【シン組織変革の教科書】
第30話【シン組織変革の教科書】
建設業の安全管理が機能しない本当の理由
===============================
現場を30日で変える3つの仕組み改革
===============================
いつもお読みいただき有難うございます。
組織変革コンサルタント
経営戦略コンサルタント
の渡邉ひとしです。
毎朝「安全第一」と唱えても
事故もヒヤリハットも減らない。
この悩みを抱える
建設業の経営者は本当に多いです。
KY活動を徹底し
パトロールを強化しても
危険は繰り返され
報告は上がってきません。
解決の鍵は安全管理の仕組みを
作り直す決断にあります。
現場の意識改革でも
研修の追加でもありません。
・会議の進め方
・責任の明確化
・評価する数字
これら3つを変えるだけで
現場は動き始めます。
なぜこれが効くのか。
答えはシンプルです。
人の行動は仕組みで決まるからです。
報告しやすい環境なら報告は増え
責任が明確なら対策は進みます。
今回は
中小建設会社が30日で実行できる
安全管理の再構築方法を解説します。
*写真はイメージです
===============================
なぜ安全管理は形骸化するのか
===============================
うちの現場は安全意識が低い。
経営者の多くがそう嘆きますが
問題の根っこは違います。
経営者側が作った仕組みに
欠陥があるだけです。
典型的な失敗例を見てみましょう。
月1回の安全衛生委員会
先月の事故報告を読み上げ
パトロール結果を共有して終了。
誰が何をいつまでにやるか決まらないまま
「来月また」となります。
これでは会議ではなく
ただの報告会です。
現場監督は工程管理で手一杯で
協力会社は
それは元請の仕事でしょと無関心。
職長は責任範囲が曖昧で動けない。
全員が誰かがやってくれるだろう
と思っています。
さらに深刻なのが
ヒヤリハット報告です。
報告すると何が起きるかというと
お前の管理が甘いと叱られる。
評価が下がる。
責任を押し付けられる。
一度でもこんな経験をすれば
誰も報告しなくなります。
土木会社のA社では
軽い事故が続いたので
「KY活動を徹底せよ」
と社長は指示しました。
その結果どうだったか。
朝礼でシートを
読み上げる形だけの活動になりました。
ヒヤリ報告は相変わらず月2件。
安全委員会は報告を聞くだけ。
同じ危険が別の現場で何度も顔を出し
元請からの指摘は増える一方でした。
問題の本質は明白です。
・決める場がない
・責任が曖昧
・報告すると損をする。
この3つが揃えば
どんな現場でも安全管理は機能しません。
精神論や注意喚起では
絶対に解決しない構造的な問題なのです。
===============================
30日で現場が変わる3つの仕組み改革
===============================
安全文化を育てる前に
まず対策が
確実に終わる流れを作りましょう。
教育も標語も後で構いません。
以下の3つを変えるだけで
現場は勝手に動き始めます。
1)安全衛生委員会を
決める場に変える
会議時間を30分に短縮します。
議題は3つだけ。
・未対策案件の確認
・再発防止策の決定
・他現場への水平展開です。
報告書の朗読は事前配布で済ませます。
重要なのは各案件に必ず
担当者名と完了期限を付けて
翌週に完了確認する運用です。
「検討します」
「様子を見ます」
は禁句にします。
2)役割分担を
1枚の紙で見える化する
・現場監督
・職長
・協力会社
それぞれが何に責任を持つか
A4用紙1枚にまとめます。
これは誰の仕事?という
曖昧な領域をゼロにするのが狙いです。
協力会社も含めて
全員の目に触れる場所に掲示します。
ホワイトボードでも構いません。
大切なのは
知らなかったという
言い訳を封じる仕掛けです。
3)追いかける数字を変える
災害件数だけを見るのをやめます。
代わりに
・対策完了率
・再発率
を毎週チェックします。
経営会議でも
最初にこの2つを確認し
災害件数は後回しにします。
これで現場へのメッセージが変わります。
事故を隠せから
「早く報告して対策しろ」へ変わります。
数字が行動を変える典型例です。
そして最も大切なのが
報告者を絶対に責めないルールの徹底です。
経営者自らが
・報告してくれた人は評価する
・隠した人を叱る
と明言してください。
これを破る管理職がいたら
即座に指導する覚悟も必要です。
先ほどの土木会社は
この3つを実行しました。
委員会は対策決定に特化します。
ヒヤリ報告はスマホで簡単入力し
協力会社も報告可能にしました。
社長は報告者を責めないと
全社に宣言しました。
結果は劇的でした。
3週間で報告数は
月2件から18件へと増えました。
今まで隠れていた危険が
次々と表面化しました。
対策も具体的になり
実際の事故は減り始めました。
===============================
今日のまとめ
===============================
建設業の安全管理が機能しない理由は
現場の意識の問題ではありません。
・会議が決定の場になっていない
・責任が不明確
・報告すると損をする
