隔週月曜日に企業の事例をもとにブログとメルマガを発行しています2022年1月4日(日本時間5日)米国ラスベガスのテクノロジー見本市「CES」でソニーグループの吉田憲一郎社長は電気自動車への参入を本格検討すると表明しました。
その舞台に登場した電気自動車は『エンターテインメント技術のSONY』のイメージを裏切らない試作車でした。
自動車から『移動(モビリティー)』へクルマの概念は大きく変わりつつあります。
「まだまだ先だろう」と思っている人も少なくないと思いますがもう目の前に迫って来ています。
社会や時代の変化はひと昔前の10年が今や5年いや3年ぐらいまで縮まっています。
今春にも新会社となる<ソニーモビリティ>を設立すると吉田社長は述べています。
<Apple>が静かなのも不気味ですが『Appleカー』の発表もそれほど先のことでは無いでしょう。
電気自動車の次は『自動運転のクルマ』そして『空飛ぶクルマ』の発表です。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第463話<ドン・キホーテ>です。
(*写真はイメージです)総合スーパーマーケットを展開1978年に創業者の安田隆夫氏が『泥棒市場』を東京・杉並区に開業しました。
1980年9月に卸売業を主体とした<ジャスト>を設立しました。
1989年3月に小売業へ業態転換して『ドン・キホーテ』第1号店を出店しました。
1995年9月に<ドン・キホーテ>へ商号を変更しました。
2001年10月に<そうご電器><第一家庭電器>と業務・資本提携しました。
2006年2月に<ダイエー>のハワイ子会社を譲受し初の海外店舗・4店を取得しました。
2007年10月にスーパーマーケットチェーン『長崎屋』を子会社にしました。
2013年12月に<ドン・キホーテ>の持株会社移行に伴い<ドンキホーテHD>へ商号を変更し<ドン・キホーテ分割準備会社>が事業を継承し<ドン・キホーテ>に商号を変更しました。
2017年8月に<ユニー・ファミリーマートHD>と業務資本提携を締結しました。
2017年11月に<ユニー>との共同出資により<UDリテール>を設立しました。
2019年1月に<ユニー>を完全子会社としました。
2019年2月に<パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス>に商号を変更しました。
*パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは以下、<P P I ホールディングス>と表記<ドン・キホーテ>のビジネスモデル*以下の記事は<ドン・キホーテ>及び持株会社<パン・パシフィック・インターナショナルHD>の内容です。
2020年7月に台湾の<ファミリーマート>子会社の<全家便利商店>への出資を発表しました。
両社の知見を生かして新たな業態や商品の開発を台湾で進める考えです。
2020年7月に発表した『2020年6月期』の連結営業利益は前期比15%増の見込みでした。
新型コロナウイルスへの対応で確保したマスクや消毒液などの販売が好調で在宅に伴い需要が増えた商品も伸びました。
マスクなどの衛生用品の在庫を確保し店頭に供給し続けることで呼び水となり関連消費も取り込むことができました。
業績好調だった訪日客の需要がコロナ禍でほとんど消えましたがグループの総合スーパー<ユニー>が食品を主力として販売が伸びたため32年連続の営業増益が見込めています。
2020年9月に<愛媛県>と県産品の海外販路開拓を目的とする包括連携協定を結びました。
これまでも県産品フェアの開催などで協力してきましたが米国やアジアで展開する店舗で販売する農水産物などや海外向け商品の開発観光PRなど幅広く協力する考えです。
2020年10月に<鹿児島県>と県産品の海外販路開拓を目的とする連携協定を結びました。
東南アジアなどで展開する店舗を活用したフェアなどを通じて『KAGOSHIMA』ブランドの認知度を高め販売量の拡大につなげる狙いです。
サツマイモが主体ですが<鹿児島県>は農産品のほか牛肉や豚肉などの畜産品や養殖ブリなど水産品の輸出拡大にもつなげたい考えです。
2020年10月に香港に『ドンドンドンキ』の4号店を出店しました。
香港でも大規模デモや新型コロナウイルス感染拡大で高級ブランド店などが撤退して賃料が下がったところへ出店し2021年2月までにさらに2店舗増やす考えです。
2020年10月に日本の農畜水産品を輸出する会員制組織を立ち上げました。
