隔週月曜日に企業の事例をもとにブログとメルマガを発行しています上場企業の早期・希望退職を2021年に実施した企業は80社余りで1万5000人超に達します。
2020年は92社・1万8635人で2年続けて高い水準を維持しています。
コロナ禍で業績悪化に拍車を掛けたアパレル関連や観光関連などが多く最後の手段を選ばざる得ない状況です。
その他にも外食関連や広告・イベント関連などコロナによる影響が大きいといえます。
新たにオミクロン株による市中感染も国内で徐々に増え始め年明けの感染爆発が懸念されますが市場の将来性を見越しての全社員を対象にした人員削減は今後もしばらく続きそうな気配です。
2008年から言われ続けている『100年に一度の大転換期』に入りこれに真正面から向き合うことで自社の変革に本気で取り組んでいれば多少の災禍に動揺することも少なく立ち直るための体力も残っているはず。
短期的な対応に追われているとその先の光を見失いかねません。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第462話<オリックス>です。
(*写真はイメージです)多角的な金融サービスの会社です1964年4月に3商社5銀行により<オリエント・リース>として設立されました。
1972年3月に<オリエント・リース・インテリア>を設立しました。
1973年2月に<オリエント・オートリース>を設立しました。
1979年6月に<ファミリー信販>を設立しました。
1988年10月に<阪急ブレーブス>を買収しました。
1989年4月1日に<オリエント・リース>から<オリックス>に商号を変更しました。
1991年4月に<オリックス・オマハ生命保険>を設立しました。
1998年4月に<山一信託銀行>を買収しました。
1999年3月に<オリックス・リアルエステート>を設立しました。
2010年5月に<マネックス証券>と<オリックス証券>が合併しました。
2014年6月に宮内義彦氏が取締役兼代表執行役会長・グループCEOを退任しました。
<オリックス>のビジネスモデル2020年8月に発表した『2020年4~6月期』の連結決算は純利益が前期比28%減でした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でホテルや旅館の運営収入が減り航空機リース事業では機体の売却益が減りました。
2020年8月にスーパーマーケット<バロー>2店舗に太陽光発電の設備を備えました。
スーパー2店舗の屋根に太陽光発電設備を設置する電気の一部をリチウムイオン蓄電池に蓄えていて災害で停電が起きてもスーパーの事業を続けられるメリットがあります。
第三者が企業から施設や敷地を一部借り発電するという『第三者所有モデル』といわれる形式で設置しました。
2020年8月にドローンを使って太陽光発電用パネルの点検を代行する事業を始めました。
専門のスタッフが操作して異常がある箇所を人工知能が自動で分析します。
2020年8月に取引先の航空会社の8~9割から支払い遅延の要請があると表明しました。
「航空会社の経営の影響を我々も受けている」と<オリックス>の矢野人磨呂執行役財経本部長は述べています。
支払い遅延の要請を受けた6割程度に応じたと表明しています。
2020年8月に<ソニー銀行>と金融商品の販売で提携したと表明しました。
まずは<オリックス銀行>で<ソニー銀行>の住宅ローンの取り扱いを始めます。
秋には<オリックス銀行>が信託商品を<ソニー銀行>に提供します。
法定相続人以外に相続する際に遺言書なしに相続先を指定できる『遺言代用信託』を扱います。
信託銀行の免許を持つ<オリックス銀行>と住宅ローンに強みを持つ<ソニー銀行>がそれぞれの商品を融通し合うことで個人の資産形成に幅広く対応する考えです。
2020年9月にインドの再生可能エネルギー事業者に出資すると発表しました。
<グリーンコ・エナジー HD>はインドの再生エネルギー大手で原発4基程度に相当する4.4ギガワットの発電容量を持っています。
さらに8ギガワット以上の開発案件を抱えています。