この3つの設計ミスが真の原因です。
打ち手は明確です。
安全衛生委員会を決定の場に変え
役割を見える化し
追う数字を完了率に変える。
30日あれば
基本的な仕組みは作れます。
大切なのは
経営者が報告を歓迎する姿勢を
見せ続ける覚悟です。
明日の会議から
まず未対策案件の
棚卸しを始めてください。
===============================
次回の予告
===============================
*次回の発行は
12月19日金曜日の予定です。
次回は
第31話『小売業の組織変革
オムニチャネル戦略実現のための組織作り』
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
#ミドルシニア世代の智慧
#シン組織変革の教科書
#AI 経営の実践ガイド
#実践経営戦略ノート
#変革の羅針盤
#ビジネスモデルの企業事例
#マーケティング
#ビジネスモデル
#人材の育成
#組織の人間関係
#渡邉ひとし
#株式会社未来デザインカンパニー
===============================
経営者の方は
自社の全体像を把握しているつもりでも
心理的バイアスや
無意識の防衛機制により
問題の本質や自分の意思決定の癖に
気づけない事柄が多々あります。
脳科学的にも自己認知には限界があり
感情や習慣に支配された判断を
客観的に見直すことは困難です。
経営コンサルタントは
外部の視点から構造的に現状を分析し
経営者ご本人では
見落としがちな課題を可視化します。
だからこそ
冷静で第三者的な知見を持つ
コンサルタントの存在が
経営判断の質を高め
組織を持続的に成長させる上で
不可欠なのです。
===============================
ブログのご案内
===============================
*月曜日『実践・経営戦略ノート』
*火曜日『AI 経営の実践ガイド』
*水曜日『ミドルシニア世代の智慧』
*木曜日『事業家の羅針盤』
*金曜日『シン組織変革の教科書』
どうぞ宜しくお願いいたします。
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編集・発行元
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◆オフィス
株式会社未来デザインカンパニー
〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
組織変革コンサルタント
経営戦略コンサルタント
代表取締役 渡邉ひとし
【コンサルティング事業部】
・リアル(現地現場)
・オンライン(zoomを使用)
*元電通デジタル馬場建至氏と業務提携
https://mirai-design-company.co.jp/consultant
【AI 事業部】
*AI パッケージ、AIシステム開発
https://mirai-design-company.co.jp/aipackage
*イーラーニング講座『Mirai Nextory®︎』
・AI とデジタルマーケティング(講座数1,000超)
・電通グループの
カルタホールディングスと協業
https://mirai-design-company.co.jp/elearning
【教育事業部】
*オンライン講座
・事業計画士®︎養成プログラム(2026年開講)
講座名『事業計画士®︎養成塾』
(設計ー実践ー共有ー達成ー充実ー幸福)
・経営計画士®︎養成プログラム(2026年開講)
https://mirai-design-company.co.jp/onlineclass
▼会議室
株式会社未来デザインカンパニー(会議室)
〒503-0808 岐阜県大垣市三塚町624-2
Mobile:080-4806-1553
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
紹介記事1:https://humanstory.jp/watanabe_hitoshi/
紹介記事2:https://syoukei-senmon.net/gifu/14457/
・経営計画士®︎、事業計画士®︎
・ビジネスモデルコンサルタント
・SDGsビジネスコンサルタント
・経営心理士
組織心理士/顧客心理士/
ビジネスコミュニケーション心理士
・上級スピーチアップグレーダー
・対人関係アップグレーダー
・ハイパフォーマンス・コーチ
一般社団法人 空き家再生機構 /理事
岐阜県公認 /コミュニティ診断士
===================
<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
―――――――――――――――――――
<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』 (2019年)
『恩師から受けた薫陶と恩送り(仮)』
(2026年)
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(C) Copyright 2025 mirai design company All rights reserved.