2030年の海外売上高1兆円を目標とし商品戦略の柱となる日本産品の調達網を構築するため『パン・パシフィック・インターナショナルクラブ』を発足しました。
東南アジアや米国などに51の海外店舗を持ち日本のイチゴやリンゴ精肉などの売上は好調で定期的な商談や直接取引契約で安定的な生産計画を立てられるようにして市場環境に左右されず安定した量と価格で日本産の生鮮食品を調達する狙いです。
2020年11月に宮崎市中心部に生鮮品なども扱う大型店舗の開業を発表しました。
『MEGAドン・キホーテ宮崎橘通店』は2月に買収した<橘百貨店>が運営し単身者やファミリー客を中心に幅広い集客を目指しています。
2020年11月に『アピタプラス』を愛知県岩倉市に改装開業しました。
直営の面積を改装前より2割増やし価格設定や仕入れ売り場づくりで現場に権限を移譲し<ドン・キホーテ>流で『個店経営』を進める総合スーパーの新ブランドです。
2021年2月に米国<GRCYホールディングス>の全株式の取得を発表しました。
カリフォルニア州で高級スーパー『ゲルソンズ』を展開していますが日本産の農産物や加工食品の販売を増やす狙いです。
2021年3月に東南アジアの配車大手である<グラブ>と提携しました。
<グラブ>のアプリの買い物機能『グラブマート』を通じて『ドンドンドンキ』の商品を注文できるようにしました。
オンラインで足場を築きより多くの消費者に接近する狙いです。
2021年5月に発表した『2021年1~3月期』の連結決算は純利益が前期比35%増でした。
総合スーパー<ユニー>の好調に加え<ドン・キホーテ>も郊外型店舗が回復して来ました。
2021年8月に広島県福山市に中四国地方で最大規模の大型店舗をオープンしました。
『MEGAドン・キホーテ松永店』はファミリー層などを中心に幅広い集客を目指します。
2021年8月に発表した『2021年6月期』の連結決算は純利益が前期比8%増でした。
<ユニー>は外食の代替需要を取り込んだ生鮮食品のほか日用品が伸びて営業利益が3%増え増したが<ドン・キホーテ>などディスカウント事業は訪日客需要の消失に苦しんでいます。
2021年12月にタイで『ドンドンドンキ』4号店を開業しました。
タイから撤退した<東急百貨店>が入居していた首都バンコクの商業施設MBKセンターの跡地に入りました。
「なかなか旅行に行けないなか日本の気分を味わってもらいたい」とドンキ・タイランドの島貫洋輔社長は挨拶をしました。
2021年12月にプライベートブランドの刷新を進める考えを表明しました。
プライベートブランドの『情熱価格』は2月からリニューアルなどを進めていますがさらにテレビや美容家電といった家電製品食品や衣料品でも商品開発を加速させる考えです。
今日の企業事例である<ドン・キホーテ>を少し俯瞰して見てみましょう。
32期連続で営業増益を続ける<P P I ホールディングス>が転機を迎えています。
『2021年7~9月期』の営業利益は前期比で30%減りました。
これまで<ドン・キホーテ>は『圧縮陳列』と『深夜営業』を武器に商品が積み上げられた迷路のような店内を歩きながらユニークな家電や奇抜な商品を発見するという『価値体験』を提供してきました。
コロナ禍での自粛生活だけでなく飲食や観光など不況業界での雇用の不安定さなども影響し消費者の節約志向が強まる中ニーズの中心は食品になっています。
<ドン・キホーテ>も売り場を変え積極的に食品を取り扱いその比率も高くなっています。
しかし食品は取り扱う他の商品に比べ粗利率が低く効率も低下しています。
今では他のディスカウントストアと変わり映えしない売り場となりとんがった商品を取り扱う<ドン・キホーテ>らしさが消えました。
2021年10月にグループ初となる回転すし店を香港で開店しました。
北海道産のコメや海産物など日本産の食材を多く使ったすしを提供しています。
『2021年6月期』のアジア事業の売上高は前期比2.4倍にまで拡大しています。
『2022年6月期』は北米を含む海外事業全体でのさらなる成長を見込んでいます。
訪日客需要が消失し国内のディスカウントストア事業は都市型店を中心に苦戦しています。
「消費者の嗜好や行動の変化にこれまで以上に柔軟に対応する必要がある」と吉田直樹社長は述べています。
ライフスタイルが大きく変わった中粗利率の高いプライベート商品を新たに開発する必要がありますが<ドン・キホーテ>らしさをどれだけ発揮できる商品開発ができるか国内のテコ入れが当面の課題となります。


