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ブログ / 渡邉ひとしのBusiness view

PDCAが機能しない中小企業の共通点「行動と報告」の取り違え

2026年7月1日 執筆:渡邉ひとし

先日は、役員が参加した社長との3者MTGでした。この会社は、毎年5ヶ月かけて、中身の濃い経営計画書を作成しています。毎月2回のセッションでは、数値と分析結果が全体統括と部署別で発表されます。さらに「何が減り、何を維持し、何を新たに始めるか」「現在の重点項目と優先順位は何か」という検証(C)まで実施しています。他社と比べれば、かなりきめ細かくPDCAを実行している会社です。それでも、経営層には不満がありました。その不満の根拠は、「行動(A)が、実行報告(D)に置き換わっていた」点にありました。PDCAの「A(行動)」は、検証結果をもとに軌道修正を実行する工程です。ところが現場では、「先月の取り組みの報告」が「A」として処理されるケースがありました。動いているように見えて、新たな改善は起きていないのではないか。経営者が感じていた「何かが噛み合わない」という違和感の正体は、ここにありました。こうした取り違えは珍しくありません。PDCAという言葉は広く普及していますが、各工程の定義が現場レベルで正確に機能していないケースは多く見られます。先行きが不透明な時代では、外部環境の変化は、毎月のように訪れます。営業が現場で変化を見逃せば、それ以降の工程は全て前提を欠いた議論になります。今回の対策として、検証(C)の段階で「定量チェック」と「定性チェック」を同時に行う仕組みを導入すると決めました。数字の確認だけで終わらせず、その数字が生まれた背景まで掘り下げる工程を加えた仕組みです。続いての議題は、「問題意識の希薄さ」でした。毎月の現状報告が、表面的になりがちな社員がいるという事実がありました。報告内容が甘くなる根本的な理由は、「問題を問題として認識できていない」点にあります。問題意識が薄ければ、問題は課題に転化されません。課題が不明瞭なまま改善行動に入っても、的外れな対策に終わります。これは社員の意欲の問題ではなく、「物事の認識構造」の問題です。この点に関しては、人が物事を認識する「三層構造」で説明しました。「現象」「特有の条件」「根本原因」の三つです。多くの人は現象しか見ていません。「売上が落ちた」「クレームが来た」という事実だけを拾い、その背後にある条件や根本原因まで掘り下げていないのです。たとえば「売上が落ちた(現象)」の背後には、競合出店という「特有の条件」があります。さらにその背後に、顧客との関係が価格訴求に依存していたという「根本原因」が潜んでいます。現象だけを見ていると、「もっと訪問回数を増やせ」という的外れな対策に走りがちです。報告が甘い社員を「意識が低い」と片付けるのは簡単です。しかし多くの場合、どこまで掘り下げるべきかを知らないだけです。この構造を理解しなければ、研修を重ねても結果は変わりません。こうした議論は、内部だけでは進みにくい面があります。社長も社員も同じ環境の中にいれば、お互いの「当たり前」が見えにくくなります。外部の視点が入ることで初めて、構造の歪みが可視化されるケースは少なくありません。このMTGは予定時間を30分超過しました。PDCA、問題意識、本質の見方、自律型組織の醸成、AI時代に求められる人材要件まで、論点は次々と展開しました。100億円を目指す経営層との会話では、一つの議題が別の議題を引き出します。表面の課題を解決するだけでは不十分です。その下にある構造に手を入れなければ、同じ問題が形を変えて繰り返されます。あなたの会社のPDCAは、本当に「A」まで機能していますか。

クリティカルフィードバック3点指摘します。①三層構造の例示が浅い 競合出店・価格訴求の例は分かりやすいですが、きんちゃんの実際のコンサルティング事例ではありません。読者からすると「教科書的な例」に映るリスクがあります。可能であれば、実際の支援先で起きた類似の構造的誤認に差し替えると、EEAT(一次情報)としての説得力が増します。②「外部視点」の段落が弱い コンサルティング契約への導線として最も重要な段落ですが、「外部の視点が入ることで」という表現はコンサルタント全般に言えることです。「なぜHITOSHIでなければならないか」が読者に伝わりません。実績数や対話型メソッドの一言を差し込むだけで、他との差別化につながります。③テーマの散漫さは解消されていない PDCA・問題意識・三層構造と、1記事に3つのテーマが並んでいます。1,600文字では各論点の掘り下げが浅くなるため、「AがDになっている」一点に絞って深掘りする構成の方が、読者の自己認識を強く揺さぶる可能性があります。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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