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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第450話 NECのビジネスモデル

2021年7月16日 執筆:渡邉ひとし

未来会計志向型経営戦略【ビジネスモデル】未来会計志向型 経営戦略コンサルタント社員の方の通勤形態は電車などの公共交通機関ですかマイカー通勤ですか?

コロナ禍によるテレワークの普及や外出自粛などの影響を受け鉄道などの通勤利用客数は大幅に減っています。

7月9日に<国土交通省>が発表した2020年度の都市鉄道混雑率調査結果は東京圏主要区間の平均は2019年度の163%から107%に大阪圏は23ポイント減の103%名古屋圏も28ポイント減の104%と大幅に下がり1975年以降で過去最低となりました。

調査結果にある全236区間のうちピーク時の輸送人員が1万人以上減ったのは計48区間でそのほとんどが首都圏の路線でテレワークの普及度合いが輸送人員減に影響しています。

コロナ禍が収束しても以前の利用者数と同水準には戻らないとの見方がほとんどで<JR東日本>や<JR西日本>は混雑時と平時で運賃を変える変動運賃制の導入を検討しています。

時差通勤を広めるなど働き方改革も含めラッシュ時の利用を分散させることが企業や交通機関の課題となっています。

鉄道事業などは収益構造を見直しビジネスモデルを再構築することが求められています。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第450話<NEC>です。

(*写真はイメージです)個人消費者向け製品から法人向け製品へ1899年7月17日に米国<ウェスタン・エレクトリック>と岩垂邦彦氏により日米合弁会社の<日本電気>を設立しました。

1943年に住友グループの傘下となり<日本電気>を<住友通信工業>と社名を変更しました。

1945年に<住友通信工業>の社名を<日本電気>へ変更しました。

1958年にコンピュータ開発に取り組みました。

1966年に<日本板硝子>と光ファイバー『セルフォック』を開発しました。

1970年に日本初の人工衛星である『おおすみ』を製造して運用に成功しました。

1977年に小林宏治会長によって『C&C』のスローガンが提唱されました。

1982年にパソコンの『PC-9800シリーズ』が発売され爆発的人気機種となりました。

1985年にスーパーコンピュータ『SX-2』が世界最速となりました。

1992年から<日本電気>を『NEC』と対外的に通称するようになりました。

2003年4月に『C&C』のコンセプトに回帰してコンピュータシステムと通信を中心とした電機メーカーへと転換しました。

2014年に2件の海底ケーブルの敷設を受注しました。

2019年3月に量子コンピューターの研究室を<産業技術総合研究所>と設立しました。

<NEC>のビジネスモデル2020年1月に<横浜市立大学>と産学連携協定をデータサイエンス分野で結びました。

<横浜市立大学>は大学院にデータサイエンス分野の研究科を設けるなど研究体制を強化し<NEC>が<横浜市立大学>に講師を派遣したり学生を受け入れてAIなどを活用した課題解決のノウハウを習得させたりする方針です。

2020年2月にインドで健康診断サービスの普及に向けて州政府と協業すると発表しました。

インドは健康診断が定着しておらず病気が発覚したときは重症になっている場合があるため<NEC>は事業展開を通じて病気の早期発見に貢献したい考えです。

2020年3月にデジタルサイネージの視聴時間測定の実証実験を始めると表明しました。

5月中旬から<セブンイレブン・ジャパン>の店舗で電子看板に設置したカメラで来店客の視線を検知し年齢や性別ごとの効果を測定します。

店舗の利便性や運営効率の向上に取り組む考えです。

2020年5月に顧客情報を提供する共通システムを稼働させると発表しました。

<三菱UFJ銀行><三井住友銀行><みずほ銀行>などと顧客の同意を得て本人確認の作業が必要な事業者に個人情報を提供する共通システムを6月より稼働させます。

なりすましなどを防ぐ本人確認サービスの基盤として拡大を見込んでいます。

2020年5月にマルウエアに感染するリスクを防ぐ装置の販売を開始したと発表しました。

インターネットの閲覧時にパソコンがマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染するリスクを防ぐため装置と専用ソフトを組み合わせパソコンが外部と直接通信せずにネットを閲覧できる環境を実現します。

