【AI 経営の実践ガイド】
第15話【AI 経営の実践ガイド】
AI顧客分析の危険な思い込み
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中小企業が陥る失敗から学ぶ改善策
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いつもお読みいただき有難うございます。
組織変革コンサルタント
経営戦略コンサルタント
の渡邉ひとしです。
多くの中小企業経営者は
「うちの顧客のことは
誰よりも理解している」
と信じています。
しかし実際は
営業担当の印象と長年の勘に頼り
本当に利益を生む顧客層を
見誤っています。
その結果
広告費を無駄に使い
値引き営業から抜け出せず
粗利率は下がり続けます。
今回はAI顧客分析を活用して
既存データから客観的な傾向を
見つける方法です。
AIに全てを任せるのではなく
人間の経験と
AIの分析力を組み合わせます。
この組み合わせが有効な理由は
感覚では気づかないパターンを
AIが発見し
AIが見落とす現場の微妙な違いを
人間が補えるからです。
AI顧客分析で失敗した
中小企業の実例と
明日から始められる
3つのステップを解説します。
*写真はイメージです
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データはあるのに
活用できない経営者の現実
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中小企業の多くは
既に相当量のデータを持っています。
・POSデータ
・顧客名簿
・請求データ
・問い合わせ履歴
これらが各部署のパソコンに
散らばっているだけです。
「うちにはデータがない」
という経営者に限って
実は整理していないだけ
というケースがほとんどです。
問題はデータがあっても
どう使えばいいか分からない点です。
いきなり高度な分析を目指すと
現場がついてきません。
・誰が
・どれくらいの頻度で
・いくら使っているか
という基本的な3つに絞り
単純な集計から始めるだけで十分です。
ただしAI顧客分析を過信すると
深刻な問題が起きます。
過去データの偏りを
そのまま学習させれば
たまたま成功した過去を
正解として固定してしまいます。
新規顧客開拓への挑戦意欲が失われ
市場変化への対応が遅れます。
「AIがこう言っているから」
という発言が会議で増えたら
組織として危険信号です。
老舗専門店のA社では
店長が毎週来店する常連客を
最重要顧客と認識していました。
しかしPOSデータと
会員情報をAI分析すると
実際の売上貢献度が最も高いのは
月1回だが高単価商品を
まとめ買いする顧客層でした。
店長は
この層をほとんど把握しておらず
DMやクーポンは
常連中心に配布していました。
分析結果に基づいて
施策を変更しようとしましたが
「昔からの常連を軽視するのでは」
という反発が起きました。
組織内の対立が表面化し
改善は進みませんでした。
データ分析だけでなく
意思決定プロセスの改革も
同時に必要だったのです。
この事例は
正しい分析結果があっても
組織が
受け入れる準備ができていなければ
意味がないという教訓を示しています。
BtoBサービスのB社では営業全員が
値引きなしでは受注できない
と信じていました。
過去2年分の商談データを
AI分析すると興味深い結果が出ました。
提案前の打ち合わせ回数が多い案件や
決裁者が初回面談に参加した案件では
値引きなしでも
契約に至っていたのです。
しかし営業マネジャーは
この結果を部下と共有するだけで
満足してしまいました。
具体的な行動変革を促さず
営業手法も変わりませんでした。
せっかくの分析結果も
現場の行動が変わらなければ
何の意味もありません。
リーダーシップの欠如がデータ活用の
最大の障壁となった典型例です。
分析ツールより重要なのは
結果を行動に移す組織の実行力なのです。
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成果を生むAI顧客分析の3ステップ
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AI顧客分析で成果を出すには
順序を守った実践が不可欠です。
ツールだけ導入しても
机上の資料が増えるだけで終わります。
ステップ1:
データを一か所に集める
以下のデータを一枚の表にまとめます。
・会員リスト
・売上データ
・問い合わせ履歴
項目は以下の4つで十分です。
・顧客ID
・最終購入日
・年間購入金額
・購入頻度
この作業を省略して
AI導入を進めても
分析結果の信頼性が低く
現場は使いません。
データ品質の確保は
技術より作業プロセスの問題です。
ステップ2:
生成AIに傾向を要約させる
表計算ソフトのデータを
ChatGPTなどに読み込ませます。
「年間購入金額が高い
顧客の共通点を3つ挙げてください」
など知りたい内容を具体的に指示します。
質問が曖昧だと
もっともらしい文章だけが並び
意思決定につながりません。
経営者自身が
明確な問いを持つ必要があります。
ステップ3:
一つの施策に絞ってテストする
抽出した傾向から
施策を一つだけ選び
限定的にテストします。
例えば以下の内容です。
「高単価で年2回利用する
顧客20名にだけ次回予約の
提案メールを送る」
全顧客に一斉展開すると
効果の要因が分からなくなります。
小さく始めて効果を測定し
成功パターンを
横展開する方法が現実的です。
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今日のまとめ
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AI顧客分析は
魔法の道具ではありません。
データを整理し
問いを明確にし
現場で検証する
地道な作業の積み重ねです。
勘と経験だけでは
思い込みが施策に反映され
AIに依存し過ぎれば
過去の偏りを増幅させます。
今回示した3つのステップは
地味ではありますが
実行すれば
何となくの顧客感覚から
確実に脱却できます。
明日から
顧客データを一枚の表にまとめ
最初の問いを
AIに投げかけてください。
小さな変化の積み重ねが
経営判断の精度を着実に高めます。
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次回の予告
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*次回は 12月16日火曜日の予定です。
第16話
『生成AIでチラシや広告文を作る
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岐阜県公認 /コミュニティ診断士
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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
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<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』 (2019年)
『我が師から受けた薫陶と若者への恩送り
(仮)』(2026年)
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