一昨日の10月30日水曜日に『経営の基本:1分間自己紹介セミナー』を開催いたしました。
お仕事の都合で参加を断念してキャンセルされた2名の方もいましたがセミナー終了時のご感想をお聞きしているとそれぞれの方が課題を持っておられ今回のセミナーに参加されました。
- 前向きになれました
- 少し前に進みそうです
- 忘れかけていた大事なことを気付けた
それぞれ参加された方々に得ることがおありだったようで喜ばしい限りです。
今日のメルマガの企業事例は< アスクル >です。
大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取っていただきぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。
企業事例[第366話]のタイトルは『株主総会で社長と社外取締役が解任!』
<プラス>の事業部から独立1963年11月に<プラス>株式会社の完全子会社として<プラス工業>株式会社を設立しました。
1993年3月に<プラス>株式会社アスクル事業部がアスクル事業を開始しました。
<プラス工業>株式会社が<リンクス>株式会社に商号変更しました。
1997年2月に<リンクス>株式会社が<アスクル>株式会社に商号変更しました。
同年5月に<プラス>株式会社よりアスクル事業を<アスクル>株式会社に営業譲受しました。
2004年1月に医療・介護施設向けにカタログを創刊してメディカル&ケア事業に参入しました。
2012年5月に<ヤフー>が発行済株式総数の42.47%を取得して筆頭株主になりました。
2012年11月にB2C向け電子商取引サービスになる『LOHACO』を開設しました。
2017年2月に埼玉県三芳町の倉庫で火災が発生して12日間燃え続けました。
2017年11月に<セブン&アイ・HD>と協同して生鮮EC『 IYフレッシュ』を開始しました。
< アスクル >のビジネスモデル2018年6月倉庫火災から1年余りたち火災前の流通総額に復活しました。
火災が起きた物流拠点である『ALP首都圏』は解体再建中ですが横浜市にある大型物流センターの『アスクルロジパーク(ALP)横浜』は物流を担当するフューチャープラットフォームアーキテクチャECR本部の天沼英雄執行役員が「いつどんな商品が流れてくるのか?」
「ロボットがリアルタイムで計算し搬送する」と強調するように倉庫から配送網までカバーする物流革新の実験場になっています。
「慢性的な人手不足が問題となるなかロボット化のようなテクノロジーを駆使し課題を乗り越える」と天沼英雄執行役員は述べています。
2018年7月に<佐川急便>と組んで東京ミッドタウンを一時倉庫とする実証実験を始めました。
物流拠点からビル内の地下にある荷物集積場までの配送を<アスクル>が担当して荷物集積場に届いた荷物を<佐川急便>が台車などでテナント企業へ運びます。
都心部を中心にこのような拠点を増やしていく考えです。
いままでの注文履歴などから安定した需要がある品目を予測しビルの地下などに保管しておき在庫を持たない品目は物流センターから届けますがトラックの空きスペースで在庫品を運ぶことでトラックの積載率を高める狙いです。
2018年7月に発表した『2018年5月期』の連結決算は純利益が前期比4.6倍でした。
この決算会見で<アスクル>の岩田彰一郎社長は……「インターネット通販企業として物流費用の高騰化に真っ正面に取り組む」と自社配送網の拡大やロボットなどの最先端技術で配送費の上昇や人手不足などに対応する考えを述べました。
2018年11月に好みや嗜好といったデータを商品のオススメに使う取り組みを始めました。
食品・日用品メーカーから集めた好みや嗜好といったデータをネット通販サイト上で利用者に最適な日用品などを提案する取り組みを始めました。
他社へ積極的にデータを開放して自社サービスのてこ入れにもつなげる考えです。
2019年2月に法人向けにオフィス用紙を自動で発注する新サービスを始めました。
『 IoT』の機器を使いオフィスから用紙が減ると自動で検知しIoT機器『スマートマット』が顧客企業の担当者に代わってアスクルに発注する仕組みです。
2019年4月に一般用医薬品(大衆薬)の法人向けネット通販に本格参入しました。
社員が急に体調を崩した際に使える風邪薬などの「常備薬」を揃えたい企業の需要を見込んでいます。
2019年7月に『2019年5月期』の連結純利益が前期比91%減の見通しと発表しました。
物流施設の大規模火災後に開設した物流センターに関連して30億円の減損損失を計上したことが連結純利益の大幅減に響いています。
2019年7月に筆頭株主の<ヤフー>に対して資本・業務提携の解消を申し入れました。
共同運営するインターネット通販サイト『LOHACO』の事業譲渡を<ヤフー>が求め<アスクル>が拒否し関係が悪化しました。
2019年7月に<アスクル>の独立社外取締役で指名・報酬委員長の戸田一雄氏は筆頭株主の<ヤフー>が独立社外取締役3人の再任議案に反対する議決権を行使したことについて「客観的に意見を言う独立役員にやってはいけないこと」「日本の資本市場が傷つく」と記者の取材で批判しました。
2019年8月に岩田彰一郎社長と独立社外取締役3人の再任議案は否決されました。
約45%を出資する<ヤフー>が業績低迷を理由に岩田彰一郎社長と独立社外取締役3人の再任に反対して再任議案は否決されました。
岩田彰一郎社長は……「親子上場において少数株主の権利を守り利益相反を防ぐ独立取締役を否認したことは非常に大きな事件だ」と親会社で筆頭株主の<ヤフー>と第2位株主の<プラス>が独立社外取締役3人の再任に反対したことを問題視しました。
2019年8月に新たに就任した吉岡晃社長は筆頭株主の<ヤフー>に対して『資本関係の解消を求める方針』は変わらないと表明しました。
2019年10月に指名・報酬委員会委員長に就いた国広正弁護士は「アスクルからもヤフーからも中立で両社が納得する独立社外取締役候補を選ぶ」「難問だが年内にやりたい」と取材で述べています。
<アスクル>は<ヤフー>によって独立社外取締役の3人が解任されました。
独立社外取締役がゼロの企業は東証1部上場のわずか0.3%しかなく上場会社として<アスクル>は非常にまずい状況に陥っています。
いわゆるコーポレート・ガバナンス(企業統治)が崩壊しています。
実質的に創業者的立場でもあった前社長の岩田彰一郎氏も株主総会で事実上解任されました。
大株主の<ヤフー>によって<アスクル>のポジショニングが大きく変わってくることも考えられます。
その場合起こりうる大きな懸念材料としては<アスクル>の現在の顧客からの『信頼』を維持できるか?
という点です。
マーケティングにとって重要で不可欠な要素が今後大きな『課題』になってきます。
今日の事例で何を学べるでしょうか?
従来の市場(マーケット)におけるポジショニングが変わる会社は……それまで築き上げてきた『顧客との信頼関係』を崩すことにならないか?
さらに『従来の顧客』から反発を招かないか?
という顧客の感情や心理に配慮することが重要な課題になる。


