2020年度に最高益を達成した会社をご存知ですか?

最近ではテレビのコマーシャルでもよく見る会社名でもある<アイリスオーヤマ>です。

発売する新商品は年間1000点以上で2万5000点にものぼる商品の新商品比率は60%超といいます。

スピード開発できる秘密はご存知の方も多い毎週月曜にある新商品開発会議です。

朝9時ごろから17時すぎまで昼休憩をはさんで続けられます。

1日の会議で議論する案件は50~60件にもなりますからそれぞれの持ち時間は5~10分です。

わずかな時間で新商品のコンセプトや魅力を伝え切り社長の決裁を得なければなりません。

「責任者が一堂に会して議論するので即断即決ができる」「長々議論しているのではなくさまざまな調整作業を一気に1日で終える場と考えている」と大山晃弘社長は述べています。

最終段階まで残った開発商品の場合あらためてコンセプトを説明し競合となる商品に対する機能の特徴や原価提案など発売に向けた具体的な提案へと話しを進めていきます。

市場分析の説明などプレゼンで使ったエクセルのシートは3枚ですが市場の売れ筋商品を紹介する内容や販路別など細分化した分析などプレゼンに使っていないシートは10枚以上用意しています。

どんな質問でもその場で答えられないと発売できなくなってしまうと言います。

「この会議でどう説得するかプレゼンする社員は非常に力を注ぎその入念な準備がお客様や関係会社を説得するときに必ず役に立ちます」と大山晃弘社長は述べています。

中途半端な社員教育よりも社員が成長できる場でもあります。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第444話<三菱UFJフィナンシャル・グループ>です。

(*写真はイメージです)合併など経営統合してメガバンクへ1996年4月に外国為替専門銀行の<東京銀行>と<三菱銀行>が合併して<東京三菱銀行>を設立しました。

2001年4月に<三和銀行><東海銀行><東洋信託銀行>が株式移転で経営統合し<UFJホールディングス>を設立しました。

2001年4月に<東京三菱銀行><三菱信託銀行><日本信託銀行>が株式移転し<三菱東京フィナンシャル・グループ>を設立しました。

2005年10月に<三菱東京フィナンシャル・グループ>が<UFJホールディングス>を合併して<三菱UFJフィナンシャルグループ>を設立しました。

2006年1月に<東京三菱銀行>と<UFJ銀行>が合併して<三菱東京UFJ銀行>を設立しました。

『2015年3月期』の決算で国内銀行グループにおいて初の純利益が1兆円を超えました。

<三菱UFJフィナンシャルグループ>のビジネスモデル2019年12月に国内初となる外貨建てでのソーシャルボンド(社会貢献債)を発行しました。

ソーシャルボンドは調達した資金を社会的課題を解決する事業に限って使う社債ですが調達資金を東日本大震災や台風などの災害からの復興や病院や公立学校の整備に関わる融資に回す考えです。

2019年12月に東京・日本橋にスタートアップ企業と交流するための拠点を設けました。

社員が常駐して次世代の金融サービス創出につなげる狙いです。

「外部に開かれ様々な意見がある組織こそイノベーションを起こせる」と<三菱UFJフィナンシャルグループ>の三毛兼承社長は述べています。

2020年1月に亀沢宏規副社長が社長兼最高経営責任者に昇格すると正式に発表しました。

デジタル事業を統括してきた亀沢宏規副社長はメガバンク初となる理系トップですが4月1日付で社長兼最高経営責任者に昇格します。

2020年3月に『2020年3月期』の連結決算で約3600億円を損失計上すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による東南アジアの子会社の株価下落を受け持ち分を減損処理します。

2020年4月に2023年度までに従業員を8000人減らすと表明しました。

人工知能の活用や店舗数の削減の実施により2017年度時点の20%相当の従業員を減らす考えです。

2020年5月に新型コロナウイルスの感染拡大により困窮した学生を支援するために10億円を寄付すると発表しました。

<日本学生支援機構>と<あしなが育英会>に5億円ずつを寄付します。

2020年5月に店舗数を2017年度末比で約200店舗減らす方針を表明しました。

2017年度末の店舗数515店のうち2023年度までに40%減らします。

2020年6月に<日本生命保険>などとESG情報開示の研究会を発足すると発表しました。

『ESG(環境・社会・企業統治)』の取り組みについて日本文化などを非財務的な価値として独自に指標化することを検討します。

2020年11月にブロックチェーン基盤を使った高速大容量の決済ネットワークサービスを米国<アカマイ・テクノロジーズ>と設立した子会社で2021年に開始すると表明しました。

