【100億円企業に共通する「4つの習慣」とは?】経営計画書・対話・社員教育・新規事業の中身今週、帝国データバンクの調査を読み、複雑な気持ちになりました。
「100億宣言」に応募した中小企業は、すでに2,000社を超えたそうです。
対象となる会社のうち、約2%が名乗りを上げている計算になります。
政府は宣言企業に対し、最大5億円の補助金まで用意しています。
それでも、この数字を見て、素直に喜べない経営者は多いはずです。
「うちには、そんな体力も人材もない」
正直、そう感じる気持ちは、私にもよく分かります。
毎日、目の前の業務に追われ、計画を立てる余裕すらない会社も多いはずです。
作ったとしても、社長の頭の中だけにとどまり、社員には十分共有されていない場合もあります。
すると、社長が思い描く優先順位と、社員が実際に動く優先順位が、いつの間にかずれていきます。
会議で目標を伝えたつもりでも、翌週には誰も覚えていない、という経験をした経営者も少なくないはずです。
私はこれまで、1,200件を超える経営相談を受けてきました。
その中で、実際に売上を大きく伸ばした会社に共通していたのは、資金力でも特別な人脈でもありませんでした。
共通していたのは、次の4つを、地道に積み重ねてきた姿勢です。
一つ目は、経営計画書の作成と運用です。
売上を伸ばし続けている会社は、計画書の作成に3ヶ月から半年ほどかけます。
急いで仕上げず、時間をかけて練り上げる点が、まず違います。
社長が一人で書き上げるのではなく、社員と共に意見を出し合いながら仕上げていきます。
計画書の冒頭には、会社が最終的にどこを目指すのか、という道しるべが置かれます。
数字だけを並べるのではなく、進む方向とそこへ向かう姿勢を、同じ紙面で共有する点が特徴です。
計画書は、作った瞬間に価値を持つわけではありません。
毎月のPDCAを回す土台として使い続けたときに、初めて力を発揮します。
二つ目は、社長と社員の議論を支えるファシリテーションです。
私自身は、この場でホワイトボードを使い、頭の中にある論点をその場で見える形に整理しています。
答えを先に用意するのではなく、問いを投げかけながら、社長と社員自身が結論にたどり着けるよう、間を取り持つ役割に徹しています。
上から教える評論家ではなく、あくまで対話を進行する側に立つ意識を持っています。
月に2回のペースで、コンサルティングを続けています。
たった2週間でも、組織や事業を取り巻く環境は変わっていきます。
前日までに社長から詳細な報告のメールをいただき、当日はその課題を一つずつ議論しながら、計画を修正していきます。
年に1度の見直しではなく、毎月の細かな軌道修正を積み重ねる姿勢が、計画書を生きた道具として保つ鍵になっています。
三つ目は、粘り強い社員教育です。
育成を始めた当初は、社内から反発の声も出てきます。
「今のままでいいのではないか」という声に対し、社長自身が一つひとつ向き合い、説明を重ねていきます。
すぐに全員が納得するわけではありません。
それでも、数年単位で議論を積み重ねると、社員の考え方は変わっていきます。
自ら考え、自ら行動し、必要な反省もできる人材へ育っていきます。
近畿圏のある老舗会社では、年商28億円から58億円へ、3年で2倍以上に伸びました。
支えたのは、目新しい戦略ではなく、社員教育に社長が本気で向き合い続けた結果です。
四つ目は、新規事業への取り組みです。
人が育つと、社員自身が会社の成長を考え始めます。
自分の力量に見合った新しい取り組みを、自発的に提案するようになるからです。
私が支援してきた会社の中には、コンサルティングに入った時点の本業と、今の本業がまったく違う会社があります。
当時は取るに足らない規模だった取り組みが、数年のうちに育ち、いつの間にか元々の本業を追い越していました。
新しい取り組みは、最初から確信を持って始めたわけではなく、小さく試しながら、数字で裏づけを取り、育ててきた成果です。
この土台があったため、コロナ禍でも会社は大きく揺らぎませんでした。
一つの会社は、新しい事業をむしろ拡大させ、もう一つの会社は、新しい工場を構えて前に進み続けています。
「100億宣言」が話題になっている今だからこそ、お伝えしたい点があります。
経営計画書とPDCA、社長と社員の議論、粘り強い社員教育、新規事業への挑戦。
この4つは、どれか一つで完結する話ではなく、地道に積み重ねてこそ力を持ちます。
特効薬のような施策は、どこにもありません。
100億円という数字を掲げるかどうかは、会社によって違っていいはずです。
ただ、この4つを回し続ける覚悟を持つ会社は、規模を問わず、着実に伸びていきます。
まずは、通常の会議ではなく、社長と社員が同じ場で話し合う、その一歩から始めませんか。
これからも伴走者として、全力で支援していきます。
【渡邉ひとしのBusiness View】土曜日のブログ


