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ブログ / ミドルシニア世代の智慧

第67話 希望退職を前向きに捉える40〜50代は48.2%。会社軸のまま、セカンドキャリアを描けていますか?

2026年10月21日 執筆:渡邉ひとし

退職の話が出てから自分のキャリアを考え始める50代は、判断の材料を会社に握られたまま、決断を迫られます。

ミドルシニア世代は、この準備を先送りにしていないでしょうか。

マイナビ キャリアリサーチLabは2026年2月19日、「ミドルシニアの希望退職に対する意識調査」を公表しました。

対象は、2025年に転職した40代から50代の正社員576名と、企業の人事担当者1,500名です。

2025年に早期・希望退職を募集した企業は、15.5%でした。

従業員301名以上の企業では、18.9%です。

一方、個人の48.2%が、希望退職は自分にとってメリットの方が多いと答えています。

最多の理由は、自分に合う職場なのかを検討するチャンスになる、で49.3%でした。

メリットと思わない最多の理由は、再就職先が見つからないリスクで、41.3%です。

注目したいのは、前向きに捉える層の特徴です。

キャリアの方向性が明確な割合は58.2%で、前向きでない層の38.8%を19.5ポイント上回りました。

理想のキャリアに近づけたと感じる割合も51.8%で、前向きでない層は25.1%です。

つまり、希望退職を好機にできるかどうかは、制度の中身より、本人が方向性を持っているかで分かれています。

ただし、この調査の個人の対象は、2025年に転職した人です。

転職を終えた人の回答であり、在籍中の社員全体の意識を示す結果ではありません。

また、方向性が先か、前向きな捉え方が先かまでは、調査から断定できません。

それでも、私が現場で見てきた実感とは一致します。

私は2つの大学で、それぞれ5年間、教壇に立ち、キャリアデザインの授業を担当しました。

前職は広告業界の営業職で、現在は独立し、ゼロから会社を起ちあげ経営しています。

前職のお得意様である大企業では、私が師匠と仰ぐお二人が、順次定年を迎えて退職されました。

お一人は、それまでのキャリアを生かして、企業のサポートをされました。

もうお一人は、私が独立した後に、サポートしてくださいました。

お二人の姿を見て、実感した点があります。

退職前にセカンドキャリアを描いている人と、描いていない人とでは、退職の話に向き合う姿勢が180度違います。

差を生む原因は、会社軸と自分軸にあると、私は考えています。

会社に就職すると、会社の評価という軸に、自分の人生を乗せてしまいがちです。

会社の評価は、会社によって違います。

同じ自動車業界でも、ミッション、企業風土、企業文化が違えば、評価基準も変わります。

人は、その環境に身を置いて働いています。

同じ業界の別の会社に移れば、大きくは変わらなくても、基本となる価値観が1つや2つは違うと考えています。

つまり、会社の評価は、どこでも通用する物差しではありません。

先日、20代後半の方と面談した際にも、キャリアの話になりました。

私は、会社の評価に合わせる会社軸だけでなく、自分軸を持つ大切さを伝えました。

誤解のないように言いますと、会社の評価をないがしろにしてよいという意味ではありません。

会社軸を持ちながら、同時に自分軸を作り上げていきます。

これが、自分を主人公にした人生を歩むスタートだと考えています。

昭和の時代には、終身雇用が一般的で、定年まで1つの会社に勤めるイメージがありました。

その後、転職サイトやキャリア関連の会社が増え、転職は当たり前の時代になりました。

しかし、転職でキャリア・アップを望む人ほど、自己投資をしています。

20年ほど前、あるコミュニティでチームを組んだ30代の方々は、名だたる大企業に勤める優秀な方ばかりでした。

なぜこの講座を受講するのかと尋ねると、答えは次の趣旨でした。

会社は守ってくれない。自分のキャリアは、自分で形成する必要がある。

この経験が、会社軸と自分軸という私の考え方の原点です。

当たり前ですが、改めて、自分自身の人生の主人公は、自分であるという自覚を持つ必要があると、強く思っています。

私自身も、広告業界を離れた後は、まったく違う方向に進もうと考えていました。

候補は、教育事業か、医療の分野です。

お世話になった社会に貢献したいという想いが芽生え、自分に問いかけた答えが、それでした。

独立後、大学関係者からお声がけをいただき、『キャリアデザイン』の授業の教壇に立つ機会をいただきました。

同時に、経営者向けのセミナーも実施していました。

学生と経営者の両面から、キャリアを形成する重要性を実感するようになりました。

一方、会社軸だけで走り続けた50代は、退職の話が出た時点で、会社が示す選択肢から選ぶしかありません。

再就職先が見つからない不安は、当然あります。

しかし、雇用される側にとどまらず、自分が雇用する側に回る、自分で切り開いていく道への挑戦があってもよいと考えています。

最初の一歩は、小さくて構いません。

会社を離れても続けたい仕事を、紙に書き出してみてください。

会社の評価とは別に、あなたの軸は何でしょうか。

その経験、地域の会社を支える力になるかもしれません。

試行錯誤を重ねながら歩むあなたを、心から応援しています。

【出典】マイナビ キャリアリサーチLab「ミドルシニアの希望退職に対する意識調査」(2026-02-19)

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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