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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第458話 LIXILのビジネスモデル

2021年11月1日 執筆:渡邉ひとし

< LIXIL >のビジネスモデル今日もブログを読んでいただき有難うございます。

隔週金曜日に発行していましたが金曜日から月曜日の発行へ変更しました。

週の平日の始まりの朝から読んでいただき仕事へのヒントに繋がれば幸いです。

政府の緊急事態宣言や各自治体における規制などが解除され新型コロナ感染拡大前の通常業務に戻りつつある会社も少しずつ増えてきているようです。

とは言え『beforeコロナ』の頃と同じ状態に戻ることはありません。

コロナ禍で業態を変えてしまった大手飲食チェーンだけでなくリモートワークに慣れ巣ごもり消費が日常になった一般生活者にとってはそれまでの『非日常』感覚だったことが『日常のライフスタイル』へと変わってしまったからです。

しかも『7つのテクノロジー』により従来の暮らしや社会が確実に変化し続けています。

これからの『新消費生活』がどのように変わるか?

予測をしながら従来の事業を変容させていくことが急務です。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第458話< LIXIL >です。

(*写真はイメージです)建築材料・住宅設備機器業界の最大手2010年4月に<住生活グループ>の営業戦略立案を目的に< LIXIL >が設立されました。

2011年4月に<トステム>を存続会社として<INAX><新日軽><LIXIL>と<東洋エクステリア>を吸収合併し2代目<LIXIL>に商号変更しました。

2012年4月にグループの<LIXILビバ>の事業を譲り受け会員制建築資材卸売り店舗事業を統合。

2013年4月に『金属・建材カンパニー』と『住設・建材カンパニー』が統合し『LIXILプロダクトカンパニー』を新設。

2015年4月に『LIXIL Water Technology』『LIXIL Housing Technology』『LIXIL Building Technology』『LIXIL Kitchen Technology』の4つのテクノロジー事業と販売・サービスを担う『LIXIL Japan Company』で構成する新事業モデルを開始しました。

2018年4月にテクノロジー事業のうち『LIXIL Kitchen Technology』を『LIXIL Water Technology』へ統合。

2020年4月に『LIXIL Japan Company』を廃止し<LIXILグループ>が新設した『営業事業本部』へ移管・統合しました。

< LIXIL >のビジネスモデル2020年5月に伊国の子会社<ペルマスティリーザ>の米国<アトラス>への売却を発表しました。

創業家の潮田洋一郎氏の主導で買収して経営不振で足を引っ張ってきました。

その結果、『2020年3月期』の当期利益を176億円から320億円に上方修正しました。

「基幹事業以外の分野におけるリスクを低減し変革を次の段階へと進めることができる」と瀬戸社長兼CEOは述べています。

2020年6月にホームセンターを運営する上場子会社<LIXILビバ>を売却すると発表しました。

1977年に旧<トーヨーサッシ>の子会社として設立された会社で関東地方を中心に『スーパービバホーム』など約100店舗を展開しています。

保有する<LIXILビバ>株を<アークランドサカモト>に売却します。

本業の住宅設備事業に経営資源を集中させ資本効率の改善を狙う考えです。

「メーカーに専念する水回り事業や建材事業を中心にやっていく」と<LIXILグループ>の瀬戸欣哉社長兼CEOは述べています。

2020年7月に発展途上国向けの手洗い器『SATO Tap』を開発しました。

新型コロナウイルス防止には手洗いが有効ですが世界では約30億人が手を洗うことが困難な状況にあるといわれます。

プラスチック製の本体とノズルで構成されていて途上国でも広く普及している様々な形状のペットボトルに対応し水を入れたペットボトルを取り付けることで簡易的な水道のように使えます。

2019年11月時点で世界の27カ国に発展途上国向けの簡易式トイレ『SATO』も約300万台を出荷しています。

2020年7月に『株主優待制度』を廃止すると発表しました。

株主優待対象商品を利用したリフォーム工事を行った施主に商品券を送付するなど実施していましたが公平な利益還元のあり方という観点や制度の利用者数・利用率なども検討を重ねて廃止を決定しました。

2020年10月に新デザインのリノベーション向けの内窓を全国で発売しました。

新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務などで家にいる時間が長くなる傾向にあるためインテリアに美しくなじむようデザイン性を向上させ高まる快適な住空間の需要をリフォームで取り込む狙いです。

