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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第294話 丸紅のビジネスモデル

2018年8月17日 執筆:渡邉ひとし

第294話のテーマは『「重厚長大型」からの脱却』です。

ライバル企業は同じ母体だった

<丸紅>と<伊藤忠商事>の創業が1858年に伊藤忠兵衛が行商を開始したことに遡ることはご存知の方も多いと思います。

1914年12月に<紅忠>が<伊藤忠合名会社>に改組されました。

1918年12月に<伊藤忠合名会社>を<伊藤忠商店>と<伊藤忠商事>に分割。

1921年3月に<伊藤忠商店>と<伊藤長兵衛商店>が合併して<丸紅商店>としました。

戦時中に<伊藤忠商事>と合併して<大建産業>になりましたが1949年12月に戦後の財閥解体により再び<丸紅>と<伊藤忠商事>は分割されました。

したがって<丸紅>の会社設立の年月日は1949年12月になっています。

ちなみに<丸紅>の社名は創業者である伊藤忠兵衛氏が「紅は高貴な色である」としたことから◯の中に紅という文字を入れた印をマークとして使用していたことに由来しているようです。

<丸紅>のビジネスモデル

2017年3月に<川崎重工業><日立製作所>と共同で2006年から鉄道システムなどを手掛けた台湾の桃園国際空港と台北などを結ぶ都市鉄道が10年以上かけて開業しました。

同じく3月に<みずほフィナンシャルグループ>と東南アジア諸国連合地域(ASEAN)で電子マネーを活用した決済ビジネスに参入すると発表しました。

ASEANでは銀行口座を持たない人がいますがスマホを使う決済手段が普及しています。

ASEANでノウハウを培いアジアや日本での事業展開を目指します。

2017年4月にオランダの欧州最大級の販売会社である<オルファ・インターナショナル>の株式60%を取得しました。

拡大が続いている「添加剤」の世界市場を開拓する狙いです。

これはおいしい鶏や豚肉を食べたい消費者の需要に応えるため穀物に混ぜて栄養価を高める「飼料添加剤」の販売に本格参入して5年後の売上高を現在の2倍に増やすという計画です。

2017年5月に発表された「2017年3月期」の連結決算は純利益が前期比2.5倍でした。

買収した米国の穀物集荷会社である<ガビロン>が増益で◉情報関連事業◉生活産業事業◉輸送機事業◉エネルギー・金属事業なども増益になりました。

<丸紅>の電力部門は決算における純利益の約4分の1を稼いでいます。

2017年3月末時点での発電能力は総合商社では首位で中国電力を上回る発電能力を持つため「丸紅電力」との異名を持つほどです。

宮田裕久電力本部長は現在の純利益である370億円に対し「500億円を目指す」と述べています。

同じく5月に<丸紅>の国分文也社長はポルトガル関連の投資残高を現在の2倍に増やす方針を記者の取材に対して述べています。

強みを持つ電力や水ビジネスのほかに内需関連の事業にも取り組みその運営のノウハウを他の国にも活用していく考えです。

「ポルトガル企業と組むことで外資系企業ではアクセスしにくい投資機会にも恵まれる可能性が出てきた」と国分社長は述べています。

2017年6月の報道ではアラブ首長国連邦のアブダビ首長国で大規模太陽光発電事業に着手しました。

100万キロワットを超える巨大な出力と1キロワット時あたり2円台の発電コストという安さです。

この「スワイハン太陽光発電事業」の稼働は2019年4月の予定です。

2017年7月には<ゼネラル・エレクトリック>と共同でインドネシアで火力発電所の建設を受注。

インドネシアは経済成長により電力需要が伸びているため2019年までに相当量の供給ができる発電所を新設する計画を公表しています。

同じく7月に福井県で木質チップを燃料に使うバイオマス発電所を稼働させました。

発電所に強みを持つ<丸紅>ですがバイオマス発電所は初の取り組みです。

経済産業省は太陽光や風力よりも発電量が安定しやすいバイオマス発電所の増設を企業に促しています。

バイオマス発電所向けに燃料の輸入量を2021年3月期に2017年3月期の10倍に増やす計画です。

2017年9月に山口県で<東京センチュリー>等と組んでバイオマスと石炭を混ぜて燃料に使う発電所を建設すると発表しました。

2018年8月に<丸紅>は<日立造船>や<NEDO>と共同で開発した浮体式洋上風力発電システムの実証機を北九州市で公開しました。

洋上風力で先行する欧州では海底に風車を設置する着床式が主流で海上に風車を浮かべて発電する浮体式の実例はまだ少ないため浮体式の先端技術を組み込むことで洋上風力でリードするチャンスを狙います。

国分文也社長は自社の「電力事業」を「電力ウーバー」と呼んでいます。

電力需給をきめ細かく予測してマッチングする電力ビジネスが<ウーバー>のビジネスに似ているという理由からです。

資源や機械取引などの「重厚長大型」から人工知能やIoTなどの「少ない資産型」への転換を考えています。

今年4月にデジタル・イノベーション部を発足させて人工知能やIoTなどの全社での活用に取り組んでいます。

国分文也社長は<丸紅>での新たなビジネスモデルの構築に取り組み始めています。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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