【AI活用で失敗しないために経営者が押さえておきたい…5つのリスク】
先日、名古屋でのコンサルティングの現場で「AI活用の注意点」が話題になりました。「便利だから使っている」という声の一方、リスクへの理解が追いついていない場面を多く目にするという意見でした。皆さんの参考になるかもしれないのでシェアしておきます。
① ハルシネーション(誤情報の生成)の怖さAIは存在しない情報を事実のように出力するケースがあります。これをハルシネーションといいます。回答は必ず一次情報で確認すべきです。【例】 法律や制度に関する質問で、実在しない条文や数値が回答に含まれるケースが割と多くあります。社内資料や提案書にそのまま転用すると、取引先との信頼を損なう原因になります。
② AIは忖度しますAIは、問いかける人の意見に「同意しやすい性質」を持っています。存在しない根拠でも、さも正確であるかのように回答します。経営判断の根拠として活用するには限界があります。【例】 新規設備への投資を検討する際、AIに事業計画の概要を伝えて意見を求めると「素晴らしい考えですね。方向性は適切です」と返ってきます。しかし懸念点や代替案が示されない回答は、判断材料としては不十分です。経営の判断をAIの肯定的な反応に依拠するのは危険です。
③ 情報漏洩のリスクAIへの入力内容は、外部サーバーに送信されます。取引情報や個人情報を入力する行為は、情報漏洩に直結します。入力してよい情報の意識を持つ必要があります。【例】 取引先名や価格交渉の経緯をAIに入力して整理させる行為は、その情報を外部に送信するのと同じです。入力前に情報の機密性を必ず確認しましょう。
④ AIチャットはインターネット検索と同義ですAIはインターネット上の膨大なデータから回答を生成します。あなたはインターネットに「この経営判断はどうすべきか」と問いかけますか。AI活用はその行為と等しいと理解しましょう。【例】 重要な取引方針の検討をAIに投げかける行為は、インターネットに質問しているのと同じだけでなく、不特定多数に向けて社内情報を発信するのと変わりません。問いの内容そのものにも注意が必要です。
⑤ AIは中央値の回答を提供しますAIは世の中にある大量のデータを学習し、平均的な回答を生成します。競合他社が同じ問いを投げかければ、同じような答えが返ります。あなたご自身や会社固有の強みや条件は、AIには読み取れません。【例】 自社の経営戦略をAIに考えさせると、業界一般の手法が並びます。自社の社風・顧客層といった固有の条件が反映されない回答を、そのまま戦略に採用すると、やがて経営の見直しを迫られるはめになります。
AIは使い方次第で、業務効率を高める有効な道具です。しかし、活用の判断軸を持たないまま使い続けると、リスクは蓄積します。


