『広告企画が3案だったはずだけど……?』
『これって、バリエーションだよ!』
前職の、広告業界で働いていたとき広告代理店のCD(クリエイティブディレクター)に広告企画を見せたときの言葉です。
このときの相手は、「仕事の師匠」ですが前日の、『(1)広告は科学である』に続き今日は、『(2)広告はロジカルシンキングである』について、お話ししたいと思います。
それでは、質問です。
冒頭の言葉は、どんな意味だと思いますか?
デザインや、コピーライティングを仕事にしている方であればすぐに理解できたかもしれませんね。
それでは師匠に教えていただいたことを説明しますね。
(2)広告はロジカルシンキング(*注❶)である
企画を複数案、提案するときに比較的、おちいりやすい間違いがあります。
よくあるパターンはデザイン案を、3案つくることです。
お客様が求めているものは企画案ですからデザイン案とはまったく違います。
入社して、アシスタントをしているデザイナーが必ずといっていいほど、経験する失敗です。
見た目のデザインを、どれだけ変えてみても広告としてみればそれは、バリエーションでしかありません。
いわゆるA案、B案、C案、の3案ではなく……A案、A’ 案(ダッシュ)、A’’ 案(ツー・ダッシュ)のバリエーション案ということになります。
企画案の3案であれば“ 切り口(きりぐち)”(*注❷)を変える必要があります。
こんなときにどのような切り口で考えればいいでしょうか?
(少し、考えみてください。)
その答えは………切り口に正解はありません。
今日は、師匠から受け継いだ「3つの切り口」を紹介します。
① 機能的アプローチ商品が持っている「特長のある機能性」の視点から商品の優位性をアピールする提案。
② 感覚的アプローチ商品が持っている「感覚的な特長」の視点から商品の優位性をアピールする提案。
③ 意味的アプローチ商品が持っている「特長ある意味性」の視点から商品の優位性をアピールする提案。
(最近では、ストーリーといわれている一部です。)
これら、3つの視点からアプローチすれば容易に、企画案の3案をつくることができるのです。
師匠が、できの悪い私にいつも言い聞かせてくれたことは《広告はロジカルシンキングである》でした。
師匠の教え方は独特でした。
クライアントで打ち合わせを終えると帰りのタクシーの車中で「今日のオリエンは、どうだった?」
「なぜ、そう思った?」
「で、どうする?」
いやいや、今、オリエンを聞いたばかりだから……そんな言い訳は無視されます。
とにかく、なんでもいいから答えます。
どうせ、かえってくる言葉は同じです。
「だから、お前は勉強が足らん!」
「もっと、勉強セェ!」
そして、夕方になると、飲み屋街へ繰りだして日付が変わる頃まで、はしご酒です。
翌朝、一番に高級喫茶店へ呼ばれます。
「お前の企画案を、説明してみろ!」
考えている時間なんて、無いよ〜(と思いながら)。
ボ〜とした頭で説明をするとまたまた、叱られます。
この師匠のすごいところは同じ状態で飲んでいたにもかかわらずB5ノートの1ページに……オリエン →時代・社会の背景 →他社との差別化 →クライアントの特性 →3つの切り口 →広告案のテーマが、一連でチャート化(*注❸)されていて2Bの鉛筆で描かれていることでした。
*注❶ ロジカルシンキング論理思考のこと。
一貫性のある筋道が明確な考えかた。
*注❷ 切り口この場合は、広告案の着眼点のこと。
視点、アプローチ、手法など。
*注❸ チャート化論理的な構造を図式化すること。
グラフ、構造図、図形など。
このことから、わたしたちは何を学べるでしょうか?
わたしたち(2代目社長)が学べることは……経営も、「ロジカルシンキング」であるということです。
「直感」で、ものごとを決める人がいますが(実は、私も直感で決めそうになります。)
やはり
- 業界の変遷
- 他社の動向
- 自社の方向性
- 協力者のリストなどなど。
これらの事実を基にして
- 根拠のあるデータを集め
- 自社の取り組み方を決め
- 自社の進む方向を決める
経営はロジカルシンキングが重要であることを再認識しましょう。
当たり前のことを、当たり前にやる!
経営の本質、経営の王道。
経営に「近道」はありません。
経営の本質を見つめ、経営の王道を歩んで行きましょう!
そのためには、良き相談相手を見つけることが、もっとも重要です。