大量のデータを従来よりも低コストで高速処理できるためクレジットカードの少額決済などにも応用する方針です。

2020年11月に三菱グループの創業150周年を記念した式典を開催しました。

「三菱グループはやや自前主義な部分もあると思う」「激しい変化や競争の時代を生き抜くには打ち破らないといけない」「変化の時代には状況への対応力が問われる」「デジタル化を見据え外部企業との協業も大切になる」と<三菱UFJフィナンシャル・グループ>の平野信行会長は述べています。

2020年12月に<三菱UFJ銀行>の頭取に半沢淳一氏が昇格すると正式に発表しました。

副頭取と専務の計13人を抜き同行で初めて常務から頭取になります。

人気ドラマ『半沢直樹』の原作者である池井戸潤氏と同期で<三菱銀行>に入行しました。

世代交代を早めることでビジネスモデルや企業文化の改革を進める考えです。

2021年3月に傘下の<三菱UFJ銀行>が2022年春の新卒採用の一部に能力に応じて給与が決まる仕組みを導入してデジタル関連の専門人材で大卒1年目から年収が1000万円以上になる可能性があると表明しました。

専門性などに応じて新卒の年収を引き上げてIT(情報技術)企業や外資系に流れていた人材を取り込む狙いです。

2021年3月に富裕層向け資産管理ビジネスの変革を支援すると表明しました。

米国<モルガン・スタンレー>のマネージング・ディレクターを務めるダレン・スペンサー氏は富裕層部門で最高執行責任者を務めていましたが日本に拠点を移し2021年初めから富裕層向け資産管理ビジネスの本格的な支援活動を開始しています。

<三菱UFJフィナンシャル・グループ>は傘下の証券2社を2020年8月に合併し富裕層ビジネスの専門人材を2022年までに現状の3倍弱の1600人にする方針を掲げました。

2021年4月に2030年度までに環境・社会分野への投融資を35兆円にすると発表しました。

『SDGs(持続的な開発目標)』への取り組みを支援する投融資である『サステナブルファイナンス』は融資やファンドによる出資を想定しています。

2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結純利益は前期比47%増でした。

持ち分法適用会社の米国<モルガン・スタンレー>が好調だったほか国内での証券業務が利益を押し上げました。

そのほか国内外の経費の削減が進み経費率が低下しています。

今日の企業事例である<三菱UFJフィナンシャル・グループ>を少し俯瞰して見てみましょう。

マイナス金利で徐々に経営体力が奪われメガバンクの危機感は強くなっています。

<三菱UFJフィナンシャル・グループ>は2023年度までに2017年度時点で500店超あった店舗数を40%減らし残りの店舗も半数近くを取扱業務を絞った店舗に切り替えます。

タブレット端末やオンライン窓口を活用し資産運用の相談に特化した店舗を増やしていく考えです。

この5年で実店舗への来店客が半減しスマートフォン経由のネットバンキング利用者は2.5倍に増えました。

2021年4月に傘下の<三菱UFJ銀行>の頭取に半沢淳一氏が就任しました。

13人抜きで大抜擢されたのも世代交代を早めてビジネスモデルや企業文化の改革を進める狙いです。

半沢氏は銀行の中枢である経営企画部門を歩み2018年には名古屋の営業責任者に就任。

直近では最高法令順守責任者を務め海外のコンプライアンス体制の強化などに取り組んでいました。

今春には6つある事業部門に新たにデジタル領域を専門に扱う7つ目の部門を加えました。

店舗削減を続ける国内リテール分野でスマートフォンなどをつかった非対面の取引手法を拡充する狙いです。

2020年12月には<三菱グループ>が創業から150周年の節目を迎えました。

<三菱グループ>の主力上場21社の時価総額合計は12月時点で25兆円でした。

主力上場21社を合計しても時価総額は米国<Google>の持ち株会社である<アルファベット>の4分の1です。

<三菱グループ>の『三綱領』は初代から4代まで社長が受け継いできた精神をまとめたものですが一つは『所期奉公』で企業は社会の公器であるべき。

2つ目は『処事光明』でフェアプレーに徹するべき。

3つ目は『立業貿易』で常にグローバルな視点で事業展開と稼ぎ方を考えるべき。

「困難な時代にこそ“創業の精神” に立ち戻れ」という言葉がありますが銀行を取り巻く構造変化の大波は避けようもありません。

他分野からフィンテック勢の攻勢が著しくなっています。

デジタルとリアルの両面で金融ビジネスの『ニューノーマル』にどう対応していくかが<三菱UFJフィナンシャル・グループ>の企業存続の最大の課題です。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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