未来会計志向型 経営戦略コンサルタント瞑想するための空間がホテルにあったら利用しますか?
2022年から瞑想に特化した空間『MU ROOM(ムルーム)』を<パナソニック>は全国のホテルなどに提案します。
2畳ほどの立方体に近い空間に独自の微細なミストにつつまれながら鳥のさえずりや川のせせらぎなど森林にいるのをイメージした音を聞いてリラックスすることができます。
瞑想プログラムは<早稲田大学>の熊野宏昭教授が監修し癒やし効果のある音や香りを演出し瞑想に集中しやすくした空間で2025年度までに1000室の納入を目指しています。
「電子機器に囲まれる生活が日常化しデジタルデトックスの需要が高まっている」と<パナソニック>のビジネスソリューション本部の金子司課長は述べています。
デジタル化が進めばヒトは振り子のバランスを取るように心や脳をすっきりさせる『マインドフルネス』の方向へ関心の振り子が振れていくようです。
このたび私事ですが『SDGsビジネスコンサルタント』の資格を取得して活動を始めました。
会社の経営や現在の事業に『SDGs』の考え方を導入して社内外にアピールするなどの活動支援をしています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第447話<パナソニック>です。
(*写真はイメージです)松下電器器具製作所からPanasonicへ1917年6月に創業者である松下幸之助氏が電球用ソケットの製造販売を始めました。
1918年3月に<松下電気器具製作所>を設立しました。
1927年に『ナショナル』の商標を使い自転車用角型ランプの販売を始めました。
1935年に<松下電器産業>に改組して<松下電器>など9分社を設立しました。
1947年に専務取締役で義弟の井植歳男氏が公職追放され<三洋電機>を設立しました。
1954年に<日本ビクター>と資本提携しました。
1966年に『NATIONAL』を国内向け製品に『PANASONIC』を海外向け製品などに使用開始しました。
2002年に業績悪化により事業再構築を進め13000人が早期退職しました。
2008年10月に<パナソニック>に商号を変更しました。
2011年4月に<三洋電機>を完全子会社化しました。
2017年10月に<パナホーム>を株式併合により完全子会社化しました。
2018年3月に創業100周年を迎えました。
<パナソニック>のビジネスモデル2019年12月に<トヨタ自動車>と車載用電池の共同会社を設立すると発表しました。
2020年1月に電気自動車などに使う車載電池の生産会社を共同で設立し<パナソニック>の加西工場や中国・大連工場など4工場で車載電池を生産する計画です。
2020年1月に<トヨタ自動車>と住宅事業を統合して新会社を発足させました。
<プライムライフテクノロジーズ>の傘下に入る会社は『パナソニックホームズ』『トヨタホーム』『ミサワホーム』の3社で3社合計の戸建て住宅の販売棟数は2018年度で1万5千棟超となり国内2位に浮上します。
社長には<パナソニック>の北野亮元専務執行役員が就任。
『パナソニックホームズ』は創業者の松下幸之助氏が1959年にスタートさせ『トヨタホーム』は創業家出身の豊田章一郎名誉会長が1975年にスタートさせました。
2020年2月に東南アジアで住宅設備市場に本格参入すると発表しました。
システムキッチンやユニットバスの開発・販売を強化し2022年3月期に東南アの売上高を2018年度比7割増に押し上げる狙いです。
2020年5月に発表した『2020年3月期』の連結決算は純利益が前期比21%減でした。
電気自動車メーカー<テスラ>向け車載電池事業が赤字だったほか欧州の自動車メーカーとの取引で発生した減損損失も重なり自動車関連の営業赤字が拡大しました。
中国経済の失速の影響が大きかった産業機械事業の営業利益は93%減少し家電も海外でテレビが苦戦し営業利益は35%減でした。
2020年7月に『2021年3月期』中にレジ端末事業からの撤退を表明しました。
今後は工場から店頭までのサプライチェーン全体を管理するサービス事業に取り組み流通業向け事業では『モノ売りからサービスで稼ぐ』ビジネスモデルへの転換を急ぐ考えです。
2020年8月に<テスラ>の電気自動車向け電池の生産能力を増強すると表明しました。
主力車『モデル3』の販売拡大や新型車の生産増に対応し<テスラ>と共同運営する米国ネバダ州の電池工場の能力を高めます。
2020年9月に半導体事業を台湾<新唐科技>に売却する手続きが完了したと発表しました。