2020年9月に米国で不動産関連の資産を運用するファンドを買収すると表明しました。
低所得者向けの住宅建設で得る税額控除の権利を資産化したもので投資家からの運用資産を増やして手数料収入を拡大する狙いです。
2020年9月に化学物質で汚染された工場跡地などの土地を再活用するための助言サービスを始めました。
<損害保険ジャパン>と組むことで土地の浄化工事や工事費用を抑えるための保険をセットで提供することができ融資などの金融機能と組み合わせて売却や再開発など浄化後の土地活用を<オリックス>は提案することができます。
2020年11月に次世代通信規格『5G』のインフラ事業に参入すると表明しました。
5G通信に必要な基幹機器メーカー<アプレシアシステムズ>の全株式を取得しましたが場所を限定して使う『ローカル5G』のシステムを主に開発して数年以内に幅広い顧客に売り込む考えです。
2020年11月にイスラエルの大手ベンチャーキャピタルに2021年3月までに出資すると表明しました。
<アワークラウド・インターナショナル・ジェネラルパートナー>はIT や医療などの次世代技術を使った有望企業の発掘が得意で起業が活発なイスラエルで新たな投資のタネを探る考えです。
2020年11月に<福岡中央銀行>と個人ローン向けの保証業務で提携したと発表しました。
<オリックス・クレジット>の保証を使うことで<福岡中央銀行>は資金使途を問わないフリーローンの新商品の取り扱いを始めました。
同様に<東和銀行>とも保証業務で提携したと表明しました。
2020年12月にスペインの再生可能エネルギー事業者を買収すると表明しました。
<エラワンエナジー>は欧州を中心に14カ国で風力・太陽光発電事業を手がけ原子力発電所で約3基分に相当する発電設備を開発し1万メガワット分以上の計画を持っています。
2020年12月に<インフォマティクス>を買収しデジタル地図事業へ参入すると表明しました。
カメラやセンサーで取得したデータを地図上に重ね合わせて表示する技術で自動運転や物流の効率化に不可欠な技術とされています。
2021年2月に英国の資産運用会社の買収を完了したと発表しました。
<グラビス・キャピタル・マネジメント>はESG関連の不動産やインフラを投資対象のファンドを運用しています。
2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結決算は純利益が前期比36%減でした。
ホテルや旅館の稼働率が落ちたほか世界的な航空需要の低迷で航空機リースが大きく減少しました。
20201年12月に子会社で会計ソフト大手の<弥生>を米投資ファンドに売却すると表明しました。
<弥生>が手掛けるクラウドソフトの需要が強まり企業価値が高まったことから投資資金を回収するため売却し売却資金を再生可能エネルギーなどに振り向ける考えです。
今日の企業事例である<オリックス>を少し俯瞰して見てみましょう。
2021年11月から中小企業のM&A(合併・買収)仲介に参入しました。
2025年までの5年間に約60万社が後継者難で黒字廃業になる恐れがあるといわれます。
経営者の平均的な引退年齢である70歳以上で後継者のいない中小企業は2025年に127万社と日本企業全体の3分の1に及ぶ可能性があリます。
これまでに築いた数十万社との取引関係や自社の投資事業で培ったM&Aのノウハウなどで差別化を図ります。
低金利でリースの収益が下がるだけでなくコロナ禍の影響もあり祖業のリース業に翳りが見え始めています。
これまでのリース業から新たな事業へと軸足を移し始めています。
世界の産業が脱炭素に向けて動き始めており再生可能エネルギー関連の投資を拡大し次の事業の柱として育成する考えです。
再生エネ開発事業者のM&A(合併・買収)や発電設備の新規開発など再生可能エネルギー関連の運用資産を今後5年間で2倍の1兆円規模にします。
国内で太陽光や風力、地熱などの発電設備を開発や運営をするほか欧州やアジア、北米の再生エネルギー開発大手に積極的に出資しています。
リースなど祖業の将来性を睨み出遅れ感のある再生可能エネルギー分野を次の事業の柱として育成できるかが当面の課題となります。