「これまでリフォームといえば水回りが中心だったがコロナ禍で窓やドアへのニーズが高まっている」とサッシ・ドア事業部長の田村光宏氏は述べています。

2020年9月に本社に東京23区内の支社や子会社など23拠点を段階的に集約すると表明しました。

新型コロナの感染拡大で在宅勤務を基本にして各拠点の出社率は4割を超えないよう抑えています。

本社に在籍の約5000人も在宅勤務に移行しているため機能を集約してもオフィスなどのスペースは確保できると判断しました。

オフィスは直接コミュニケーションをとり新しいアイデアの創出などの場として位置づける考えです。

2020年10月に募集人数は1200人で希望退職を募集すると発表しました。

対象者は事業会社<LIXIL>に在籍する40歳以上かつ勤続10年以上の工場の人事総務・経理部門以外やデジタル部門などを除く正社員の約9千人です。

新築住宅市場は急速に縮小するなど取り巻く環境は大きく変化していて長期にわたる持続的な成長に向け組織の簡素化やデジタル化の推進といった重点分野の見直しをする考えです。

2021年1月に蓄電池『スマート蓄電システム』を4月1日から発売すると発表しました。

蓄電池『スマート蓄電システム』は災害警報発令時に自動で充電し気象データから発電予測を行って電力消費を予測して充放電を最適化する人工知能を搭載しています。

ほぼ1日分の電力をためることができ災害時でも必要最小限の家電を長時間使えます。

2021年3月にアルミ建材を生産する前橋工場を2023年3月末に閉鎖すると発表しました。

国内において住宅着工件数の減少が見込まれるため生産体制を見直して効率化する考えです。

2021年3月にバイオマスプラスチック開発の企業連合に参加すると表明しました。

<ユーグレナ>のミドリムシ由来のバイオマスプラスチック開発に向けて13の企業や自治体でスタートします。

2021年4月に建具や床材などの『ラシッサ』シリーズの新商品を発売しました。

室内建具に木目柄の新色を追加するほか床材には環境に優しい国産針葉樹合板を採用します。

国産針葉樹合板は循環利用が可能な材料で国産のため輸送距離が短く輸送過程の二酸化炭素排出量を減らすことができます。

持続可能な開発目標『SDGs』の達成に向け社会貢献を図る考えです。

2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結決算は純利益が前期比2.6倍でした。

イタリアのビル建材会社とホームセンター運営の<LIXILビバ>の売却益などが利益を押し上げました。

2021年10月に『2022年3月期』の業績予想を据え置きました。

「アルミ価格の高騰が想定以上で物流網の逼迫(ひっぱく)も2022年4~6月期まで続きそう」と瀬戸欣哉社長は先行きの不透明さを強調しました。

今日の企業事例である< LIXIL >を少し俯瞰して見てみましょう。

東京オリンピック・パラリンピックで< LIXIL >は東日本大震災で被災した東北地方の仮設住宅から窓サッシを回収しアルミニウムの塊にリサイクルして聖火トーチの素材の約3割に採用しました。

< LIXIL >はアルミ材の再利用に25年以上取り組んでいて年間約35万トンの二酸化炭素の排出量を削減しています。

アルミは金属の製造時に膨大な電力を使いますがアルミ材を別のアルミ材にリサイクルする消費電力量は一から地金を造る場合に比べて約3%で済むといいます。

超低金利に加え新型コロナウイルス禍での在宅勤務普及が重なりアメリカで住宅ブームが発生しています。

木材需要が予想外に膨れ上がり価格は約1年で6倍まで高騰しました。

丸太の5割をアメリカ製材の3割をカナダなどからの輸入に頼っている日本は木材調達が難しくなっています。

日本の2020年下半期の北米産材の輸入量は前年同期比で30%減りました。

「大きなリスク要因はウッドショックによる国内の新築住宅着工の遅れだ」と< LIXIL >の瀬戸欣哉社長兼CEOは今年5月の決算説明会で述べています。

2020年11月に子会社<川島織物セルコン>が実施するMBOに応じて売却すると発表しました。

MBO(経営陣が参加する買収)に応じて保有する川島織物セルコン株を全て譲渡しました。

非中核事業を切り離して水回り製品やサッシなどに経営資源を集中させるためです。

イタリアのビル建材会社とホームセンター運営の<LIXILビバ>を非中核事業として切り離しました。

しかし中核事業のハウジング部門は規模が大きく固定費が重いアルミの溶解や成型の設備を持ち損益分岐点が高すぎるといいます。

以前にプロ経営者の藤森義明氏を招き海外拡大に舵(かじ)を切りましたが海外での会計不祥事もありました。

成長戦略をどのように描き直すか経営改革をスピードアップできるかがこれからの課題となります。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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