2020年6月に<NTT>と先端通信網の共同開発で資本・業務提携すると発表しました。

次世代通信規格『5G』など共同で次世代技術の開発を急ぎ劣勢だった海外での巻き返しにもつなげる狙いです。

「一番期待しているのはNTTという超巨大な通信会社と世界に出て行けることだ」と<NEC>の新野隆社長は提携の狙いについて述べています。

2020年7月にハワイの主要5空港に感染症対策サービスを提供したと発表しました。

顔検出や生体認証技術を用いることで渡航者ら大勢の人が行き交う空港でも迅速に体温の測定や人物特定ができます。

2020年10月に事業を創出するための新会社を共同で設立し事業を開始すると発表しました。

<BIRD INITIATIVE>への出資は<NEC>や<大林組など6社が運営する<オープンイノベーション推進1号投資事業>。

顧客企業の課題を解決するサービスの研究開発を委託事業として請け負います。

2020年10月に<大和ハウス工業>と建設現場を遠隔管理する取り組みを始めました。

建設業の人手不足が深刻化するなか現場監督者の作業効率を30%向上できる見通しです。

2020年10月にスイスの金融ソフト大手となる<アバロク>を買収すると発表しました。

「デジタル化は行政と金融で加速する市場の潮流をとらえてグローバルに進出する」と<NEC>の新野隆社長は買収の狙いを述べています。

<アバロク>は世界30カ国150社以上の金融機関向けにソフトウエアを提供して顧客基盤に強みを持っています。

2020年11月に<京都橘大学>と人工知能やITに関する連携協定を結びました。

2021年4月に新設する工学部などではNECの社員を招きITを学べる講座を開いたり共同でプロジェクトを実践したりする考えです。

2020年11月に低価格のスーパーコンピューターの事業を始めると表明しました。

CPUなどの中核部品を協業先に提供しサーバーなどは汎用品を使ってコストを下げることができます。

一般的なビッグデータ解析などに対応しスパコンの垣根を下げて産業界での幅広い活用を促す考えです。

2020年12月に<日本製鉄>と設備異常を予測するシステム構築の連携を発表しました。

人工知能を活用し2千種類以上のデータをリアルタイムで分析し異常発生の未然防止などにつなげます。

2020年3月にセキュリティー知識のある人材の育成ビジネスに乗り出すと表明しました。

デジタルトランスフォーメーションが進み専門知識を持った人材を確保する動きが強まるとみて人材育成を事業化します。

2021年5月に発表した『2021年3月期』の決算は連結純利益が前期比50%増と過去最高となりました。

高速通信規格『5G』向けの事業が伸び長年の構造改革が一段落しました。

「今のNECはようやく普通の会社の状態に戻った」と4月に新社長に就任した森田隆之社長は述べています。

従来の『3カ年中期経営計画』から『5カ年中期経営計画』に変更した狙いについては「先が見えにくい時代だからこそ長期的な視点に立って方向性を考え手を打つ」「投資から成果の刈り取りまでを含めると3年でビジネスを回したり思考を転換したりすることは難しいだろう」と『5カ年中期経営計画』について見解を述べています。

2021年7月に<マイクロソフト>とクラウドサービスで提携すると表明しました。

<NEC>の人工知能や『5G』技術を<マイクロソフト>のクラウド基盤と組み合わせるなど働き方改革向けでの導入を目指し新サービスを開発する考えです。

今日の企業事例である<NEC:日本電気>を少し俯瞰して見てみましょう。

2021年6月にデジタルトランスフォーメーションの推進プロジェクトを立ち上げました。

最高経営責任者直属で専門組織を新設し2026年3月末までに自社のプロジェクトの推進費用として約500億円を投じる考えです。

デジタルトランスフォーメーションに関する約150の社内の取り組みなどのプロジェクトで知見を蓄積しその後は顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する事業を成長の柱に育てる計画を掲げています。

<NEC>は事業売却を長年繰り返し会社の形は大きく変わりました。

『2022年3月期』から始まった『5カ年中期経営計画』を掲げ投資額の枠を設定しない方針です。

新型コロナ禍で日本のデジタル化の遅れや問題点が明らかになりました。

政策や制度を含めて前向きな取り組みが進むと期待されています。

「成長領域と定める5Gや行政・金融IT分野などでトップ企業に照準を合わせた施策を進める」「過去に買収した日米の企業などは10年がかりでシナジーを出し始めた」と森田隆之社長は今後の抱負を述べています。

これまで官公庁や企業などから独自仕様のシステム開発を請け負うビジネスモデルが主体ですが開発人員が膨れ上がったり途中で想定外の問題が発生したりするリスクも少なくありません。

顧客ごとにシステムを作ることで開発に手間がかかり利益率も低くなります。

高速通信規格『5G』やデジタルトランスフォーメーションを成長事業と位置づけたなかで利益率を高めた仕組みづくりとビジネスモデルの構築が当面の課題となります。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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