主にイメージセンサーやリチウムイオン電池の制御用の半導体を手がける子会社を売却しました。
2020年9月に米国を中心にスタートアップ企業に投資するファンドの立ち上げを発表しました。
デジタルマーケティングなどBtoB分野を中心に出資し先端技術に優れた現地企業と組み新規事業の創出を加速する狙いです。
2020年10月に空気清浄機『ジアイーノ』の生産能力を前年度比3倍に増強すると表明しました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う室内環境への意識向上で2020年度の売上高が急増するのを見込んで生産能力を台数ベースで3倍に引き上げます。
2021年1月にコバルト不使用のリチウムイオン電池の開発に取り組むと発表しました。
コバルトは希少金属で価格も高く電気自動車などの電池の価格低減の壁となっていました。
5%以下のコバルト比率を今後数年でゼロにする考えです。
2021年2月に家庭向けの会話ロボット『ニコボ』を開発したと発表しました。
<豊橋技術科学大学>と共同開発したロボットは全長20センチほどの球体で話しかけると言葉をまねしたり尻尾を振ったりします。
単身者やシニア層の購入を見込んでいます。
20201年3月に自動車へのサイバー攻撃を監視するサービスを始めると発表しました。
サイバー対策ソフト大手の米国<マカフィー>と組んで監視センターを設立し2024年をメドに自動車会社から監視を引き受けます。
2021年4月に常務執行役員だった楠見雄規氏が最高経営責任者に就任しました。
2022年4月に持ち株会社制に移行し傘下に事業領域ごとに設立する子会社がぶら下がります。
2021年4月に米国<ブルーヨンダー>を買収することで合意したと表明しました。
製品在庫や物流の管理などサプライチェーン・マネジメントで必要なソフトウエアを幅広くそろえ複数のシステムを統合することでサプライチェーン全体を最適化できます。
サプライチェーン・マネジメントシステムで業界トップの<ブルーヨンダー>の買収で『売り切り型』の製造業モデルからビジネスモデルを転換させる狙いです。
2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結決算は純利益が前期比27%減でした。
家電製品や黒字転換した<テスラ>向け車載電池などが堅調でしたが新型コロナウイルス禍により世界で航空便の数が急減し航空機向けシステムの販売が落ち込み各事業で固定費削減を進めましたが補えませんでした。
2021年6月に新型コロナワクチンの職場接種の対象に社員の家族を加える方針を表明しました。
社員や協力会社の従業員への接種を始め状況を見ながら対象を広げる考えです。
今日の企業事例である<パナソニック>を少し俯瞰して見てみましょう。
今年、2021年4月に米国の<ブルーヨンダー>の買収を決めたと発表しました。
<パナソニック>のM&Aとしては最大級の約8000億円にもなる買収金額となります。
そのため買収額などを巡り社内外からの反発が強く買収計画は頓挫しかけていました。
と言うのも……1990年代前半に買収した米国の映画大手<MCA>の場合は当時約7800億円という大型買収で5年にも満たない短期間で売却することになりました。
<三洋電機>の買収でも結局は主力事業の売却などで終わりました。
つまり<パナソニック>のM&Aはこれまでに期待した効果を出せていませんでした。
社長の津賀一宏氏は2012年に社長に就任しプラズマテレビからの撤退など事業を再構築するとともに『BtoB(企業向けビジネス)』の強化を打ち出して改革に取り組んできました。
しかしハード主体の車載事業は方向性が見えやすいのですがソリューション型事業は中核となるソフトウエアが無ければイノベーションは起こせないという結論に達しました。
様々な現場でデータを取得する機器を持つ<パナソニック>とそのデータを活用して人工知で需要などを予測しムダを排除するサプライチェーンソフト大手である<ブルーヨンダー>との相乗効果で『作って、運んで、売る』というサプライチェーン全体で顧客を支援する事業の強化が可能になります。
家電など約30の事業部の大半が成熟したビジネスで社会の変化から遅れていくと危機感を募らせていた社長の津賀一宏氏でしたが退任する津賀一宏氏に変わり6月24日に社長に就任した後任の楠見雄規氏が本格的な買収後の統合作業を終え大型買収の相乗効果が出せるか。
新たな成長事業への取り組みの成否が<パナソニック>の企業存続の『分水嶺』となります。