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建設業の安全管理が機能しない本当の理由
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危険は繰り返され
報告は上がってきません。
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現場の意識改革でも
研修の追加でもありません。
・会議の進め方
・責任の明確化
・評価する数字
これら3つを変えるだけで
現場は動き始めます。
なぜこれが効くのか。
答えはシンプルです。
人の行動は仕組みで決まるからです。
報告しやすい環境なら報告は増え
責任が明確なら対策は進みます。
今回は
中小建設会社が30日で実行できる
安全管理の再構築方法を解説します。
*写真はイメージです
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なぜ安全管理は形骸化するのか
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うちの現場は安全意識が低い。
経営者の多くがそう嘆きますが
問題の根っこは違います。
経営者側が作った仕組みに
欠陥があるだけです。
典型的な失敗例を見てみましょう。
月1回の安全衛生委員会
先月の事故報告を読み上げ
パトロール結果を共有して終了。
誰が何をいつまでにやるか決まらないまま
「来月また」となります。
これでは会議ではなく
ただの報告会です。
現場監督は工程管理で手一杯で
協力会社は
それは元請の仕事でしょと無関心。
職長は責任範囲が曖昧で動けない。
全員が誰かがやってくれるだろう
と思っています。
さらに深刻なのが
ヒヤリハット報告です。
報告すると何が起きるかというと
お前の管理が甘いと叱られる。
評価が下がる。
責任を押し付けられる。
一度でもこんな経験をすれば
誰も報告しなくなります。
土木会社のA社では
軽い事故が続いたので
「KY活動を徹底せよ」
と社長は指示しました。
その結果どうだったか。
朝礼でシートを
読み上げる形だけの活動になりました。
ヒヤリ報告は相変わらず月2件。
安全委員会は報告を聞くだけ。
同じ危険が別の現場で何度も顔を出し
元請からの指摘は増える一方でした。
問題の本質は明白です。
・決める場がない
・責任が曖昧
・報告すると損をする。
この3つが揃えば
どんな現場でも安全管理は機能しません。
精神論や注意喚起では
絶対に解決しない構造的な問題なのです。
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30日で現場が変わる3つの仕組み改革
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安全文化を育てる前に
まず対策が
確実に終わる流れを作りましょう。
教育も標語も後で構いません。
以下の3つを変えるだけで
現場は勝手に動き始めます。
1)安全衛生委員会を
決める場に変える
会議時間を30分に短縮します。
議題は3つだけ。
・未対策案件の確認
・再発防止策の決定
・他現場への水平展開です。
報告書の朗読は事前配布で済ませます。
重要なのは各案件に必ず
担当者名と完了期限を付けて
翌週に完了確認する運用です。
「検討します」
「様子を見ます」
は禁句にします。
2)役割分担を
1枚の紙で見える化する
・現場監督
・職長
・協力会社
それぞれが何に責任を持つか
A4用紙1枚にまとめます。
これは誰の仕事?という
曖昧な領域をゼロにするのが狙いです。
協力会社も含めて
全員の目に触れる場所に掲示します。
ホワイトボードでも構いません。
大切なのは
知らなかったという
言い訳を封じる仕掛けです。
3)追いかける数字を変える
災害件数だけを見るのをやめます。
代わりに
・対策完了率
・再発率
を毎週チェックします。
経営会議でも
最初にこの2つを確認し
災害件数は後回しにします。
これで現場へのメッセージが変わります。
事故を隠せから
「早く報告して対策しろ」へ変わります。
数字が行動を変える典型例です。
そして最も大切なのが
報告者を絶対に責めないルールの徹底です。
経営者自らが
・報告してくれた人は評価する
・隠した人を叱る
と明言してください。
これを破る管理職がいたら
即座に指導する覚悟も必要です。
先ほどの土木会社は
この3つを実行しました。
委員会は対策決定に特化します。
ヒヤリ報告はスマホで簡単入力し
協力会社も報告可能にしました。
社長は報告者を責めないと
全社に宣言しました。
結果は劇的でした。
3週間で報告数は
月2件から18件へと増えました。
今まで隠れていた危険が
次々と表面化しました。
対策も具体的になり
実際の事故は減り始めました。
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今日のまとめ
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建設業の安全管理が機能しない理由は
現場の意識の問題ではありません。
・会議が決定の場になっていない
・責任が不明確
・報告すると損をする
この3つの設計ミスが真の原因です。
打ち手は明確です。
安全衛生委員会を決定の場に変え
役割を見える化し
追う数字を完了率に変える。
30日あれば
基本的な仕組みは作れます。
大切なのは
経営者が報告を歓迎する姿勢を
見せ続ける覚悟です。
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次回の予告
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気づけない事柄が多々あります。
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客観的に見直すことは困難です。
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外部の視点から構造的に現状を分析し
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代表取締役 渡邉ひとし
【コンサルティング事業部】
・リアル(現地現場)
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Mobile:080-4806-1553
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・経営計画士®︎、事業計画士®︎
・ビジネスモデルコンサルタント
・SDGsビジネスコンサルタント
・経営心理士
組織心理士/顧客心理士/
ビジネスコミュニケーション心理士
・上級スピーチアップグレーダー
・対人関係アップグレーダー
・ハイパフォーマンス・コーチ
一般社団法人 空き家再生機構 /理事
岐阜県公認 /コミュニティ診断士
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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
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<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』 (2019年)
『恩師から受けた薫陶と恩送り(仮)』
(2026年)
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(C) Copyright 2025 mirai design company All rights reserved.
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